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「アースデイ」と「エンタメ」の融合 ~国連関係会議(PRI in Person & COP28)とMusic for SDGsのコラボレーション~

文:大久保亮(アースデイジャパンネットワーク顧問 /Music for SDGs 代表)

前回の話はこちら https://note.com/earthday_japan/n/n6247398f33f5

アースデイジャパンネットワーク(EDJN) 顧問の大久保亮(まこと)です。グローバルにはマックという愛称で知られ、日本生命の主席国際調査部長(フェロー)としてロンドンを拠点に国際規制、会計基準、サステナビリティに関する国際渉外を担当。日本語、英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語の5か国語を話すグローバル政策アドバイザーとして年間約20か国を飛び回っています。アジア太平洋地域では2013年より持続可能な開発を支える長期投資を促進するワーキンググループの座長を務め、国連、G20、世界銀行/IMF、IFRS財団、OECD、APEC、各国政府、業界団体等とも協力しつつ、SDGsを積極的に推進すると共に、国連PRI(責任投資原則) グローバル政策リファレンス・グループのメンバーも務めています。また音楽やファッションショー、映画、デジタルアート等、エンタメを通じて 国連SDGsへの理解を深める機会を提供することを目的とする「Music for SDGsプロジェクト」を立ち上げ、世界中でSDGs 啓発イベントをプロデュースしています。

前回は2023年5月のカンヌ国際映画祭、9月の国連本部でのデジタルアートに関するプレゼンテーション、ロンドンファッションウィークやパリファッションウィークへの登壇のお話をしましたが、今回は2023年10月および12月の「アースデイ」活動に関連の深い国連関係の会議とMusic for SDGsのコラボレーションについて報告したいと思います。

PRI in Person Tokyo 2023

2023年10月2日~5日、国連PRI(Principles for Responsible Investment)は東京にてPRI In Personと呼ばれる年次大会を開催しました。PRIは責任投資原則に賛同する総資産合計100兆ドルを超える投資家を署名機関とする国連ネットワークです。国連PRIのサイトへ https://www.unpri.org/
PRIの年次大会が日本で開催されるのは初めてで、岸田首相や小池都知事が基調講演をされました。PRI In Person Tokyo 2023では、日本生命がアセットオーナーとして史上初のリードスポンサーに選ばれ、PRIや他の協賛団体と協力しつつ、会議の運営をサポートすると共に参加者とスピーカーがダイアログを行うためのスペースも提供しました。

Nippon Life presented Music for SDGs Reception at Tokyo Tower, 4 October 2023

10月4日、このPRI In Person Tokyo 2023のサイドイベントとして、リードスポンサーの日本生命が東京タワーの展望台の一角を貸し切り、Music for SDGsレセプションを開催しました。Music for SDGsは私が個人的な立場で運営しているプロジェクトですが、雇用主である日本生命が当プロジェクトのイベントを主催したのは昨年11月30日に国連会議サイドミーティングとして開催したルービン美術館のレセプション以来、二度目となります。
東京タワーでの当イベントではHumming for Peaceのかくばりゆきえさん、着物モデルのさなんささん、みーぺそさん、歌手の伊藤聖夏さん、ウーマンオーケストラから安倍志織さん(バイオリン)、渡邉美佳さん(ピアノ)、東京剣舞会エッジ志伝流にご出演いただき、ハミングコンサート、着物ファッションショー&生演奏、殺陣パフォーマンスを披露いただきつつ、私がMCを務め、各パフォーマーの活動とSDGsの関連について紹介しました。PRI In Personの参加者からの反響も大きく、海外でも開催してほしいとの声もいただいています。来年も国内外でSDGs音楽イベントを開催する予定です。

Yukie Kakubari (Humming for Peace) &PRI Staff member
Mika Watanabe, Seika Itoh, Mee Peso, Sanansa, Shiori Abe and Mack Okubo
Tokyo Kembukai EDGE Shidenryu & Mack Okubo

COP28, Dubai, United Arab Emirates

2023年11月30日~12月12日、アラブ首長国連邦のドバイにて気候変動枠組条約第28回締結国会議(COP28)が開催されました。世界各国の首脳、閣僚が気候活動家、自治体、市民社会、企業の代表と集結し、気候に関する課題解決を図るものです。気候変動枠組条約(UNFCCC) 事務局のサイトへ https://unfccc.int

私は米国のフロリダ州オーランドで開催された全米保険監督者協会(NAIC)の会議やパリでの保険業界の国際会議でのパネリスト登壇(※「若者世代との連携と企業と社会」というテーマでした。)と重なったため、12月7日の朝にドバイ入りしました。以下、その様子をシェアしたいと思います。

