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詩: 『砂丘』

私は座る

乾いた砂の上

幾重にも蓄積された粒子

なだらかな砂の丘

あたり一面の白茶色

連なる低山

掬い上げた手の隙間から
サラサラとこぼれ落ちる
キラキラと光に反射する

夕陽が沈む地平線

砂の地の先

茜色に染まる

私の身体は沈んでゆく
私の身体は溶けてゆく
私の身体は取り込まれてゆく

砂の中へと

緩やかに
しなやかに
包み込む

私の意識は沈んでゆく
私の意識は溶けてゆく
私の意識は取り込まれてゆく

砂の中へと

身体の感覚
五感
意識
遠く離れてゆく

感じるのは
地球の引力

砂の世界へと

ただ瞳だけは夕陽を映していた


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