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仮面ライダーギーツ第29話『慟哭Ⅴ:サプライズ!闘牛ゲーム♡』感想

◆アバンの雑記パート

・【朗報】中田裕士、松本岳の誕生日を祝う。

うぅ………

うぅ…………


◆ 仮面ライダーギーツ第29話『慟哭Ⅴ:サプライズ!闘牛ゲーム♡』感想

脚本:高橋悠也 / 監督:杉原輝昭

・袮音の誕生日がやってくる

4月1日…嘘だけど嘘じゃない……あっ(察し)

前回、ジーンと挑んだ戦国ゲームが終了した仮面ライダーギーツ。そこから打って変わって今回のエピソードは袮音とキューンの掘り下しとなっているため、慟哭編はサポーターライダーたちとの絆を深めるためのものとなっているのだろう。
サポーターはそれぞれ近年のオタクを風刺しているような気がする。
ジーンは前世詮索オタク、ケケラは後方母親面リスナー、ベロバは厄介オタク、そしてキューンはガチ恋構文赤スパリスナー……と思われるのだが彼はそこで片づけられる存在ではないのかもしれない。

さて本編の話に移らせていただこう。ジャマトグランプリが新たなゲームを画策する中、袮音は誕生日配信を行っていた。
4月1日は袮音の誕生日。しかしながら袮音の誕生日は誘拐事件が発生した日でもあったため袮音にとっては非常に複雑な日である。
それに加え袮音が知らない話であるが、ニラムと光聖のやりとりで彼女の命の理由にデザイアグランプリの関与が疑われているため、実は袮音はこの日に……という残酷な事実が存在している可能性が非常に高いのだ。

彼女の状況はつゆ知らず、袮音のための誕生日プレゼントを選びに来ていた英寿と景和。
プレゼントは何にするのという景和からの質問に対し『気持ちでいいだろ』と答える英寿。言葉こそそっけないが相手は何だって持っている、だから心を込めて選んだプレゼントであれば何でも喜ばれるはずだろうという英寿の優しさがわかるのだ。
そんな英寿の言葉をなんてことないかのように聞き、ふと昔の人は誕生日を祝う風習があったのかときくとその言葉は肯定された。
前世の記憶があるなんて信じられないと言いながらも英寿が強い理由について納得する景和。

「もっと驚かれると思ってたけど案外普通だな」

前回の戦いで英寿の秘密についてはデザグラに関係する者たちに知られてしまった。だが景和は『英寿は英寿』だと受け入れていたのだ。この長い2000年を超える月日で信じられず排斥された経験もあったのだろう。英寿の表情は非常に穏やかだった。

しかしその最中街でジャマトの出現が、追いかける中景和のみがゲートの中で遮断。道長が提案する新たなジャマトグランプリ、闘牛ゲームが始まったのだった。ルールは一対一の選抜メンバーによる戦いであり、会場も合わせて仮面ライダービルドの代表戦を彷彿とさせる戦いとなっている。

どちらかが負け越したら全滅するこの戦い。
場内に入れるのは代表の仮面ライダーとオーディエンスのみであり、英寿たちは助けに行くことすらも不可能。だが逆に言えば勝ち越せばデザグラ側が全てを取り返すチャンスである。勝って最高の誕生日を迎えられたらいいなというのは英寿の言葉。
デザイアグランプリ側も袮音の誕生日をきちんと知っており、オーディエンスからもたくさんの誕生日プレゼントが届いているのだという。
無事このゲームに勝てたらお祝いしましょうというチラミの言葉がとても死亡フラグ臭い。取り繕った笑顔で礼を言う袮音を気にかける英寿。そんな2人を見て英寿×袮音のカップリングに想いを馳せるチラミだが、彼はデザイアグランプリに恋愛リアリティーショーのテイストを入れた人間である。きっとプロデューサー魂には逆らえなかったのだろう。

1回戦の担当だったタイクーンは善戦していたものの、一対一のはずがいつのまにか別のジャマトが参戦し一気に苦戦を強いられる羽目に。それもベロバの差金であり、闘牛ゲームの考案者である道長にとっては不本意な展開なのである。他者を陥れるためならどんな手段も厭わない連中と積極的に絡んでいるのは道長自身の選択ではあったのだが、最低限ルールにのっとったうえで卑怯な真似をしたくないという彼の意識は残っていたという事か。

