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#04 ダイヤモンドの「クラリティ」に思うこと

ダイヤモンドの透明度の等級は「クラリティ(Clarity)」と呼ばれ、おおよそ11種類のグレードで等級付けされます。
このクラリティを等級付けするには明確な判断基準があり、「10倍ルーペを用いて石をフェイスアップ(上面)から見たときの不純物の見え方」でそのグレードが決められます。
「10倍ルーペで」というところがポイントですね。

もちろん顕微鏡も用いて、そのインクルージョンの性質を見極めた上で最終グレードは決められるのですが(耐久性に影響があるかや実際の深さ、上面からは見えない内部の状態)、最終的にはこの「10倍ルーペでどう見えるか」がポイントになります。

ただ、私たちが選ぶ場合は「肉眼でどう見えるか」が最大のポイント。

もちろん、使用していく中で支障のあるインクルージョンや傷は避けたいですが、上を見れば限りがなく、いくら予算があっても足りません。
個人的には、ダイヤモンドを選ぶときのポイントとして"妥協点”を設けるとするなら、「カラー」と「クラリティ」を甘くするのがいいかと思います。

カラーは先述の通り枠に留めてしまうと余りさが分からないグレードもあるということと、クラリティもインクルージョンの性質や入っている位置によっては肉眼で全く見えないことも多いからです。
鑑定書(グレーディング・レポート)に記載されているグレードは、所有者しか分からないことですし、まあ宝石は自己満足で楽しむところなのでそこまで細かい違いは気にならなくなるんですよね。
しかし、これはあくまで私の見解なので、皆様がお選びになるときは必ず「譲れない条件」というのを必ず心の中においた上で石選びをしてください。譲れない部分を妥協してしまっては、そもそも「宝石をもつ」という本来の意味合いから遠のいてしまいますから・・・。

通常選ぶのであれば、肉眼でインクルージョンが見えない「SI-1」以上がおすすめです。SI-2以下でも肉眼で見えないものもあるのですが、耐久性にちょっと不安が出始めるのがこのSI-2が境界線になっています。とはいえ、私は「I-3(ダイヤモンドでは再下級のクラリティ)」のダイヤモンドを使用したリングを愛用しているので、あくまで目安です(掲載の写真は、私のI-3。人気の『ソルト&ペッパーダイヤモンド』よりは、ソルト寄りです)。

「クラリティが低いと耐久性が・・・」とよく相談されるのですが、そもそもダイヤモンドは堅牢なので、いわゆるガラス細工のような脆いものではありません。通常の使用にはぜんぜん問題ないので、予算と照らし合わせて許されるところでそのグレードの個体個体を見て、決めるのが間違いないと思います。

なかなか手間がかかるので嫌がられるかもしれませんが、もし鑑定士がいる宝石店だったら「プロット」という「ダイヤモンドのどこになにが入っているかの簡単な地図」を書いてもらってもいいかもしれません。顕微鏡やルーペを常設しているところだったら、遊びがてら石の内部を覗かせてもらうのも楽しいと思います。

カラーの時と同様、クラリティの場合もグレードの肩書きだけにこだわらず、一つ一つの個性を見てあげてください。VVS-2以上をお探しの方だと別ですが、「天然の証」としてインクルージョンを受け入れられる場合は、面白い内包物と出会えるかもしれません。
クラリティを判断する場合は、肉眼と拡大したとき、できれば2パターンで見てみてください。

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