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仮面ライダーギーツ第38話『慕情F:九尾の白狐!』感想

◆アバンの雑記パート

・コミックマーケット102に当選いたしました!

というわけでお知らせです!
8/12開催の『コミックマーケット102』に屋上わーくす+α当選いたしました!

スペースは【東館ポ16b】です。

コミックマーケットもいよいよ4回目!令和に突入してからコミケ主体路線にシフトしていったのですが、やはりこのイベントは特に客層が厚いイベントですので毎回ワクワクしてしまいます!
兎にも角にも語ろう中田ヒーローズ2の頒布に向けて頑張ってまいりますのでよろしくお願いします!

【運営アカウント記事】

【中田裕士キャラ総選挙回答受付中】


◆仮面ライダーギーツ第38話『慕情F:九尾の白狐!』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:杉原輝昭

・願いの果ては

このままでは『終わらせない』

さて、慕情編も今回でラスト。
この慕情編は母を探す英寿をはじめとして『誰かを慕う想い』というものが大きくピックアップされた編だった。
ちなみに今回はギーツの最強フォーム仮面ライダーギーツⅨのお披露目回でもあり、英寿の2000年の時を経た母との再会の話であった。

母を破壊されかけ、それでも救いたいと願う英寿はギーツの新たな力を得て覚醒。スエルはその力を『創世の力』と称するのだが、ツムリのみならず英寿も創世の女神と同等の力を得ているという事なのだろうか。
あと一歩、女神に手を伸ばそうとしながらもその手は届かずギーツは墜落。
意識を失った英寿は謎の空間で目覚めた。そこに居たのは怪しげな狐面の男の右目と耳の一部にはメカニカルな電飾ラインがあしらわれているのが特徴的であり、そのヴィジュアルは未来的要素と郷愁的な要素が同居しているような印象である。

一方、創世の女神の真実を知った景和。
家に帰宅後も脳裏によぎる事は創世の女神の事よりも大事な姉のIDコアがバッファによって破壊されたことである。姉は記憶を失いながらも生きている。しかしながら景和にとっては自分にとっての唯一の愛である彼女の尊厳を傷つけられた事実は何よりも重い。
ライダーの記憶が消えているはずの沙羅を見ながら『変身なんてしなくても姉ちゃんは健康に生きてくれればいい』と言う景和。
『犠牲になった人たちを一人残らず救いたい』という願いを抱き戦う彼だが本質的には『自分を守る戦いを続けている姉の本来あったはずの幸福』『どこに還元されているのか』を知ってしまったからという理由が大きいのだろう。
景和は幼いころより姉に守られ続けて育ってきた。序盤の中身が伴ってなくズレている風に見えた彼の奉仕精神は姉から学んだ事を粛々と実行しているのに過ぎなかったのだろうと思うし、だからこそ創世の女神の真実を知った彼の根幹は初めて『憎しみ』へと変貌したのかもしれないと感じる。

ギロリの上司らしいよねって

グランドエンドを間近に控え、ニラムはスエルに女神の後継者とは何なのかと問いかけていた。
本来ならば創世の女神は唯一無二の存在であるはず。その疑問に対しツムリを連れ『スエルが女神の力をデザインし再現する事に成功させたのだ』と答えたのはサマスだった。
ツムリの英寿に対する私的感情の変遷はかつてのミツメの歴史再現である風に感じていたのだがやはり予感は的中していた。誰かを想う願いを経て創世の女神のクローンは覚醒する。後継者が育った以上ミツメは用済みだと言い捨てるスエルにツムリは愕然とする。純粋な他者の想いが産んだ奇跡を利用する手段に激怒したのはニラムだった。
一人の女性の願いというリアルを女神といフィクションに作り変え、挙句の果てにツムリを二代目の女神に仕立て上げる。ニラムはショーのリアリティを大切にしており決して虚像を許さない。彼のそういった側面は謀略編で特定個人を陥れる為にゲームを不正構築したギロリを処刑した時でも見られていた。だがそんな彼の憤怒の情も空しく腹部をサマスの銃弾が貫く。
その時代に居る時は『普通の人間と同じように傷つくようにデザインされる』のが未来のルール。致命傷を負ったニラムからヴィジョンドライバーを奪い自分が後任となると言ったサマス。

