【試合評】 サヨナラ岡島の露払いを務めた後藤、嶋の「見逃せない」西野撃ち~2016年5月3日○楽天イーグルス2x-1ロッテ

盤石ロッテの継投リレーを打ち崩した9回裏の劇的勝利

1点を追った9回裏、劇的なサヨナラ勝利になった。

その防御率はリーグ1位の2.10。盤石なマリーンズのリリーフ陣を相手に、逆転勝利をつかみ取るのは至難の業だった。というのも、今季のロッテは6回終了時にリードした14試合で14勝0敗、ここまで無敗を誇っていたからだ。

楽天・塩見、ロッテ・石川。ロッテ6回戦は両投手の投手戦で進む。9回表終了時、両軍のスコアボードに刻まれた得点はわずかに1点。4回表の1死2塁、塩見が3番・ナバーロのセンター前タイムリーで失ったその最少失点のみだった。

両軍のスタメン

ロッテ=1番・中村(三)、2番・鈴木(遊)、3番・ナバーロ(二)、4番・デスパイネ(指)、5番・角中(左)、6番・清田(右)、7番・井口(一)、8番・田村(捕)、9番・岡田(中)、先発・石川(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(指)、5番・今江(三)、6番・茂木(遊)、7番・松井稼(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・塩見(左投)

サヨナラ岡島の露払いを務めた後藤、嶋の「見逃せない」西野撃ち

9回表、マウンド上はロッテの守護神・西野が立ちはだかる。

梨田監督は本戦2の0だった茂木に代えて後藤を代打に送った。先頭打者代打で仕事をした後藤と、2死2塁で9番・嶋が、いずれも素晴らしい槍働きを見せる。この両人の活躍が、岡島サヨナラ打を演出をしたと言えるのだ。

後藤の左安、嶋の同点に追いつく右越え二塁打、いずれも146kmストレートを仕留めたもの。なおも2死2塁のサヨナラ機で1番・岡島だ。4月27日以降は19打数8安打の打率.421、本戦でも既に2安打をマークしていた楽天で最も調子の良い打者に、田村x西野の敵軍バッテリーはストレートを投じることをためらったはずだ。

もっと言えば、岡島の2安打は石川の147kmストレート、松永の144kmストレートを弾き返したものだった。さらに言えば、今季の西野はイマイチ調子が上がらない。特に4月17日以降、失点続きが多くなっている。

後藤、嶋にファストボールで快打を2本浴びたこと、岡島の2本が速球打ちだったこと、西野の調子が今一つであること。これらが田村の脳裏にあったはずだ。そこでストレートは完全に選択肢からはずれ、フォーク連投になったのだろう。つまり、後藤、嶋の活躍劇が西野の持ち球の1つを、それも投球の一番重要な軸球になるストレートを、一時的ながらも「消し去った」と言える。

クレバーな岡島もそのことは十分に推測できたと思う。だからこそのサヨナラ右越え安打になったのでは?と思う。

岡島のサヨナラ打は昨年4月8日ソフトバンク戦以来、通算4本目になっている(安打3、犠飛1)。

チームは今季2度目のサヨナラ勝利で4位浮上。29試合12勝15敗2分になった。ゲーム差は1位・ソフトバンクと5.5、2位・ロッテと4.0、3位・日本ハムと0.5、5位・西武、6位・オリックスと0.5。3位以下の混戦状態になっている。

ロッテ戦は2勝4敗、コボスタ7勝6敗1分、先制された試合7勝10敗、6回終了時に負けている試合2勝9敗1分、1点差試合5勝6敗になった。

■楽天 岡島豪郎 通算サヨナラ打の明細

9回2死2塁、shibakawaが「嶋は必ず仕事をする」と確信したその理由

1点を追った9回2死2塁、9番・嶋。

この場面、私は嶋凡退でゲームセットは微塵も考えなかった。

必ずや主将が同点に追いついてくれるものだと堅く信じていたし、それなりの強いエビデンスもあったからだ。

というのは・・・

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