【試合評】 勝率5割復帰は「棚からぼた餅」~2016年4月22日○楽天イーグルス8-7西武

通算12度目のルーズヴェルトゲームに

正直、今夜はツキがない。

2点差を追った9回裏、1死2,1塁で5番・松井稼による左翼線二塁打で1点を返し、その後1死満塁のチャンス。打席は代打出場した川本の2打席目。増田の初球変化球だった。引っ張ったゴロ打球がサード鬼崎の正面を突く。5-4-3と転送される完全併殺コースだった。この後、鬼崎の2塁転送が右前に抜ける同点のタイムリー悪送球になる直前まで、私は今夜の楽天はハードラックだと嫌な確信をしていた。

というのは、制球を乱していた十亀を相手に、初回、2回と「貰ったチャンス」を味方打線がふいにしていたからだ。

1回は、先頭打者死球の1番・島内をバントで2塁に送り込んで3番・銀次。十亀の明らかなボール球が続き、ストレートの四球。1死2,1塁のチャンスで打撃好調4番・ウィーラーに打席をまわしていた。その初球。十亀の内角狙い速球が真中寄りに甘くなった失投。これを仕留めにいった打撃は、三塁線突破の長打コース。しかし、昨日死球を受けた中村の代役でサードに入った鬼崎の球際ダイビングキャッチに阻止され、あまりにもハードラックな5-4-3の併殺打に倒れてしまう。

2回は1死後、6番・茂木のひっかけた投ゴを十亀がお手玉。その直後に十亀の1塁牽制球が悪送球になり、茂木二進。この据え膳状態で後続が凡退した。実は今シーズンの十亀は左打者に打たれていた。試合前データで39打数17安打の被打率.436、被OPSに至っては1.036と散々な数値だった。あのシーンは7番・枡田、8番・後藤と左が2人続く胸熱の場面だったが、残念な結果に終わってしまう。結局、本戦の楽天左打者7人は十亀の前に14打数2安打、1三振、2四球、1死球、1犠打と.143に抑えられた。

この序盤の流れをみれば、打線が終盤食い下がりながらも、8回裏に代打・竹原に決定的な2点適時打を浴びた時は、やっぱりツキに見放されていた試合だったのかと誰もが思うはずだ。

しかし、今夜の結末は違った。勝率5割復帰のドラマは、予想外の展開で達成となった。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(三)、5番・松井稼(左)、6番・茂木(遊)、7番・枡田(指)、8番・後藤(二)、9番・嶋(捕)、先発・則本(右投)

西武=1番・秋山(中)、2番・外崎(二)、3番・栗山(左)、4番・メヒア(一)、5番・上本(指)、6番・坂田(右)、7番・鬼崎(三)、8番・岡田(捕)、9番・金子侑(遊)、先発・十亀(右投)

打線は集中力を見せ、リリーフ陣は今夜もズルズル失点

4回以降、めまぐるしく展開が入れ替わるシーソーゲームの様相を呈した4時間2分の攻防となった。

先手はライオンズ。則本が4回5回と立て続けに失点した。4回は2死満塁からの金子侑に2点タイムリーを許すと、先頭打者出塁を許した5回には盗塁後、栗山に左翼線二塁打を打たれ、これでさらに1失点。合計3点を先制された。

しかし、先頭打者四球の直後6回表、十亀に3本の短長打で襲いかかり、すぐさま追いつく。ウィーラーのタイムリー二塁打、無死3,2塁で松井稼二ゴ時の3塁走者生還、2死3塁で川本が代打起用され、武隈相手に結果を残す。今季初打席・初安打が貴重な同点打になり、試合は振り出しに戻った。(楽3-3西)

7回以降は激しい点の取り合いに。

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