「使命に情熱を持ちすぎるとはらしくない。お前もこの世界の影響を受けたか。」

使命への情熱、それによる暴走。かつてデザイアグランプリの裏側に迫ろうとする厄介ユーザーを排除しようとしたギロリと同じ末路をたどるのはなんと皮肉な事だろうか。

・世界で英寿は自問自答する

自問自答

「お前が望んだ力とはなんだ、全てを破壊するその力では何物も救う事はできない」

謎の空間にて母を奪った運営を憎み全てを破壊する事が理想の世界なのかと問われる英寿。2000年かけてなしえた事なんてない、母を救うことも母に会う事も出来ない。
お前の願う世界は破壊かと問われるも英寿はそれを否定。彼の決意は既に決まっていた。
『全てを破壊して創り変える、俺の理想の世界を創るために』……それは創世の女神と同じ道筋を自ら進む事であり、それを聞いた狐面の男は面を外す。狐面の男の素顔は英寿と同じ顔であり『愚かな男だ』と言うと立ち去っていった。余談ではあるが、狐面の男と英寿とが同時に画面に映るシーンで狐面の男を演じたのは仮面ライダーギーツのスーツアクターである中田裕士さんであるというのは仮面ライダーWEBの情報である。
狐面の男の正体は不明ではあるが、恐らく彼は最後に2000年の願いに対する決断を行うために『自分自身』に問いかけていたのだろうと思う。

意識を覚醒させ、現世で目覚めた英寿の前に居たのはジーンだった。
『会わないといけない人が居る』と言った英寿に対し願いに『最後に会えるといいね』と寄り添い送り出そうとする彼の姿はもはや女房役とも言える貫禄である。
願えば理想は叶う、英寿が向かった先は創世の女神の中だった。
ここからの2000年の時を経た親子の感動の再会は美しく、神聖ですらあった。母親を見て即座に駆け寄り『やっと会えた』と言う英寿の姿は一人の子供そのものである。半ば呆れるミツメであったが『忘れてほしいという言葉を思い出すたびに忘れられなかった、忘れたくなかった』と言う英寿に何かを気付いた様子。
何度死んでも何度生まれ変わっても全てを覚えている英寿の力は『願ったから身につけてしまった物である』という事。生まれ変わっても前世の記憶を覚えている力はミツメが与えたものではなく英寿が願った奇跡だったのだ。

だがそんな二人を引き裂くかのようにスエルはグランドエンドを決行していく。世界の終わりの中で個人的に印象に残ったのは記憶を失った祢音に『本当の自分を思い出せ』と叫ぶキューンだった。
うだつの上がらないキューンが他者へ一歩踏み出す力を手に入れたのは祢音との交流を経てのものであり、サポーター勢の中でも彼の成長はすさまじいものであったと感じる。

もう残された時間は無い、別れが近づく中『離れたくない』と叫ぶ英寿にミツメは『貴方が生まれた時、本当に幸せだった』と語りかけた。
それでも彼女にとって『自分がやってしまった事の罪』は例え大いなる意思の影響だったとしても重く彼女にのしかかる。創世の女神として終わる事により罪を償うと言うのだが、最後に願ったのは英寿に生きて幸せになってほしいという事だった。

「俺は信じるよ俺が二人の願いで産まれてきたって。誰かの幸せが誰かの不幸の上に成り立ってるわけじゃないって。」

離れていても貴方が生きているだけで幸せだったそんなミツメの言葉。
2000年の願いの果てに母の愛を受け、英寿の『誰もが幸せになれる世界を創りたい』という願いが固まったのはなんとも印象深い。最後にミツメが発した『愛している』という言葉は彼女自身も2000年間ずっと言いたかった言葉なのだろう。

そんな姿をみて、YOASOBIの『アイドル』という曲の一節が頭をよぎった。

『ああやっと言えた、これは絶対嘘じゃない愛してる。』

引用元:YOASOBI『アイドル』より

知らなかった愛を知ろうとし、その果てに創世の女神として祭り上げられた彼女がずっと伝えたかった想い。最後にその想いを伝えた光景を見て心からピッタリな歌だなぁと思ったのだ。

・創世の力に覚醒したギーツは

そしてグランドエンドが終了し、ライダーの記憶は失われオーディエンスが立ち去り世界は終幕した……はずだったのだがそこにはなんと英寿が。
何故記憶を失わず、ライダーの力も失わずに現れる事ができたのかというと。その理由に対するスエルの推測は『創世の力で抗った』とのことだ。

「俺は忘れない、この世界のすべてを」

英寿は再びブーストマークⅢバックルを手にしてブーストマークⅨに分割するとデザイアドライバーにセット。ここから展開されるのは最強フォームのお披露目である。

仮面ライダーギーツⅨ(ナイン)

■身長:209.0cm
■体重:119.9kg
■パンチ力:69.9t
■キック力:149.9t
■ジャンプ力:169.9m(ひと跳び)
■走力:0.9秒(100m)
★必殺技:ブーストナインビクトリー
<Point>
仮面ライダーギーツのデザイアドライバーにブーストマークⅨバックルをセットした姿

