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やっぱり旅って余白をどう持つかなんだなぁ。なんにもない余白。さあこれからなにをしようという余白。

Ride a Life Journey 2021 DAY20
垂水→志布志フェリーターミナル→大阪へのフェリー乗船
走った距離:57km

最終日の朝に、晴れ渡った空と桜島を見つめて起きるなんて贅沢やなぁどんなええ旅をしてんねん君たち、と思っていた。正直旅としてはできすぎ。これは調子に乗ってしまうからどうにかせんといかんと思っていたら、天気が味方をしてくれた。

キャンプの夜中にポツポツと雨が落ちはじめ、そして僕らが起きる5時半から強くなるというこれぞ展開で迎えた朝。ザーザー降り。笑

オトナは少しでも濡れないようにサッと片付けて雨宿りと思うのだけれど、子どもたちはガッカリしたのもあるのだろう。恐ろしく片付けが遅くモタモタしているの。雨に濡れたまま僕らが現場で待っていても逆効果だろう、と声だけかけて、ゴミ拾いを済ませて、先に道の駅の屋根があるところで雨宿りをしながらレポートを書いていた。

このレポート生活もあと少し。夜のあいだに終わらせていたこともあるんだけれど、もうほんとに寝落ちしそうなのと、あとは睡眠時間削ってしまうとほんまにそのまま自分の余白がググッと狭まってしまうのを経験しまくって罪悪感が体育館くらいに膨らんでしまうので、最近は夜はサッと寝ることにしている。そうして朝書く。生々しい感情は薄れているかもしれないけれど、自分のなかで少し気持ちの整理がついているから翌日のほうが読みやすいかもしれないなぁとは思ったりする。


いつもより30分ほど余計に時間がかかってやってきた子どもたち。みんなでカッパを脱いでコンビニまで駆けていって朝ごはん。飲食スペースのありがたさよ。この旅で、そして遍路旅でも何度も何度もお世話になりました。僕たちは距離を走らないといけないから、朝は仕方なくコンビニ生活だけれどこういうときにはありがたい。(だいたい旅が終わると僕はコンビニから足が遠ざかります。やっぱり少しのことでも自分でつくるもの、誰かが作ってくれたものが好きですしカラダに染み渡る気がします。)


走りはじめるころには雨もポツポツくらいになって、30分も走れば雲の割れ目から日が差した。モヤっとしていた視界や空気が、サッと晴れてクリアになるときが好きだ。それまで濡れていたものが光を受けて、その光を外に向かって出すから景色ぜんたいが浮き上がったようになって視界に飛び込んでくる。さっきまでは肌寒いくらいだったのに、日が差した途端に暑くなってきた。

志布志までは50kmほど。この旅で全力出せる区間はもう今日ぐらいしかないぞぉーという発言が効いたのか子どもたちはハイペース。あっという間に鹿屋市街地に入ったのだけれど、そのときメッセージが入った。

「いまから会いに行っていいですかー?」僕が2年前のフリーコーヒー自転車旅でお世話になった障がい者作業所のみなさんとチョコレート工房をやっている大山さん。2年前に出会い仲良くなった僕の尊敬するお友だちだ。

ちょうど休憩するタイミングだったので、大きな公園で待ち合わせて、大山さんが来るまで子どもたちとフリスビー大会をした。ほんとだったらこの6年生くらいの年頃ってもっともっと遊びの時間がいるのかもしれないなぁ、今回は旅の期間がこれまでのものより同じくらいの距離で3日ほど長かったから、まるまる1日休みは取れなかったけれど、半日ぐらいの走行で切り上げたり、街を散策したり、食事もゆっくりすることができた。


やっぱり旅って余白をどう持つかなんだなぁ、あらためてこれを書いていて思ってみたりする。なんにもない余白。さあこれからなにをしようという余白。ほんとこうして何度も旅をしてきていても毎回学びながら旅をしている。

今日はフェリーでゆったりしながら書いているので話もどんどん脱線してしまいますが、大山さんたくさんの回転焼きを持ってきてくださって、みんなで食べながら、◯◯にコーヒーをいれてもらってコーヒータイム。

さあ休憩も終わってあとは志布志まで一直線!と思いきやまたもゲスト登場!よっしゃー来たかー!

この春の旅にほんとはすごく参加したかったけれど中学校の卒業式に出たいと参加を断念した宮崎に住むカイがお母さんに自転車と一緒に車にのせてもらってやってきた。フェリー乗り場までの残りは20kmほど。このタイミングで旅のメンバーが増えてのラストラン。

おもろいなぁ、後ろから見ていても凸凹していて。それに子どもとオトナの関係にひとりオトナになりはじめた存在が入るだけでなんだかワクワクする。次回はこんな旅にしたいなぁ。この子とはなんだかわからんけど縁を感じるなぁ。僕の頭のなかでは、もう夏のこともイメージが膨らんできていて、それは旅をしているからだろうなぁといつも自分で思ってる。(そろそろ夏の旅を企画しないといけないタイミングです。がんばります。)

志布志までやってきて、思い出を増やそうとカイも一緒にみんなでお昼ごはん。みんなで奮発して美味しい食堂でそれぞれが思い思いの品を注文した。

ボーナスとして支給したお金で「たらふくお菓子を買い込んで船に乗るんだ!」と楽しみにしていた子どもたちはフェリー乗り場に向かう途中のコンビニでお菓子をオトナ買い。(たくさんおすそ分けしてくれたんやけれど、ほとんどがパチパチする系とかグミとか刺激系ばっかり。ポテチとかスナック菓子とかも買おうよとかオトナだから思うだけか。)

自分で旅する大変さは、自分が旅をするときにまたいつか感じてくれるだろう。今回の旅も彼らなりに大変だったろうけれど。自分でつくっていくおもしろさを感じてくれたならいいなと思う。美味しいものたくさん食べられた!やってみたいことができた!そんなふうに旅の世界観をグーっと広げてからそれぞれの人生に戻ってもらいたいと切に願ってる。これだけはこれまでもこれからも変わらない僕が子どもたちを連れて旅をするその中心にある思いだ。


フェリー乗り場には、ちょっとした学校くらいでっかくそびえるフェリーさんふらわあが停まっていた。この船の移動をサポートしてくださるさんふわわあ社員の高木さんにご挨拶。子どもたちもすっかりオトナに話すことにも慣れてすらすらと話していた。一緒に記念撮影をしてもらって、一緒に走ったカイとお母さんにも再開を約束し、別れを告げていざ乗船。

両手いっぱいにお菓子を持って、6階にあるエントランスがホテルっぽくて、部屋でひとしきりはしゃぐ子どもたち。やっぱり僕もそうだけれど船旅って特別な気がする。飛行機のようにカラダの感覚を置いてけぼりにせずに、感覚と一緒に旅をできるようで僕は好きだ。

テンションがあがりすぎ、係りの人が部屋まで来て怒られた子どもたちは、すこしだけしおらしくなり、けれどもずっとニコニコしながらお風呂にも入って、UNOをして、そうして消灯時間を過ぎるとあっという間に寝てしまった。

さあ明日の朝には大阪に到着する。そこから姫路まで走れば、僕たちの旅はもう終わりだ。たぶんあと2日。僕たちの旅もそろそろ終わりだ。

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