World Climate Summit (世界気候サミット)

12月7~8日はCOP28のサイドミーティングとしてConrad Dubaiにて開催された世界気候サミットに参加しました。COP28に関連したテーマについて主に機関投資家や資産運用会社等が議論するもので、「The Investment COP(投資家のCOP)」と呼ばれています。世界気候サミット事務局のサイトへ https://worldclimatesummit.org 

今回のCOP28には「Music for SDGs代表」として招かれたこともあり、コラボパートナーの平和祭り(小川真由代表)のメンバー、世界自撮り協会代表のさなんささんやデジタルアーティストの池田真優さんも世界気候サミットにご招待しました。初日は保険のセッションもあったため、普通にスーツ姿だったのですが、二日目は平和の象徴としての和装で世界をつなぐ活動をされている平和祭りメンバーの希望もあり、和装でサミットに参加してみました。これが大正解。初日に比べ、国連スタッフや投資家、メディアの注目を浴び、結果的に将来のコラボレーションにつながるネットワークの拡大に寄与しました。サステナブルファッションとしての着物の魅力を語るという趣旨もありました。

Hirokazu Nakajima, Mayu Ogawa, Sanansa, Mack Okubo, Asato Yoshinari, Mayu Ikeda
World Climate Summit@Conrad Dubai

COP28 (Dubai EXPO)

12月9~10日はドバイEXPO会場にて開催されたCOP28に参加してきました。
COP28の会場は、国連が管理し、UNFCCCの承認を得た入場者による政府間のディスカッションやNGOやNPOの会合が行われるブルーゾーンと、開催国が管理し、民間企業等が展示を行っており、一般参加者も入場されるグリーンゾーンに分かれています。COP28のサイトへ https://www.cop28.com/


Mack Okubo, Sanansa, Mayu Ogawa, Hirokazu Nkajima 
COP28 Green Zone 


12月9日はグリーンゾーンにて、主にClimate Finance HubやSaudi Green Initiative等を訪問しました。COP28では日によってテーマが異なり、この日のテーマは「自然、土地の利用および海洋」。EARTH DAY 2024のグローバルテーマ「Planet vs. Plastics」にも通じますが、脱炭素にとどまらず、生物多様性や海洋プラスティック汚染問題等のトピックも含めた広範な議論が行われていました。Climate Finance Hubではドイツ海洋財団の方と意気投合し、ドイツにおけるOcean関連イベントのコラボレーションも模索中です。

Climate Finance Hub@COP28 Green Zone  

12月10日はMusic for SDGsのグローバルパートナーとして2019年より協力してきたGloCha/IAAI(事務局長 Miroslav Polzer https://www.glocha.org/)よりブルーゾーンに招待され、Digital Innovation PavilionにてMusic for SDGsのプレゼンテーションを行うことができました。そこでは私の本業である機関投資家としての視点や国連PRIやAPECにおける最新情報をシェアした後、音楽やファッションショー、映画やデジタルアート等、Music for SDGsの様々な活動を報告しました。直近では10月4日の東京タワーレセプションに加え、10月10日に広島で開催されたかくばりゆきえさんのHumming Day Festivalや、10月21日にSDGs SpiralとJun*Juaneとの共催で開催したWorld Singing Day in Japanの報告も行いました。また私が6歳の時に描いた生物多様性をテーマにする絵画をもとに畦上彰仁さんが森川華子さんの歌声と共に完成させたデジタルアートも初公開されました。私の発表に続き、平和祭り代表の小川真由さん、世界自撮り協会会長のさなんささんが、COP28のトピックに関連した各々の活動を紹介しました。これからも機を捉え、国連コミュニティにて私たちの活動を伝え、世界中の仲間とつながり、楽しみながらサステナブルな未来の構築に向け、尽力していきたいと思います。

Mari Asada, Mayu Ogawa, Mack Okubo, Sanansa, Miroslav Polzer 
Digital Innovation Pavilion @COP28 Blue Zone

最後にEDJN理事の浅田真理さんにより、Digital Art 4 Climate Japanの動向やEDJNとの連携についてプレゼンがありました。そちらの詳細は、Digital Art 4 Climate Japan代表でもある浅田さんより、当コラムにて報告いただけるかと思いますのでそちらもお楽しみにしてください。

■Music for SDGs (代表 大久保亮Mack Okubo http://Mackglobe.com )
▽ホームページ
http://musicforsdgs.com
▽YouTube
https://www.youtube.com/c/MusicforSDGs
▽Facebook
https://facebook.com/MusicforSDGs



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