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【授乳研修】母になった自覚がわかないまま

入院期間中、産院のベッドの上でボーっとしていた。
産後の経過は問題ないのに、新しいことを大量に覚えるという作業が億劫になっていた。
3時間おきの授乳の練習、ミルクの作り方教習、オムツの替え方、沐浴の実践…これまで全く触れてこなかったジャンルをイチから…!う…、億劫だ。

母子同室ではないため、赤さまと触れあえるのは練習や実践の時間のみ。だから余計に自分が「母」になった実感なんて沸かない。億劫と感じてしまうことでさらに自信がなくなっていく。

赤さまは着実にメキメキと飲む力を上達させており、ミルクを飲む量は産院ナンバー1までのぼりつめていた。
いまいちやる気が出てこない私は、右乳5分→左乳5分→右乳5分→左乳5分の計20分の授乳タイムもボーっと過ごしていた。チコちゃんに怒られそう。

授乳が終わるとゲップをさせないといけないのだけど、これもゲップ出たかどうかすら分からない。赤さまの吐息がかよわすぎて、私の想像しているゲップと一致するのか怪しんでいた。指導官(助産師)さんにはゲップしました、たぶん…と曖昧な報告を行っていた。

ミルクの作り方と沐浴レッスンとオムツの替え方は1度きりの実践だった。ボーっとした頭に入っているはずがなく、自宅で母業の本格業務がはじまるときに苦労することになる。

赤さまは母乳とミルクの混合。母乳をあげた後、「ミルクください」と指導官に声をかければ、消毒済の哺乳瓶に人肌程度にぬるくなった適温のミルク60gが出てくる。この環境がいかにありがたいかも自宅で気づくことになる。

ボーっとした新人母の頭では想像しろといわれても想像しきれていなかった。お湯を沸かし、決まった量のミルクを用意し、ヤケドしないように冷まして、ミルクを飲ませ、ゲップさせ、洗浄・消毒まで1人でオペレーションしないといけないことを。手を伸ばせば、完璧なミルクが出てくる。そんなふうに甘やかされながら、母業最初の5日間を過ごした。

それにしても、新生児育児における最初の指導官こと「助産師」さん達の仕事の幅広さに驚かされた。たいへん失礼ながら出産時に産婦人科医のお手伝いをする人だと思い込んでいた。実際は、お手伝いどころではない。
出産時、センターに立って母体をサポートして赤さまを取り上げてくれるのは、助産師さんだ。医師は医師しかできないこと(会陰切開や縫合など)をやってくれる。だから登場は終盤。

助産師さんは陣痛が来たとき、生む瞬間、生んだ後も新生児のお世話やおっぱいケアまで…。産婦人科医の先生含めて、出産に携わるお仕事は本当に意味しかない職業だ。
意味のある仕事に就いてくれてありがとうございます!って心から思ったのであった。

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