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仮面ライダーギーツ第25話『慟哭Ⅰ:ジャマトグランプリ♡』感想

◆アバンの雑記パート

・3/12に大九州合同祭in熊本に参加します

告知というものはしつこくやるべきというのがこの世の理というのは誰もがわかっている。というわけで再三の告知は忘れない。
3/12熊本城ホールにて開催される大九州合同祭in熊本屋上わーくす+αとして参加させていただきます!

スペースは【B10】!色々あるよ!!

ちなみにサイレントオークション企画にも何かを出しているかも……!?よろしくお願いします!!


◆仮面ライダーギーツ第25話『慟哭Ⅰ:ジャマトグランプリ♡』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:柴﨑貴行

・ジャマトグランプリの開幕~そして道長は異なる道へ向かい続ける~

果たして記憶と人格そのものを持った存在は友となりうるのか

前回、デザイアグランプリの駒として扱われていたジャマトが新人類になろうとする戦い『ジャマトグランプリ』が開始した仮面ライダーギーツ。
最後まで勝ち残ったジャマトはジャマ神となり理想の世界を叶える事ができるという戦いでゲームマスターとなったベロバは集めたジャマトたちの前で高らかに開始の宣言をしていた。
しかし女神のもう一つの鍵であるゲームプロデューサーの権限を持っていないのにもかかわらず願いを叶えるとはどういうことなのか…となるのだが、目的が『ニラムを倒しビジョンドライバーを奪い取る事』なのでどちらにしろゲームを成立させた時点で両権限がベロバの物となり不履行問題には発展しないという事なのだ。
前々回のジャマーガーデンの爆発で生き残り、選ばれしプレイヤージャマトたちを祝福してフィーバースロットバックルを与えるベロバだがその中にきちんと道長も組み込まれているため、現在彼女は道長をジャマトの枠組みに入れているという事なのだ。
誰かの大切な物を破壊する事によって溜まるスコアを競うこのゲームでは『人生』『家』『夢』『健康』……それぞれにスコアが定まっており、ラスボスを倒した時点で最もスコアが高かった者がジャマ神となり不幸の世界を叶える事ができる。人生、恐らくそれは現在ニチアサで許された『生命』という表現なのだろう。
そんなルール説明をするベロバを見て『世界を作り変える力なんて無いだろ』と吐き捨てる道長だが、ベロバは道長がラスボスから奪ってくれるだろうという楽観的姿勢を崩さない。例え口で反抗されたとしても『今の道長』は自分が見立てた衣服を着用するくらいには自分の支配下に堕ちている。その自覚が彼女にはあるという事なのだろう。

盛り上がるジャマトグランプリを後目に場所を外した道長だが、そんな彼の目の前に死んだはずの透が現れた。
『道長、お前はどこに向かっている』…そんな至極真っ当な事を言う透に対し『もう後には引き下がれない、仮面ライダーは全てぶっ潰す』と答える道長。彼にとって幻影の透は自分の道を支えるための物だったのだろうか、果たして本当に彼が心の中の支えにしている透の姿は現実の透の物なのだろうか。しかし目の前の透にはなんと実体がある。
それもそのはず、目の前の透の正体はジャマトだったのだ。ジャマトは人間の姿かたちに擬態するだけではなく記憶知恵すらコピーをする進化を遂げる領域まできており、いずれ成り代わりすら出来るかもしれないまでになっていたのだ。そんなジャマトの進化を目の当たりにし、通りすがりの大智は感嘆する。
『お前はジャマトグランプリにエントリーしないのか』という道長の問いに自分はジャマトじゃない、半分なりかかっている君と違ってと答える大智。やはり大智ですら道長を既に人間の分類に入れていないという事なのか。そんな言葉に対し、デザ神だろうとジャマ神だろうとどっちだっていいと答え、改めて理想の世界を叶える道長ではあるが、この手段が目的になっている状況では『自分が進む道の末路や現状の立ち位置に流されるがままだ』という評価を下さざるを得ないだろう。

・ジャマトグランプリ第1回戦は『かみなりジャマト祭り』

た の し そ う

場面が変わり、すずなり鬼祭の準備が行われている神社。仮面ライダーギーツの世界観において今まで希薄だった一般社会の生活という物が描かれているのはかなり大きな変化である。
お祭り明日からですよね、と花束を持った少年が神社の僧侶の男性に声をかける。町中が盛り上がるこのお祭りでは怖がらずに鬼から鈴を取れば願い事が叶う。母のお見舞いに行く予定だった少年は『鈴を取ったらお母さんは帰ってくる?』と聴き、僧侶は力強く『もちろん』と返した。が、そんな中ジャマトグランプリの参加者であるジャマトたちが現れた。
まるで祭のモチーフの鬼のように鈴を吊り下げたジャマトたちは大切な物を破壊しようとする。