卑怯だぞ!そんな抗議の声もむなしく一回戦の戦いはタイクーンの敗北となった。
檻に幽閉された景和をあざ笑うベロバに俺のゲームで勝手な行為をするなと言う道長。勝てたんだからいいでしょ?というベロバ。参謀役はもちろん大智であり、多少卑怯な手段を使ってでもタイクーンとナーゴを倒せばギーツと戦うまでもなく自分たちの勝利となる。
さらにベロバはナーゴについてとっておきのスクープをなにやら仕込んだとのこと。

・戦いの裏で何やらスキャンダルの話が…?

陰のオタクくん、推しの父親に言い寄られる

三次看護2回戦のナーゴVSビショップジャマトに備える祢音。そこにサポーターであるキューンが現れた。手には誕生日プレゼントとおもわれるボックスが一つ。
どう渡すべきかこまねいている中で祢音に見つかり動揺するキューンだが、手元のプレゼントが発見されてしまい『みんながみんな自分の誕生日を祝ってくれると思ったら大間違いだ』と思わず憎まれ口をたたいてしまった。
そんな彼に『わざわざそんなこと言いに来たの』とそっけない態度を取る祢音だがふと浮かんだ『何故自分の居場所が分かったのか』という疑問をぶつけた。
会いたくもないのに視界に入ってきただけ、そんな言葉に祢音は彼の正体がサポーターのキューンである事を言い当てた。
衝撃を受けるキューン。おそらく最初から祢音は彼の正体については察していたのかもしれない。高頻度で自分の前に現れ、なぜかデザイアグランプリの情報を知っている。
初登場こそミステリアスフェイスアイドル配信者への高額投げ銭を髣髴とさせる手紙のギャップでサポーター1番の厄介オタクと言われたキューンではあるが、かみなりジャマト祭りあたりからセリフが増えコミュニケーション的に不器用なだけなのかもしれないと感じてはいたがここで疑惑が確証に変わった。そしてそんなキューンを泳がせ、手玉に取っていた祢音はやはり登録1000万配信者だなぁと非常に感じるのだ。トップ配信者はリスナーコメントとリアルの埋め合わせ分析は基本的にやるものなので。
サポーターの正体の繋ぎ合わせに成功した祢音はサポーター面談室にてブーストバックルに添えられてた手紙を突きつけキューンに問い詰める。
手紙で甘い事を言っておきながらしょっぱい対応、あなたの本性は砂糖なのか塩なのか。照れ隠しからか砂糖なわけないだろと反応するキューンだが、祢音に『私のことをからかってたんだ』と悲しげに言われてしまいさすがに動揺。不器用すぎるが故のバッドコミュニケーションであった。

「なんでだ、手紙では素直に言えるのに面と向かったら逆のことを言ってしまう。この気持ち、俺はあの子を応援したいと思ってないのかな?」

花屋にて祢音を思わせる黄色い花に向かって独白するキューン。手紙の上では歯を浮かせるような言葉を使い紳士的な対応を取りながらも、リアルではコミュニケーションが不器用すぎて当たりが強い対応をとってしまう。コミュニケーションの取り方がどことなくいびつな未来人たちは全員感情部分が未発達な赤ん坊のようである。
キューンのキャラデザ自体は少女漫画の王道をいく王子様的なものになっており、制作側も少女漫画的なものに仕立て上げようとしていたのだが、その姿がアイドルVtuberに対しての上限投げ銭のコメントを行うリスナーと非常に近く、昨今のオタク文化と合体事故を引き起こしてしまったのだがやはり彼はただただ不器用なだけなのだろう。

そんなキューンが葛藤する中、花屋にて花束を購入していた鞍馬光聖が現れた。もちろんデザイアグランプリのスポンサーである光聖はキューンについては認知済みであり、子犬のように縮こまるキューンを二人きりの密談へ誘ったのだった。