【出典元】テレビ朝日公式『仮面ライダーギーツ』|仮面ライダーギーツⅨより

仮面ライダーギーツの最強フォームである『ギーツⅨ』はまさかのホワイトボディ。スーパーカーのようなスタイリッシュなラインは保持しつつどこか生物的で怪しい雰囲気を持っているのが特徴的であるが、なにより目を引くのは腹部の黒い素ボディの真ん中にある皆既日食を思わせるような円。吸い込まれるような円は例え世界が闇に隠れようとも再び照らしたいという英寿の想いというのを感じる。
そしてギーツⅨはギーツバスターQB9を手にし、再び閉ざされようとしていた世界を創世したのだ。
全てを破壊し、創世する力。ビルを破壊し、再び再生されてから地面に堕ちたスエルの前に降り立つギーツⅨ。そこに無いはずの階段を一歩一歩踏みしめ降りていく姿は何よりも神々しい。

「俺は俺の手で叶える、理想の世界を」

新たに創世の力を手にし、使いこなそうとする男を倒すべくスエルはギーツⅨを倒そうそするのだが放たれたドローンは超速移動するギーツに当たる事はない。ノンストップで回避してからの射撃、そして問題のスエルの鞭打ちのようなドローンの攻撃動作を前にして口元に人差し指をつけてからの『シーッ』の動作。

あの、これドスケベじゃないですか!?
藤田さん!まずいですよ!これドスケベですよ!!!!!

ギーツ1話のバックルキス以来の衝撃そして一瞬の勝ち確主題歌を止めてからのQB9ブレードモードでスエルの攻撃を打ち返す。
そして前を見据えて一閃ぶちかましてからスエルを地面に叩きつけてから刀身での鞭打ちラッシュ、我々の業界ではご褒美です。ここどんなに変わってほしいと思ったことか。刀身をスエルの腹部に当てQB9ブレードの機能である射撃機能でぶちぬいていく。
最後の抵抗で押し返すスエルだが太陽を背にしたギーツⅨの身軽な空中ターンが最高である。
ブーストタクティカルビクトリーの攻撃をスエルは防ごうとするがバリアは半ば損壊状態。そしてギーツⅨはバリアを殴りつけて突破し、バリアの途中で止まっていたギーツバスターQB9をキックで蹴り出しスエルを撃破。
スエルは力を失いボロボロになりながらもヴィジョンドライバーを回収し、『お前が創り変える世界がユートピアとなるか、ディストピアとなるか見ものだな』と言い残し立ち去っていった。

仮面ライダーギーツは世界を創り変える創世の力を持っている。
『誰もが幸せになれる世界を創りたい』そう願った英寿は世界に何をもたらすのか。

次回よりいよいよ最終章、終わりが近づいているのだけれども鎧武みたいなエンディングは逆にない気がするのだが一体どうなるのだろうか。


◆ギーツ38話コラム

・創世の力を継承した二人

創世の因果で生まれた奇跡を手にした二人は

ところで気になるのが仮面ライダーギーツの世界で創世の女神のように奇跡を起こす力を手にした存在が二人できてしまったという点である。

『女神の奇跡を再現すべくデザインされたツムリ』
『創世の女神であるミツメから産まれ自らの意思で奇跡を手にした英寿』

諸悪の根源であるスエルが生存している上にサマスのこれからもわからない。さらには次回より新たなゲームマスターが送り込まれるという事は既に解禁済みの情報。となるとこの二人を利用しようとする存在が出てくるのは間違いないだろう。
利用する人間たちが未来から送り込まれるのだろうが二人はこれにあらがえるのかなと思ってしまう。英寿は2000年もの間戦い続けておりその経験もきっとあるのだけれども果たして創世の女神と同等の立場にたった彼の歩む道がどうなるか不安で仕方ない。

今はとにかく英寿が導いた未来を信じるしかないのだが果たしてどうなるのだろうか。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2の追加エントリー募集は6月末まで。

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
6月末まで評論部門限定で追加エントリーの受け付けをしております!是非ともご応募ください!

※追加エントリー枠は完成済原稿を用意している方のみです※

【企画概要】

【追加エントリーについて】

【応募窓口】

追加エントリー枠の申し込みは運営TwitterのDMより受け付けております。

参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!中田裕士キャラの頂点を決めろ!『中田裕士キャラ総選挙2023』の締め切りは6月30日となっております!皆様ご回答ありがとうございます!まだの方も是非!

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