仮面ライダーギーツ第31話『慟哭Ⅶ:天国と地獄ゲーム♡』感想
◆アバンの雑記パート
・資料性博覧会16新刊『キツネガタリⅡ-謀略編-』脱稿いたしました。
というわけでアバンからお知らせ。
5/3中野サンプラザにて開催される『資料性博覧会16』にて頒布予定のギーツ感想まとめ本の第2弾『キツネガタリⅡ-謀略編-』の情報です。
今回は前回の反省を踏まえて仕様を色々かえたりキャッチーさは多少出すために裏表紙にツムリによるあらすじ紹介を加えました。
謀略編といえばゲームマスターギロリの謀略に翻弄されながらも登場人物たちが盤上の駒にされようとも貫きたい意思を確認したストーリーでもありました。そんな謀略編を今回の新刊で振り返っていただければ幸いです。
ちなみに巻末のおまけでロボット110番の批評を入れてます(なんで?)
ちなみに配置場所はまさかの壁サークル。推しのネームバリューだけで神配置を獲得していく系サークルを目指していきます。いつか推しのネームバリュー相応の力を持ったサークルになれたらいいね。
◆仮面ライダーギーツ第31話『慟哭Ⅶ:天国と地獄ゲーム♡』感想
脚本:高橋悠也 / 監督:田﨑竜太
・道長のフィナーレにふさわしいゲームとは
前回、道長発案の闘牛ゲームが決着。
鞍馬家の真相、祢音の葛藤といいデザイアグランプリの運命に狂わされた哀れな人間たちの深層にせまったシナリオだった。
そして祢音はダンクルオステウスジャマトと引き分けたのちにキューンと共にどこかに消え行方知れずという状況だ。
先週のオチ的にジャマトのために自らの腕を切断したと思われたアルキメデルは指を切って血液を与える事によりダンクルオステウスジャマトを蘇生していたということで、体の一部を切断せずに血を与えて蘇生させたのはニチアサ的に厳しいものがやはりあったのだろうか……というのを感じてしまう。
大智に理解不能だと呆れられながらもアルキメデルにとっては手塩にかけて育てたジャマトは実の息子同然であり、時に自らの肉体を捧げるのは当たり前の行為なのだろう。それよりもベロバにとってもっぱらの関心は次のジャマトグランプリの事である。道長が有終の美を飾るゲーム、それによってどんなに地獄に堕ちようとももがき続ける彼の不屈の精神を買ったベロバの願望は完成させられるのだ。
一方、景和が沙羅がタヌキそばを食べていたのだが、外にジャマーエリアが発生。急いで外に出るのだがなんとジャマーエリアに囲まれた町が地盤から切り離されうきあがっていた。そしてさらには天空に創世の女神を模した巨大な像が現れ、地面には色とりどりの円が。当然不審に思った民衆は乗ろうとしないのだが周りのジャマトたちがそうさせない。単身タイクーンに変身し、対応する景和だが当然一人では対応しきれないのである。
女神像に『幸せになりたければ好きな色を選べ』と言われ逃げた民衆は円の上に逃げこのエリアならジャマトに襲われないと発見するのだが当然のごとくこれはゲームなのである。
――――地獄の色が定まった、今地獄は『赤い』。
女神がそう言った瞬間、赤色の円が抜け沙羅を含む数名が落下。タイクーンは即座にコマンドフォームジェットモードへ変身し救出したのだが、やはり演出でチャージまでの間がカットされがちになったかコマンドバックル。
遅れて英寿も駆けつけ、円に乗らないように警告しながらジャマトへ立ち向かう。
ジャマトグランプリ最終戦は『天国と地獄ゲーム』。
現れたバッファは英寿に人間行きつく先は天国か地獄かと相場が決まっていると淡々と告げた。やはり彼自身『自分は地獄行きである』という自覚があるのかその言葉は冷静沈着だ。
このゲームは女神の課した選択を人々が選ぶゲームであり、選択を間違えた者は文字通り地獄…つまり穴の底に落ち、最後まで選択を間違えなかった者だけが幸せになる権利を与えられるというものだ。
最後の最後にきて『まさかの運ゲー』というのは衝撃的であり、ベロバは参加権は民衆だけではなく仮面ライダーにもあると言った。全ての厄介事はニラムを引きずり出すため、ジャマトグランプリはそういう目的のために行われるゲームなのである。
だが最終戦ということはここでうまく立ち回ればジャマト側に奪われたヴィジョンドライバーを取り返すチャンス。だがギーツとタイクーンのみで人々が選択を迫られ、なおかつ自分自身たちも攻撃される中で立ち向かうのはハードルが高い。タイクーンにコマンドジェット、ギーツにレーザーブーストがあるにしてもだ。そして一次審判が終了し、戦いは明日の正午に持ち越される事になった。
ここで現れたベロバ曰く、『天国と地獄ゲーム』は『世界の縮図』とのこと。