二人きりになった光聖はキューンに娘へのサポートに対する感謝と『これからも祢音の事をよろしく頼む』と意味深な言葉を告げる。
妻は古風な考え方で昔の縁を大切にして娘を嫁がせようとしているが自分は鞍馬財閥の発展の為に未来の人間とコネクションを作りたい。とどのつまり、光聖は祢音とキューンに『強い結びつき』を求めている。それがエントリーさせた目的であり、娘に願いである『本当の愛』を手に入れさせる事にもつながっているのだ。
最低限の親心はあるんだな、というキューンは花束を見て『その花束も娘のために?』と言うのだが光聖は言いよどむ。力を求め、創世の女神に娘を求めた男の抱える問題とはいったい何なのか。

一方の英寿は動画サイトの誘拐事件の切り抜きを見て現場となった廃墟に来ていた。中に入ると花束を供える光聖を発見、やはり本来の世界線では祢音はここで……ということなのだろうか。
『花束を渡す相手が違うんじゃないか』『一人娘の誕生日よりも優先すべきことなのか』という英寿の問いに対し、これは見なかった事にしろと言う光聖。
スポンサー権限でドライバー剥奪しても構わないんだぞと脅されるも他人の家族に立ち入るつもりはないと一旦詮索をやめる英寿はこの状況から何かを察したようである。

・真相と英寿の怒り

衝撃の真相に祢音は

刻一刻とナーゴの2回戦が近づく中、英寿は『なにかと曰くつきだな、君の誕生日は』と祢音に声をかけた。
疑惑の日、11年前の誘拐の日も誕生日だった。
身代金と引き換えに保護されたものの当時の祢音にとって帰宅後に母親から出されたケーキも喉を通らない程に精神的ダメージが大きかったのだ。
幸せと不幸せが同時に押し寄せてきた日、そして間違いなく祢音の知らない何かが起きていた日である。闘牛ゲーム再開の音が鳴り響き、祢音は戦いの場へ向かおうとするのだが足を踏み入れかけたタイミングで英寿がそれを止めた。
『ちょっと気になる事がある』と言い、祢音の代わりに戦いの場へ足を踏み入れた英寿。

ジャマトグランプリのオーディエンスのブーイングを浴び、サプライズを仕込んでいたベロバの面白くなさげなリアクションを受けながらも敗北したタイクーンの忘れ形見であるニンジャバックルを手に取り、対戦相手であるビショップジャマトを見据えて変身。初発はマグナムニンジャであり、ニンジャの疾風のごとき足技とマグナムの射撃でビショップを押していくのだが、場内にはもう一体のジャマト・ダンクルオステウスジャマトが。
即座に感づいたギーツはリボルブオン。組み変わりの過程で首を掴むと前転しながら組み変わった足で叩きつけ、その衝撃で潜伏していたダンクルオステウスジャマトを引きずり出す事に成功した。
そしてギーツはブーストマークⅡへ変身し2体のジャマト達を圧倒。5人のデザ神たちの願いを背負ったこのフォームが敗北することはあり得ない。
しかし、このタイミングで突如ベロバからアナウンスが流れ始めた。

ジャマトグランプリから皆様へお知らせと、ベロバから公衆に向けて真相が告げられる中の静寂。当初の手順からズレてしまったものの、意地でも公衆に向けて暴露を行うやり口は暴露系配信者的というかなんというか。
そして秘密を知った一同が愕然とする中、ギーツは静かにリボルブオンを行いレイザーレイズライザーをセット。この時の背中から発せられる静かな怒りと威圧感が凄まじい。レーザーブーストとなったギーツはゆっくりと振り向くや否やビショップジャマトへ一気に距離を詰めて地面にたたきつける。そして続けざまにダンクルオステウスジャマトに銃撃し、駆け上がってから背後からさらに一発。ダンクルオステウスジャマトはいったん撤退するものの、怒りが収まらないギーツはビショップジャマトを殴打し、ヤクザのようなキックで蹴り飛ばし、追い詰めるように銃撃を行いながらナーゴを辱めたオーディエンスカメラの視界を封じるべく撃ち落とす。この無言の圧力がすごいアクションはたまらないし睨みが非常に良いと感じるのだ。

