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【DAY4】僕たちが全く関わらなくても、子どもたちが旅できるようになることが、一番いいこと

MOUNTAIN BIKE JOURNEY 2020夏
【DAY4】
羽ノ浦→牟岐町 56.4km


「わたしがどこでどう関わっていいのか分からない」
と涙を流している理由を答えた、ほのか。


「僕たちが全く関わらなくても、子どもたちが旅できるようになることが、一番いいことだと僕は信じているよ」と僕は答えた。

彼女は「子どもたちのそばにいたい」という言葉をいつも話す。
文字どおり、その思いどおりに彼女は子どもたちに寄り添い、その手助けをしてくれている。けれども僕はそんな彼女にこう話す。


「今はほかの子にフォローに行かせるべき」
「ほのかが言うんじゃなくて、彼を通して伝えてあげて」
「それをほのかがやってしまったらあかん」
いま言葉で書いていて思うのは、なんとも冷たい言葉みたいになってしまうなと思う。


言葉の先にある、僕がいま伝えたいこと。
・僕らがいるからできる。
・僕らがいるから成長する。
・僕らがいるからやり遂げられる。

それで僕たちの
「やっぱ自分がやることに意義あるな」
「子どもたちには自分がいないと」
「子どもたちの記憶に残るだろうな」
という自己肯定感、やってよかった感はたくさん得られると思うけれど、それだったら僕がやる必要はないと思う。それは世の中にすでにたくさんあるから。

何故旅行ではなく旅なのか。
何故事前に決めるのではなく、そのときどきで決めて動いていくのか。

それはすべて自分で責任を持って考え行動することにこそ、旅も生活も自分ごとになっていくという自分なりの考えがあるからだ。


そしたら僕たちは準備だけして彼らを放り出せばいいのか。
そうではない。僕たちにもできることがある。
それは子どもたちがまだ気づかない視野でものごとを示してあげることだと思う。
誘導尋問ということではなくて、彼らが考えるなか、動くなかでサッと彼らがより広く考えるカケラのようなものを出し示すこと。

あとは大人としての自分自身の思いを語ることだと思う。
こういうところのバランス感覚はほのかはほんとにすばらしいし、僕がモテたいなぁ好きな生き方したいなぁくらいしか思っていなかった21歳でこれだけのことをやってくれているのはほんとに普通じゃない。
だから彼女には僕を軽々と跳び越えていってほしいと思う。

ちょっと長くなったけれど、僕が子どもたちと旅をする基本的なスタンスはこういう思いから生まれています。年々だんだんと怒らないようになってきたこと。それはこれからも課題はたくさんあるのだけれど、少しガマンできるようになってきたと思う。


さて本日の様子。今日も嬉しいことがたくさんあった。
僕の大好きなログハウスビルダーのトシさんが連絡をくださり休憩も兼ねて彼のおうちへ。奥さんのたっちゃん、おうちのワンコとともにええ時間を過ごさせてもらった。


そこから県南に抜けていく道は山道。
カーブのさきにも続いている登り坂を見つけてため息の出る子どもたちだけれど、しっかり小さなからだでぺダルをまわして進んでいる。体力、自転車のこなしかた、それぞれで得意不得意はあるけれど、よくがんばっているのが最後尾の僕にも後ろ姿で分かる。

そうそう、僕は基本的には子どもたちを先導しません。先頭は子どもたちに交代して走らせています。これもはじめの話題と同じ、導いてしまってはそれは僕らがいなくなったら機能しないことなのかもしれないという思いがあるから。

スケジュールにしても、今日は牟岐町でカレーとキャンプ場所を提供くださることがきまっていたのだけれど、その判断はその内容を伝えて子どもたちにさせます。今日は彼らの言葉で、川に入って遊びたいからという立派な理由でノルマに届かない距離だけれど牟岐町までの50kmほどで今日の走行を終えました。


たくさんの大人に囲まれながら堂々と自分の名前や思いを語ることができるようになってきた子どもたち。彼らは「新しい人が登場すること」をどうやらすっかり楽しむようになってくれているようで、驚くような早さで仲良くなっていきます。それは旅にとってほんとに大切なことなので、子どもたちのそういう姿を今日も見れた僕は幸せものでした。


川あそび。
誰かに貸してあげようと投げたゴーグルが流れのなかに落ちました。
受けとるはずだったオトナは見つからないから買ってお返しするねと言いにきたのに、子どもたちはあきらめません。その姿にまわりのオトナも動いて、最後は川底を手探りでさがしてゴーグルを見つけ出しました。それは子どもたちの思いと行動がまわりを動かしていったまぎれもない人の素晴らしいもので、それを間近で一緒に体験させてもらったことは本当に今日の宝物です。


みんなが作ってくれたカレーライスも、みんなで楽しんだスイカ割りもほんとに牟岐でも素晴らしい時間を過ごさせていただくことができました。ほんとにありがとうございます。

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