ほんとの気持ちになったときの彼らはいつでも体ぜんたいでそれを表現する。
MOUTNAIN BIKE JORNEY 2019
7/26 DAY6 走行13km
休養日の今日。朝10時まではゆっくりしようと決めて動く彼ら。
しかしながらいつもどおり5時半に起きたようだ。
なんともすごいな。
もはや寝られるだけ寝たいということよりも、いかにしてフリータイムを有効に使うかという意識で動いてる。僕は大変寝たい。とても寝たい。
朝ごはんをいただいて、そうこうしていたらあっという間に10時。
みんなでお礼を言って森田家を出発した。
今日は彼の妹のつるちゃんもメンバーとして同行する。
今日はさすが降雨量が日本でも最も多い地域の尾鷲らしいドバーッと降ってあっという間に止んでという繰り返しで結構雨に降られた。
シーカヤックステーションに到着して、今日は川遊びにいくことにした彼らはライフジャケットやウェットスーツの準備をして、それを車に積んでもらい山道を登ってく。
明確な目的(遊び)を意識した子どもたちのクリエイティブな感性はほんとすごい。
勝手に準備して、勝手に段取りして、現地に向かう彼らを見ながら考える。
飛び込みのできる岩が見えた瞬間の子どもたちの嬉しそうなこと。
ほんとの気持ちになったときの彼らはいつでも体ぜんたいでそれを表現する。
そういう彼らの心が解放された瞬間って単純に横で見ているだけで心が動くものだ。
自分の言う通りに子どもを動かせた瞬間の心地よさ、それとはまた違う種類のもう少し心の深いところに届く、そこから湧き出てくるような感情。
それは僕がこの旅を仕事と違うものとしてとらえている部分だと思う。
一番はじめに僕がたかいところからドーンと飛び込んで彼らに見せつけておいてから、あとはのんびり彼らを見つめながら、クーさんと子どもたちのこと、教育についてお話をさせてもらった。
お互いに応援し合って飛び込む子どもたち。
勇気が出ない子に声かけをしながら水の中で仲間を待つ。
飛び込めたらよくやったとほめあえる。
本来こういうカタチでいいんではないだろうか。
子どもたちに大人が教えるのではなくて、子どもたちがそれぞれに分かち合い、高められるような環境づくりこそが僕たちのやるべきことなんだなって思う。
川や自然が彼らに何かをもたらしたのか、同じことをともに心から楽しんだことがそうしたのか急におたがいの重なりが生まれてきた。
それまでは話すし走るし笑うけれど、どこか個の集まりだったような彼らがひとつのものとして見えてくるようになった。
家に戻ってからの自転車整備にパンク修理の実践。
スーパーに行って僕が普段買い物をしながら料理の献立を考えていくのに彼らを同行させて、どうしてこれを選ぶのか、この食材はこう使う、ということを説明しながら買い出しをし、戻ってからは段取りをひととおり見せながら料理をする。
料理人でもなんでもない僕のテキトー料理だけれど、その手際とか刻みとかでわざわざ感動する子どもたち。
料理ってきっちりしたものかもしれないけれど、そこにはテキトーさがあって、アドリブがあって、楽しんで、だからこそおもしろいと感じることがあってもいいと思う。
適当さがいいんだよ、最初はみんな失敗するんだから、何度もやってみたらだんだんとできるように誰でもなれる、という言葉に子どもたちはワイワイと担当別に料理をはじめた。
ご飯炊きに、豆腐ハンバーグに昨日大失敗したお味噌汁。
時間はかかったけれども楽しかったし、美味しかったし、みんなで喜べたことが何より。
夜のミーティングは大改革。個人での反省はもう廃止。
4日間自分と向き合った彼らにはもうわざわざ全体で自分の反省や嬉しかったことを発表する必要はない。
チームとしてどんなことがあったか、それをどんな気持ちでむかえたか?そんなそれぞれがチームとしての共有できることがらを振り返ることでお互いの重なりを作っていく。
誰かの課題を指摘することだって、お互いの成長に必要なこと。
大切なのはそれがその相手を否定するということでも、失敗をあばくことでもなく、相手のことを思っての言葉であるということを彼らに感じさせること。そうすればお互いが高め合える相手になる。
この旅で僕が作った企画書もそのまま見せた。
富士山にゴールできることは人間性の部分ではゴールではない。
この旅を終えるときにこんな人になっていてほしいと僕が描いているイメージをそのまま共有することにした。
眠い子ももちろんいたけれど、終わったあと、森田さんが「眠そうだったけれど、眠くて仕方がない我慢ではなくて、なんだかすごく心地いい顔をしていたよね」という言葉をくださった。
睡眠、栄養はもちろん大事だ。
けれども健康とはそれだけでは語れない。
そこに信頼関係があるからこそ、お互いが前のめりに参加しあえる事柄があるからこそ、必要なことがある。
そこは僕と彼らと、そして強いて言うとすれば彼らの親御さんが理解できていればそれで十分。まわりからなんと言われようとも僕は僕と目の前の子どもたちのことを信じてこれからもやっていく。
森田さんには大きな気づきをいただいた。2年目、そしてこの4日間つぎ込んできたことが真っ白になるような感覚さえ覚えたけれど、大切なのは「いまからどうするか」。その実践が子どもたちの姿として突然見えはじめたことにびっくりした。森田家のみなさん2日間にわたり本当にありがとうございました
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