ベロバはそんなギーツを見ながら無駄だと言う。
最後のゲームでナーゴが負ければライダーは全員消滅する。
公衆に向けてナーゴに対する辱めを行った影響は出ていたのだ。

祢音のスパイダーフォンに誕生日プレゼントを受け取るための招待状が届き、祢音は入室。そこにはたくさんのプレゼントがあり、オーディエンスからの歓声が。言われるがままに笑顔で誕生日ケーキの蝋燭を吹き消したのだが突如オーディエンスの態度が急変。心当たりのない罵声を浴びせられ続け困惑する祢音。
オーディエンスが知った情報は『祢音は11年前に亡くなった鞍馬家の娘・あかりの代替え品として創世の女神に願って作られた存在』だという事である。かつて光聖はデザイアグランプリのスポンサーになるのと引き換えに『私が理想とする娘・祢音が生きている世界』をデザイアカードに書き願いを叶えてもらった。
生の人間たちによる願いのためにもがく戦いを見たかった、そして祢音のファン層は彼女がしがらみから脱して本当の愛を手に入れる事を願っていた。だが、そんな彼女の根幹はこの世界にどこにも存在しておらず、それらを渇望するオーディエンスたちにとっては『反転アンチ』になるのに足る物だったのだ。

祢音の絶望、ギーツの怒り。そしてキューンはどう出るのか。次回も楽しみである。


◆ギーツ29話コラム

・光聖は何故『完璧な娘』を願ったのか

彼の真意は一体……?

祢音の秘密についての真相が明らかになった今週のギーツ。
以前の放送回であった光聖とニラムのやりとりで『彼女の真実に誘拐事件が関わっており、彼女はかつての世界で死んでしまったのだ』と、かなりの視聴者は予想していただろう。

真相は『鞍馬家には本来の娘がおり、死んでしまった娘の代替品として祢音が作られた』というものだった。

娘が死亡し、失意の中で妻が精神崩壊。失意の中で光聖はニラムにデザグラのスポンサーとして『理想の娘・祢音』を願ったのだ。
あかりを生き返らせたりせず、新たに別の娘の存在を願った理由。それは彼のトラウマ故なのだろうと思う。妻は精神崩壊し、自身も失意のどん底。今度こそ事件に巻き込まれず強く生きれる娘を作り出そうとするも、しかしながらそこまできたらかつてのあかりと別の存在なのである。
だからこそ光聖は新たな理想の娘を作り出し、自身はひそやかに本当の娘を弔い続ける道を選んだのだ。
だがエゴで生まれた娘・祢音に対し、に光聖はストレートに愛を伝えることはできない。こうなってくると彼女の解き放つしかないのだ。
だからこそ祢音をデザイアグランプリに参戦させ、スポンサーであるキューンとの結びつきを強めさせる方向に行ったのだ。かつての娘と同じように愛せない、エゴで生み出した偽物の娘に本当の愛を捧げてくれる人を託すために。

非常に身勝手だと思う。
しかし、それがきっと彼なりの娘に対する罪の償い方なのだと感じるのだ。


◆巻末宣伝コーナー

・語ろう中田ヒーローズ2二次募集開始!

さて、巻末は宣伝コーナーとなっております。
現在C102合わせ特撮アクション評論企画語ろう中田ヒーローズ2の参加者を募集しております。
今回は前回もありました『評論部門』に加え中田裕士さんの演じたキャラを描いたりダイマ画像を作ったりする事ができる『イラスト部門』を募集しております!お気軽にご参加ください!

4月より既に参加している人限定部門を越えた応募が可能となりました。6月になりましたら完成原稿のみ受け付ける追加エントリー枠を募集するかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

【企画概要】

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※現在の参加者一覧はこちらになっております。

・アンケート企画ももちろん実施中!

そしてそして、語ろう中田ヒーローズ2では誌上アンケートも実施中!皆様ご投票ありがとうございます!
非常に残念なお知らせですが、2大投票企画の一つであった中田裕士資料グランプリ投票数不十分のため中止となりました。
キャラクター人気投票は引き続き行っておりますのでぜひともご投票をよろしくお願いいたします!

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