20160419note表紙

【試合評】 緊急登板の塩見好投報われず... ドロ沼6連敗で5位後退~2016年4月19日●E2-3Bs

まだ延長戦で消耗してるの?

大変残念な結末になったが、これが楽天の現在地なのだろう。良いシーンもあったが、結局は勝ちきれないところにストレスが溜まっていく。やるせない敗戦になった。

2010年から始まった東京ドームでの楽天主催試合。今季はオリックスを迎えて44,159人の観衆の中、3時間57分を戦った。

しかし、まるでデジャヴのように、今夜も同じことの繰り返しになった。リードしながら終盤に追いつかれ、延長戦で消耗。打線がモタモタ点が取れずにいるうちに、投手陣が持ちこたえることができずに失点。昨年来から何度も見てきたお決まりのテンプレである。イーグルスの延長戦成績は昨年7月31日オリックス戦(●E2-3xBs)を起点に、1分を挟んで実に9連敗(今季は1分3連敗)になった。

スクランブル登板の塩見は6回途中2失点の好投も・・・

ゲームは終盤の7回まで楽天ペースだった。楽天先発は塩見。オリックスは既に2勝を挙げているディクソン。両先発は明暗分かれる内容になった。

元々、塩見は土曜日敵地ソフトバンク戦で先発予定だったが、熊本地震で試合中止。その後、日曜日の巨人2軍戦で調整登板の予定だった。しかし、これも悪天候に見舞われ中止。スライドのスライドが流れ、気持ちを来週へ切り替えたであろう矢先、首脳陣から本戦先発を告げられていた。先発予定の辛島が左肩痛で登録抹消になり、その代役として白羽の矢が立ったというわけだった。

調整の難しさ、気持ちの持っていき方など色々難しかったであろう状況下、塩見は好投を演じている。唯一得点圏に走者を背負ったのが4回だけ。6回までスコアボードにゼロを並べる、素晴らしい好投をみせた。

ウィーラーの意識が生んだ先制打

一方、楽天打線はディクソンの前に5回まで毎回走者を出塁させ、好機を窺った。

先制点は楽天。3回である。1死後、2番・聖澤による右中間二塁打でチャンスメイクすると、ディクソンが3番・銀次に制球を乱してフルカウント四球。2,1塁で打席は4番・ウィーラー。5試合連続安打を決める不動の4番の一打が、先制タイムリーになっている。(楽1-0オ)

当たりはクリーンヒットではなかった。鈍いピッチャー返しのバウンドゴロが二遊間をしぶとくこじ開けて、中前へ達する当たりだった。相手バッテリーからしてみれば、打ち取った当たり。ダメージの大きな先制打になった。

この当たり、決して偶然の産物ではないと思う。

今季はセンターから右方向へのヒットが多いウィーラー。ここでもその意識で打席に入っていたからこそ生まれた副産物なのだと思う。同じようなシーンは日曜日ソフトバンク戦でも見られた。2点を追う6回1死2,1塁で今宮のエラーを誘う遊ゴ失。詰まり気味のハーフライナーが2塁ベース後方で弾んだ当たりを処理した今宮が、ベースカバーに入ったセカンド本多への2塁トス。これが乱れてオールセーフ、その後の松井稼、茂木の連続2点適時打を呼び込んだシーンだ。あれもセンターから右方向の意識がそうさせたのだと思う。

両軍のスタメン

オリックス=1番・宮崎(中)、2番・西野(二)、3番・糸井(右)、4番・モレル(指)、5番・小谷野(一)、6番・吉田正(左)、7番・安達(遊)、8番・縞田(三)、9番・山崎(捕)、先発・ディクソン(右投)

楽天=1番・島内(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(三)、5番・松井稼(左)、6番・茂木(遊)、7番・ゴームズ(指)、8番・縞田(三)、9番・嶋(捕)、先発・塩見(左投)

ジョニー、これで波に乗りたい27打席ぶりヒット

翌4回は7番・ゴームズから始まる攻撃。ここで欲しかった追加点を取っている。

先頭ゴームズが中前へ弾き返した一打が、27打席ぶり安打になった。8番・後藤も続いてチャンスメイク。アウトコースの球を逆らわずに流し打った当たりで、1塁のゴームズが好走塁で3塁を陥れ、無死3,2塁を演出。1死後、1番・島内がしっかり中犠飛。イーグルスに2点目が入った。(楽2-0オ)

7回だった。梨田監督が早めの決断をした。

※ここからは有料エリアでお楽しみ下さい。
※本稿はメルマガでも配信しています。詳細はコチラをクリック

ここから先は

3,653字 / 5画像
この記事のみ ¥ 100

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。