見出し画像

時がまた動き始めたから。

ホームセンターから祖父と一緒に帰宅した。

ホームセンターにはお互いの腕時計の電池交換を依頼してきたのだ。

おじいちゃんもわたしも時が止まってしまっていた。
おじいちゃんはおばあちゃんが入院し、施設に入り、家でひとりぼっちだった。
わたしは誰にも頼れずに、抱え込み、ひとりぼっちだった。

だけど、おじいちゃんもわたしも今は一つ同じ屋根の下に暮らしている。

もう、二人ともひとりぼっちじゃないし、寂しくない。
祖父とは毎朝、『おはよう』から始まり、『おやすみ』で一日を締める。

お互いの時もまた動き始め、祖父もわたしも第二の人生を歩みだしたのだ。

だから今日、腕時計をまた動かすために出かけた。

祖父とも、残りの人生を一緒に時を刻むから。

いつまでも、ずっとずっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?