”食”で茨城を支える仕事を知ろう-茨城町 小幡畜産-
9月に水戸市立双葉台中学校1年生の校外学習を実施しました。
今回の校外学習では
・食で茨城を支える仕事に触れる
・農家さんの取り組みとSDGsのつながりを見つける
の2点を目的に設定していたので、直接お話を伺い、実際の作業を体験させていただきました。
5か所にわかれて訪問したのですが、今回は3組の生徒さんが訪れた小幡畜産での体験をレポートします。
小幡畜産は、「ひたち野 穂の香卵(ほのかたまご)」を生産している養鶏場です。
現在、ペットはもちろん、牛、豚、鶏などの産業動物に対しても心地よい生活環境で過ごせるようにしなければならないという「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の考え方が広まっています。これを受け、小幡畜産でも2022年6月に、ケージを積み上げて飼う「ケージ飼い」から鶏を地面に放して飼う飼育方法「平飼い」へ切り替えました。工事費は1億5000万円。飼育できる鶏の数も少なくなる上、運動量が増えるため卵の数も減ってしまうといいます。
飼料にもこだわりを持っています。。以前は輸入大豆を使用していたのですが、穀物飼料はSDGs持続可能な養鶏を考えすべて国産に。以前は黄身が白いことが小幡畜産の卵の特徴でしたが、平飼いにしたことを機に現在は、お米を主にしつつ国産の穀物飼料や近隣農家から提供をうけた野菜くずなどを食べさせているため、黄身が優しい色合いの卵になっています。
さて、小幡畜産へ到着した生徒さんたちは、長靴を履いて鶏舎の中へ。鶏がたくさんいる中に足を踏み入れ、見つけた卵をエッグトレイに乗せて集卵作業を体験しました。作業中は「卵あたたかい!!、いろいろな大きさがある!」などといった声が聞こえてきました。
その後、上井農場長から直接鶏の飼育や卵について説明を受けました。
・卵は割れにくく、長持ちさせるためにとがった方を下にすること
・出荷されている卵はすべて洗浄・消毒されていること
・日本は卵の管理がていねいで食中毒などが少ないこと
など、日常的に口にしている卵についても知らないことがたくさんあることに気が付きます。
また、数十年あまり値上がりせずに一定の価格を保ち続けていることから「卵は物価の優等生」と呼ばれてきましたが、品質の良い卵をつくろうとすると現在の価格のままで販売し続けるのは難しいという現状についてもお話してくださいました。
鶏の飼い方や商品の見た目など、事業全体に関わる大きな変化を起こしながらも、鶏のアニマルウェルフェアや持続可能な養鶏を意識した環境づくりを小幡さんが重視して取り入れているのは、ひとえにおいしい卵を生産するため。鶏がどれだけ快適に過ごせるかは、卵の味に関わる大切なポイントだそうなのです。
「ストレスがたまると、鶏は卵を産まなくなります。気温の影響も大きく、暑いと水をたくさん飲むので水っぽい卵になるし、寒いと体を温めるのに栄養を使ってしまうので卵が小さくなってしまいます」と、具体例を挙げながら環境づくりへの想いを聞かせてくれました。
卵大好き!!と話している生徒さんも明日から大切に卵を食べてくれると思います。
記事:荒川ゆうこ
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