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【育児業務始動】実務の洗礼

産院で5日間の育児研修を終えた私。
退院の日を迎え、いよいよ育児業務が本格化する。

初めての母業。業務本格化に向けて、九州からはるばるOGがサポートしにやってきた。新生児期の1ヶ月間、私のフォローをしてくれるらしい。そのOGとは、3人の子どもを生み育てた私の実母だ。

それまで、ぬくぬくの環境で助産師さんたちにたっぷり甘えて育児研修を受けた私にとって、退院の日は嵐の時間だった。

まず、赤さまと授乳の時間以外に一緒にいることが初めてなのだ。帰宅して早々、赤さまは乳を!ミルクを!と泣く。私は仰せの通りに乳をやる。産院なら授乳が終わるタイミングでミルクがスタンバイされている。OGを横目で見ると乳を飲む赤さまの姿を嬉しそうに見ている。「OG、授乳の間にミルクの用意をお願いします。あ、その前に哺乳瓶の消毒だ!」

哺乳瓶の消毒は手軽と聞いた電子レンジタイプを選んだ。消毒液に漬けこんでおくのは何時間もかかるけど、チンなら5分だ。

赤さまにちゃんと会えるかどうか、生むまでずっと不安だった私は、準備をすればするほど、もし会えないことが起こったときに悲しみが倍増するから、あまり準備を積極的にしていなかった。哺乳瓶の消毒も、消毒のやり方の確認も事前にできていなかった。

OGは3人の子育てを経験してきたプロ、と思いこんでいたから、「OGに任せとけば何とかなるやろ」って思いこんでいた。

OG「消毒の仕方が分からない」

OGが子育てしていたのは約30年前。もはや、古(いにしえ)だ。レンジで消毒するタイプなんてなかったから分からなくて当然だ。でもコッチはおっぱいやってるんだから、分からんという前に説明書を読んでくれよ。それでも分からなかったら聞いてくれよ。私も分かんないけど。と血管がブチブチ切れていく音がした。

結論、ケースに哺乳瓶を入れて、決まった量の水を入れて決まったワット数と時間でチンすればいいだけの話だったんだけど、調べて理解するまでの最初の時間が億劫…。

赤さまを待たせることになり、機嫌を損ねてしまった。なんとかミルクをサーブできたが、このやり取りだけで私の疲労はピークに達し、激しい頭痛に見舞われる。

もうひとつ、試練が待っている。沐浴だ。産院では2回しか練習してないぞ。ここはOGにサポート要請だ!

OG「怖くてできない」

まじか……。

初日すぐに逆ホームシックになった。なんて恵まれた環境だったんだろう。OGサポートは受けられるが、なんせ古の知識だから結局は自分が頑張るしかないんだな。赤さまは私の専属顧客だし。自分が頑張るのが当たり前。頭痛の薬を飲んで次の授乳まで眠りについた。

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