大勢の犠牲者の上にたった一人の幸せが成り立つ不公平な世界、それがデザイアグランプリである。
今まで数多く犠牲者を生み出し、その力は女神の元へ集められたった一人の勝者の多きな幸せに変えられる。敗者の幸せを奪いたった一人の勝者のために力を与えてきたのが創世の女神の力である。
真相を知るベロバは英寿に勿体ぶった姿勢を見せるのだが、まぁ創世の女神の正体はミツメであり英寿は『目的の為の詰め将棋』のついでに世界を守ろうとしていたのだがその足元にはたくさんの犠牲者の血がある……という事を言いたいのだろう。
・真相を知り、選ぶ選択は
ベロバの意味深な言葉が引っかかっていた景和はケケラにデザグラで犠牲になった人たちの末路についてきいていた。ライダーが全滅したデザイアグランプリで蘇らなかった桜井家の両親がその最たる例である。
ケケラ曰く世界を作り変える力に変えられたとのことであり、誰かの幸せがデザ神の幸せに変えられているとのことだ。
そもそも世界の幸せの総量が決まっている。誰かが幸せになればだれかが不幸になる。つまり景和たちがかつて持っていた幸せは英寿の元へ向かっていったということであり、全方位からヘイトを買う展開になってきているのが過酷である。願いの代償、そして完全なハッピーエンドが完遂される事はないというのがここにきての仮面ライダーギーツである。
一方英寿はニラムに対して創世の女神についての質問をしに向かっていた。運営者としての立場が奪われてるが故にゲーム休止期間は暇なのか串カツを嗜んでいたニラムは英寿の話をきき、英寿は本来産まれるはずのなかった人間だったと言った。
英寿が現代人の肉体で生まれて転生を繰り返している以上は処女受胎ではなく何かしらの形で現代人の遺伝子を受け継いでいるはずである。
ニラム曰く『未来人と現代人の間で子供は産まれない』ことなのだが体の構造が違うのであれば母のミツメどうやって英寿を産む事に成功したのだろうか。可能にするすべはあったとニラムは珍しく特大ヒントを与えるのだが、英寿を真相に向かわせようとしている彼の意図はなんなのか。
そして景和は身を寄せ合う民衆の元へ。
幸せの総量は決まっている、誰かの不幸がデザ神の幸せとなっているそんな事を聞かされた後、誰よりも人類の幸せを願う景和は思い悩み『あんなヤツ(女神)さえいなければ』という女子高生の呟きに引っ掛かりを覚えていた。
英寿が真相に迫り、景和が不条理の原因に迫る。
そして全てに気づいた英寿の元に五十鈴大智が現れた。ジャマト側の参謀として、世界の裏側の観測者居続ける彼が英寿に真相を告げた。
『未来人と古代人の間で幸福を願ったミツメが他者の幸福を奪い、創世の女神の力を手に入れ英寿を産んだのだ』と。
そして今回の天国と地獄ゲームの女神はその創世の女神を模造したものである。そしてナッジスパロウ・五十鈴大智は英寿に真相を告げるだけ告げると立ち去っていった。ベロバがあれだけ勿体ぶっていたのにも関わらずヴィジョンドライバーを通して観測した知識を言うだけ言っていく五十鈴大智(慟哭編に突入してからライダーとして活躍していない)は本当に何なのか、ベロバはナーゴに対する曇らせのリベンジをやりたがっていただろうに。きっとそれだけヤバい知識手に入れられてワクワクなんだろうな……
真相を告げるだけ告げられてショックを受ける英寿にさらに通りすがりに真相をきいてしまった景和が怒りをぶつけた。
「父さんも母さんも、俺たち家族は…ただ家族で暮らせればそれだけ幸せだった…なのに創世の女神がそんな幸せすらも奪ったんだ、誰かの幸せを叶えるために」
母が創世の女神となり、真相に迫ろうと戦い続けていた英寿はいつしか人々の幸せを奪っていた。自己を犠牲にしてでも他者を見捨てたくない景和にとっては決定的に相いれない要素がここで生まれてしまったのはおつらい要素である。
そして天国と地獄ゲームが再開され、女神の審判で転落しそうになっていた女子高生とそれを助けようとしていた沙羅。景和は二人を救出し、単身タイクーンとして立ち向かっていく。『みんなの幸せを守りたい』そのためにジャマトに攻撃するタイクーンだがその形相は鬼気たるものであった。
そして救出されたはずの女子高生の足元の円は何故か紫から黄色へ、急いで生き延びるべく別の円に飛び移ったがその過程でサラリーマンの男性を突き落としてしまった。どんなにタイクーンが手を伸ばそうとも生き残るためにもがく人間はほかの人間を蹴り落そうとする。彼の願いは壮大であったが、どうあがいても願いは意図通りに叶えられる事はない。
愕然とするタイクーンに『女神の支配からは逃れられない』と切りつけるバッファ。