ジャマトグランプリ第1回戦は『かみなりジャマト祭り』、雷を落として町を滅ぼす人間たちを苦しめて五つのやぐらを完成させ、そして全てを破壊する災いの祭を楽しむゲームである。
そんな悪趣味なゲームを見ながら楽しそうに笑うベロバ、アルキメデル、大智。なんにしても最悪な連中たちが非常に楽しそうなのだがこの中で誰一人として道長を人類として見做していないのだと考えると非常に悲しくなるのだ。

さて、街にジャマトが現れたのならば仮面ライダーたちも立ち向かわねばならない。デザイアグランプリではなくジャマトグランプリなので報酬なんて存在しないそれでもなお立ち向かおうとする姿に感激するチラミだがやけに演技がかっている。彼に仮面ライダーたちの正義感による無償労働にたかれるのならば万々歳という想いなのだろう。
そんなチラミの想いはツムリに見透かされており、ウソ泣きをやめるよう一蹴されてしまった。ついこの間までスリルとか刺激とか言ってたくせに。
しかしながらなんだかんだでデザグラを取り返したい、そんな意識は一致していたためライダーたちは現場へ向かう事になった。

すずなり鬼祭の現場にて破壊の限りを尽くすジャマトたちに変身し立ち向かう一同。ギーツは少年を助け起こすと僧侶に預け避難を促す。
そして抗戦しようとしていた所にバッファが乱入してきた。仮面ライダーを斬り倒し『お前たちにもスコアが設定されているからな』と言うバッファ。仮面ライダーへ設定されたスコアは10000pt、果たしてバッファは人間として見做されていないこの状況を是としているのか。ジャマトライダーたちはフィーバースロットバックルをセットし、スロットを回す。
モンスター、もゴールデンフィーバーという驚愕の引きの良さを発揮したジャマトライダーたちを前にして『デザグラと立場が逆転したみたいだな』と危機感を露わにするギーツ。
そっちがその気なら立ち向かう他ない、ナーゴもフィーバースロットバックルをセットしゾンビビートに変身し、タイクーンもリボルブオンをし果敢に立ち向かう。が、ジャマトライダーたちは彼らを圧倒するかのような実力だ。そしてギーツもバッファと対決するも透ジャマトの妨害を受けたりで力が発揮できない。
仮面ライダーたちが攻めあぐねる中、透ジャマトが追加攻撃をしようとするもベロバからの第1ターン終了のアナウンスが流れてきたためジャマト達は撤収をする事に。

景和は立ち去ろうとする道長に何故ジャマトグランプリに参加しているのかと問うのだが、道長の姿勢は『お前らには関係ない』と頑なだ。
その様子を見ていた英寿は『そいつに何言っても無駄だ』と言う。
全ての仮面ライダーをぶっ潰すのが願いである道長とはどうあがいても分かり合えない道へ来ていた。

・明かされる未来とまさかの新事実。

ジーンの居た未来は全てを自分の望み通りにデザインできる

戦いが落ち着いたのを見て避難していた人たちが現れ、会場がめちゃくちゃになった状況に驚愕する。景和と祢音はお互い顔を見合わせ会場の立て直しのために協力する事に。そんな様子を見て立ち去る道長を見ていたらジーンが『ホント、昔の世界って面白いよね』と現れた。
たった一つの願いの為に叶えたい理想にドラマと感動がある。そんな彼の言葉を聞き、『お前らの未来にはないのか』と問う英寿。
ジーンの未来では人格も外見も家族も恋人も職業も設計図を描いて組み立てるように好きなようにデザインできてしまう世界になっているため、生まれた瞬間から理想が叶っているためそういった感動とは無縁だったのだ。
サポーター陣営は全員感情に由来した名前を冠している……というのは視聴者全員気づいている所であるのだが、理想や願望そういったものがすでに当たり前に出来上がっていた世界はある種のディストピアであり、『努力してもがく行為』そのものと縁がなく自分たちに存在していないからこそそデザイアグランプリというエンターテインメントを確立してその参加者たちを興味深く思うのだ。

