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「Smart Construction(スマートコンストラクション)」とは?

日本の労働人口が減少していく中で建設業界もまた、「人手不足」や「若手への技術伝承」に課題を抱えています。さらに、2024年から改正労働基準法が適用され、残業時間の短縮にも対応しなければなりません。

この建設業界が抱える課題を解決に導くのが、「Smart Construction(スマートコンストラクション)」です。Smart Constructionは、2015年にコマツが提唱した建設現場における施工プロセス全体のあらゆるデータをICT(情報通信技術)で有機的につなぐことで、測量から検査まで現場のすべてを「見える化」し、安全で生産性の高いスマートな「未来の現場」を創造していくソリューションです。

しかし、建設業界全体としてDX推進における課題もあることから「Smart Constructionとは、一体どんな変革をもたらすのか」と疑問をお持ちの方もいるでしょう。

そこで、この記事では、EARTHBRAIN(アースブレーン)が考えるSmart Constructionとはどのようなものか、ソリューションの概要や取り組み内容、導入事例をご紹介していきます。

Smart Constructionとは

Smart Constructionの重要なポイントが以下の3つです。

  • 現場データをコト化すること

  • 建設生産プロセスを横でつなぐ必要性(部分最適ではなく全体最適)

  • デジタルワールド(仮想空間)とリアルワールド(現場)を循環させる

それぞれ詳しく説明します。

現場データをコト化すること

コマツは創業100年以上もの歴史を誇りますが、これまで「モノ(建機)」による課題解決をしていました。しかし、よくよく建設生産プロセスを見ると、施工における部分最適にしかなっていないことに気づきます。

建設生産プロセス上のモノとコトの最適化を目指す

そこでコマツでは「モノ(建機)」が生み出す「コト(データ)」を最適化することが重要と考えSmart Constructionが始まりました。
その意思を継ぐ EARTHBRAIN は「コト化されたデータの最適化」を実現するため、Smart Constructionを通じて建設生産プロセスの新たなスタンダードを創造しています。

建設生産プロセスを横でつなぐ必要性
(部分最適ではなく全体最適)

安全・生産性の飛躍的な向上は、デジタル技術により部分最適された各プロセスが「つながる」ことで、施工全体が最適化されることで実現します。
EARTHBRAIN では、部分最適ではなく、全体最適を実現するために以下のような施工のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指しています。

ICT施工は部分最適ではなく、全体最適での実現を目指していく

デジタルワールド(仮想空間)とリアルワールド(実際の現場)を循環させる

リアルワールドで得られるコトデータを、デジタルワールドでどのように活用できるかを考えることが「コト化されたデータの最適化」という意味です。これが「Smart Construction」を語るうえで重要なポイントです。リアルワールドで得られたコトデータは、デジタルワールドでは色々な使い方ができるということを知っていただきたいのです。

デジタルワールドで実現できる機能は「コトデータの可視化」です。パソコンやスマートフォンなどのブラウザーやアプリケーションを通じて、目の前に広がるリアルワールドの現場を、遠く離れた場所でも3Dデジタルで分かりやすく見ることができます。さらに、コトデータを使った適切な施工計画を作ることもできるのです。

つまり、Smart Constructionの本質は、リアルワールドで得られるコトデータを、デジタルワールドで最適化し、最適化された施工計画をリアルワールドの仕事(タスク)として実行するという施工のPDCAを実現することで、建設現場全体の生産性・安全性・環境適応性を向上させていくということなのです。

Smart Constructionが必要とされる背景

前述した通り、Smart Constructionとは、さまざまなデジタル技術を活用し、最適な施工のPDCAを実現するものです。
本章では、なぜ EARTHBRAIN が Smart Construction を提唱するのか、建設現場が抱える課題や Smart Construction がもたらす未来について解説します。

建設現場における課題

建設現場は、以下3つの問題を抱えています。

  1. 人材不足問題

  2. 安全性の担保

  3. 作業の効率化

1. 人材不足問題

国土交通省の「建設産業の現状と課題」によると、1997年時点で、建設現場で働いている建設業就業者が約685万人いました。しかし、2016年には約492万人まで減少していると報告しています。約20年間で、およそ200万人
(約3割)もの就業者が現場から離れてしまっているのです。 
さらに、人手不足に加えて就業者の高齢化も加速しています。2016年時点で全体の約3割が55歳以上で、29歳以下は約1割です。これは、他の業界と比較して、人材不足と高齢化が進んでいると言われています。つまり、若手への技術継承などの問題から、業界全体が衰退していく可能性があると懸念されています。

2.安全性の担保

建設現場では細心の注意を払っても、思いもよらないところで事故が起きます。 建設現場で想定される事故としては、「転落・倒壊・交通事故・激突・巻き込まれ」などが挙げられます。これらの事故は、不注意から発生するだけではなく、現場の環境によっても引き起こされる可能性が高いです。
例えば、建設現場で利用している機械の定期的な点検を怠っていたばかりに、想定外の動作をして事故が発生してしまうケースや、経験が浅く重機操作が不慣れなスタッフによる事故発生も考えられます。安全確認は今でも十分に対策は取られていますが、こうした安全性の担保をさらに確実にすることはとても重要です。建設現場では常につきまとう重要な課題といえるでしょう。

3.作業の効率化(生産性の向上)

前述のとおり、建設業界では労働力不足が懸念されています。人材を確保するだけでなく作業の効率化も必要です。また、2024年4月以降に施行される「改正労働基準法」にも対応せねばなりません。

改正労働基準法では「36協定を結べば月45時間かつ年360時間の残業が可能」というルールが建設業界にも適用されます。残業時間にこれまで以上に制限がかかります。働く時間が短くなれば、そのぶん生産性を向上させないと、いままでと同じように工事が進行しないことになります。
Smart Constructionを活用した、建設現場の生産性の向上は、もはや待ったなしの状況なのです。

Smart Constructionというソリューション

お客様の現場の建設生産プロセスをSmart Constructionを通じてデジタルでつなぐことができます。お客様の現場環境に合わせてお選びいただけます。

Level 1 現場の可視化

地形・建機・作業員など、現場のすべてをデジタルデータ化して可視化するソリューション&デバイス群です。

 ・Smart Construction Edge
 ・Smart Construction Drone
 ・Smart Construction Quick3D
 ・Smart Construction Rover
 ・Smart Construction Fleet
 ・Smart Construction Retrofit 
 ・Smart Construction Field (Coming Soon)

Level 2 課題発見・分析

Stage1でデジタル化(可視化)された結果をつかい、課題発見や分析ができるソリューション群です。
 
 ・Smart Construction Dashboard
 ・Smart Construction Design3D (Coming Soon)
 ・Smart Construction VR (Coming Soon)
 ・Smart Construction Insight (Coming Soon)
 ・Smart Construction Simulation (Coming Soon)

Level 3 最適化・デジタルタスク化​

Stage2で分析された結果を、デジタルワールドで最適化し最適化された施工計画をリアルワールドの仕事(タスク)として実行することができるようになるソリューションです。

 ・Smart Construction Simulation (Coming Soon)

商品に関するカタログなどはこちらへ。


まとめ

建設業界では、人手不足や若い世代への技術継承などの多くの課題を抱えています。2024年4月に施行される改正労働基準法によって残業時間の短縮にも取り組まなければなりません。当社の「Smart Construction」を通じて、建設業界の皆様と課題解決に取り組んでいきたいと考えています。 

お客様の現場を未来の現場にしませんか?

「Smart Construction」は、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場を作ることを目指しています。当社の「Smart Construction」に興味をお持ちの方は、ぜひ EARTHBRAIN までお問い合わせください。