「人より幸せでありたいと願うやつがいる限り争いは終わらない。だったら勝者になるしかない!女神を利用して理想の世界を手に入れるためにな!」
攻撃により穴から落ちそうになっていたタイクーンを踏みにじりながらそう言ったバッファは彼を突き落とした。争いの輪廻を全てを終わらせるためとはいえ彼がいままで選んだ選択はビーチブーストを除き非人道的な物ばかりで行くところまで行ってしまった感が凄い。本人も地獄行きを自覚していそうなのにしてもだ。
「タイクーンは俺が消した」
人々の命を吸収し続ける女神像を愕然と見ていた英寿に道長はそう告げた。タイクーンを消し、ギーツを消して自分がジャマ神となる。
そうすれば争いの輪廻が終わる、道長はそう考えていた。
ジャマーガーデンにて大智はダンクルオステウスジャマトを復活させようとしていたアルキメデルを目撃した。栄養を欲するダンクルオステウスジャマトにアルキメデルは自らの肉体を捧げようとした。
アルキメデルの肉体を丸のみし、食い尽くそうとするダンクルオステウスジャマトの姿に愕然とする大智の姿を見てこの男にも最低限の倫理観があったのかと思ったのだが直後のアルキメデルに成り代わったダンクルオステウスジャマトの姿をみて笑顔を浮かべてたので、ハードルを越えてから更なる知的興奮のステージに向かっていっただけだったというオチである。
次回は数週ぶりにジーンが再登場するということで、やはりこの仮面ライダーギーツという作品は出番の空白を作らないように構成されているのだなと感じたのだった。まぁゼロワンもセイバーもリバイスもアンバランス感あったからなぁ……
創世の女神に関する真相自体は読めていたものの、ここを起点にして謀略編ではギロリを欺くための偽装だったギーツVSタイクーンの構図に再び落とし込んでくれそうなのはなかなか嬉しい。
あの時はギロリに願いについて『くだらないなんて言うな』と言った彼だが真相を知り、ゲーム終了後にどういう判断を下すのか気になるところである。
真相を知り全てを終わらせようとするバッファ、真相を知り全てを救済しようとし脱落したタイクーン、雲隠れしているナーゴ……そして真相の中心にいたギーツは果たしてどうするのかたのしみだ!
◆ギーツ31話コラム
・ジャマト側のツムリポジション・五十鈴大智
仮面ライダーナッジスパロウ・五十鈴大智。乖離編にて登場し、策略でタイクーンをハメようとして失敗してからベロバに拾われた彼だがここにきて異様なポジションを獲得している。
参加者時代の戦い方を見る限り単純な戦闘力を駆使する事より策略を巡らせる方が好き好んでいる様子であったため、今の全く変身せず単純に世界の裏側を観測していくのは彼にとって非常にラクで愉しい状況なのだろう。
先週、ナーゴの残酷な状況に葛藤するツムリにチラミは『参加者の理想を見守る務め』と言ったのだが、バッファが人ならざる道に堕ちようともジャマト化を迫られようとも人がジャマトに食われようとも公平にジャマト側の動きを観測し続ける彼のポジションはデザイアグランプリにおけるツムリのポジションと一緒だといえる。
だが知的好奇心ゆえに観測者としてのポジションは彼にとっては非常にコストパフォーマンスよく幸福を獲得できる場所であり、ツムリと違い他人の幸福も不幸も知的興奮として糧にできるため特に覚悟も持たずに立場を担えるのがなかなか面白い。
◆巻末宣伝コーナー
・語ろう中田ヒーローズ2の二次募集は5月末まで
さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画『語ろう中田ヒーローズ2』の参加者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』を募集しております!お気軽にご参加ください!
4月より既に参加している人限定で部門を越えた応募が可能となりました。二次募集は5月末ですが、6月になりましたら完成原稿のみ受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。
【企画概要】
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※現在の参加者一覧は【こちら】になっております。
・アンケート企画ももちろん実施中!
そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!中田裕士キャラの頂点を決めろ!『中田裕士キャラ総選挙2023』の締め切りは6月30日です!皆様これからもご投票ありがとうございます!
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