それは他のサポーターも同様だった。
サポーターエリアでさっきな直していた物について興味を抱くケケラに景和はお祭りについての説明を行い、ケケラはお祭りという概念に対して非常に面白がっていた。未来から来たのであれば過去の事なんて全部知ってるのではと景和は疑問を抱くのだが、ケケラは『お前らが古代文明の事を詳しく知っているのではないのと一緒』だと答える。過去の事象を知っているなんて一部の研究家やオタクくらいなもの、それは至極当たり前の事なのだ。

一方の祢音はすずなり祭のポスターを見ている所にファンの男たちに声をかけられた。あわやナンパと言ったところだったが著名人に一般人が相手されるわけないだろうと仲間の男に止められファンたちが去っていった。そしてそんな様子を見ていたのはサポーターのキューンだった。
『チヤホヤされてその気になっちゃって、これだからお嬢様は』と憎まれ口をたたくキューンに何か用か問う祢音だが、恐らくキューンは心配で来たのだろう。キューンは明日のお祭りが楽しみだなと思っただけと言うのだが、そのポーカーフェイスから真意なんて物は察してもらえるはずもなくキューンは祢音に『鬼に直してもらいたいんですね、ミミズみたいにねじ曲がったその性格』と嫌味を言われてしまい、流石のポーカーフェイスもその言葉には大崩壊。恐らくそれなりにショックをうけたのであろうキューンは別に上手くない例えだと言ってから大根みたいに図太い性格を直すように言い返してしまった。
『そんなんじゃ一生たっても本当の愛なんて手に入らない』そう言い残してからキューンは去ってしまった。余計なお世話ですと言う祢音だが、さっきの青年が何故自分の願いを知っているのか。こちら側ももうそろそろ正体を明かし合う事になるだろう。

そしてゲームプロデューサーの部屋に一同に会したニラム、サマス、鞍馬光聖。
サマスはジャマトに対する拡散指数が上がっている事実を報告し、ニラムは危機感を抱いた。ゲームの管理権限が存在しないため、ジャマトの存在を10人に1人が知っている状況は止めようがなく、光聖に早く世界を作り変えないと政府や警察を黙らせるのに限界が出ると苦言を呈されてしまった。
それもジャマト陣営の狙いなのだ、自分を引きずり出すのが目的であるため場合によっては全てをリセットするほかないと語るニラムに目の色を変える光聖。まだ祢音の理想は叶っていないという言葉に『ならばあなた自身が愛娘に本当の愛を注いでは』と返すニラム。『注げませんか?女神の力で手に入れた一人娘に』と言う言葉に黙れと怒鳴る光聖。
ここに来て光聖が過去にデザイアグランプリに参戦していた事が匂わされたのだが、祢音を愛さなくてはいけないが本当の娘として見られていないのだろうなと感じてしまう。仮面ライダー諸君の活躍を、愛娘の幸せを、信じたいのに信じ切れていない彼の悲壮を感じてしまう。

・怒りに身を任せるバッファ、そして……

憎しみを抱いて

祭の再会なんてほど遠い中、道長の元に現れた透ジャマトは『こうしてまた二人で戦う事になるなんてな』と喜びを露わにしていた。
土木建設会社の親方に拾われる前、道長と透は不良たちと戦う生活を送っていた。まるでかつての透そのもののようにジャマトの透は道長に今度こそ仮面ライダーのヤツらをぶっ潰そうぜと言い立ち去った。
そんな様子を見ていたベロバは『かつての親友と友情をはぐくむ気分はどう?』と道長に問いかける。その言葉にロクな回答をする事もなく、くだらない話をする暇があるならゲームマスターを攻略するアイテムをよこせという道長にやる気満々ねと微笑むベロバは道長にシークレットミッションを与える事を約束した。

かみなりジャマト祭りの第2ターン、五つのやぐらを作る段階に来たジャマトは太鼓を打つ。太鼓打ちのジャマトはパフォーマンスで太鼓の上を回し蹴りしており、祭りの『パフォーマンス』という概念を学んでいる風に思える。
再建中の祭を破壊しようとするジャマト達を止めるべくタイクーンとナーゴは即座に立ち向かった。
そしてジャマトグランプリの参加者の一人であるバッファだが、彼も旗を倒しそれを踏みにじっていた。人とジャマトの境界線で拒否を行う事もできるはずなのに人々の大切な物を破壊する行為に加担している。だが、対人加害ではなく物損の方向へ行ったという事は必要のない血の流れる加害行為はしたくないという彼の葛藤があるからだろうか。まぁ、仮面ライダーも人ではあるのだが。
そんな彼だが視線の先に浮世英寿を捉え、ターゲットをそちらに変更することに。バッファの陣営には透ジャマトがおり2対1の状況であるのだが、フェアに行こうと現れたのはジーンだった。
ギーツ&ジーン、バッファ&透ジャマトの対決は推しの活躍に挟まらないようにジーンが透ジャマトの相手をすることに。お互い仲間を従えて勝つのはどっちかと語るジーンに『仲間だと思った覚えはないが』と返すギーツ。それでも絶対的な味方となっているのには代わりはない。透ジャマトもバッファに声をかけるのだがバッファが一瞬遅れて返したのは親友かジャマトか決めかねている証明だろう。

ギーツとバッファの対決でバッファは強引にギーツの腹に頭を突っ込むとそのまま角で突き上げる。『至近距離から仮面ライダーに攻撃をヒットさせる』接近戦を得意とするバッファにとっては一番難易度の低いミッションであり、ベロバはそれを予見して与えたのだろう。
バッファが手にしたのはコマンドジェットバックルであり、それを装着すると仮面ライダーバッファレイジングフォームへ変身。レイジングソードをギーツに投げつけるとまさかのパンチ攻撃で圧倒。武器を投げ捨てるスタイルは烈車戦隊トッキュウジャーのトッキュウ6号を彷彿とさせる。武器自体は近接向きで苦手分野ではないはずなのに何故ギーツにヤクザまがいの暴力的戦法を決めているのかと考えると、現状のバッファが親方に拾われる前の孤独の位置に回帰してしまっている故であろうか。
ギーツは黙ってバッファの粗暴な攻撃を受けるだけではなく背を逸らせ鼻先で回避。だがバッファはそれを戦略を無視した暴力でねじ伏せようとする。
そして足元のレイジングソードの存在にようやく気付いたバッファはそれでギーツを斬りつけるも装填不足のコマンドキャノンバックルは外れない。苛立ったバッファはレイジングソードで自身を斬りつけ無理矢理ジェットモードへ変身し、即座に射撃で対抗しようとしたギーツを空中へ連れ去り一方的に殴りつけてから地表に叩きつけてから『お前を越えてみせる』その想いを叫びバッファはギーツを追い込み倒そうとする。

次回は英寿の正体が明らかになったり英寿がギーツ初のライダー固有強化フォームを獲得するということで非常に楽しみなのだ。

◆ギーツ25話コラム

・『人』を見失いゆくバッファ

アルキメデルに父性を出されたら完全アウト

いやはや今回は縄田雄哉さんのアクションが非常によかった。
ジャマトとしてジャマトグランプリに参加させられ、徐々に人である事を失わされつつある道長の危うさというものが自傷行為でレイジングソードのメーターを装填させるというものにも現れててよかったし、乖離あたりからバッファの戦闘方法もより暴力的かつ戦術と呼べるものが何もない力任せなやりかたなのだ。
吾妻道長は乖離編でベロバに拾われてから徐々に当初の目的からズレていっており、今回のエピソードで『こいつは人間ではない』という扱いをベロバ、大智の二人から受けてしまっている。そんな彼の現状を体現するかのように縄田さんのアクションも『人と呼べないモノ』へと染まっているのだ。

内では透ジャマトの存在に疑問を抱いているのかもしれない。しかしながら道長は引き下がれない。乖離編で更に原型を失おうとしている彼の末路は果たしてどうなるのだろう。現状では悲惨な結末を辿るほか無い状況ではあるが彼がまた人の道へ戻れる可能性はあるのだろうか。


◆語ろう中田ヒーローズ2の宣伝色々

・語ろう中田ヒーローズ2は現在執筆者募集中です。(一次締切:3/31)

現在、コミックマーケット102(8/12開催)合わせで頒布予定の特撮アクション評論アンソロジー『語ろう中田ヒーローズ2の執筆者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』も募集しておりますので文章が苦手な方もお気軽にご参加ください!

現在の参加者一覧はこちらになっております。

3月末に一次募集終了予定ですが、4月より既に参加している人限定で部門を越えた応募を可能にする予定です。6月になったら完成原稿のみで受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

【応募フォーム】

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!皆様ご投票ありがとうございます!
ちなみにですが現在、資料投票の方が全く集まっていない状況ですので4月になったら何かしらの発表は行うかもしれません。中田さん結構面白い発言しているのでアンケートに需要があるかとおもったのですが、そうでもない感じでしたね……

キャラクター人気投票は引き続き受け付けておりますので是非ともよろしくお願いいたします。

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【語ろう中田ヒーローズ広報note】

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