【試合評】 戦犯は足立祐一。信じられないサインで青山を炎上に導いた新人捕手の配球責任~2016年6月16日●楽天イーグルス7-10巨人

プロ1号2本含む4本塁打も、青山2試合連続の敗戦投手

楽天は交流戦4カード連続の勝ち越しがかかったゲームをスコア7-10、今季14度目の逆転負けで落としている。

敗戦投手は青山。2試合連続になった。先発・美馬が4回降板となった点取り合戦、1点リードした8回に五番手としてマウンドに向かったが、坂本の逆転決勝2ランを含む6安打を集められ、致命的な4失点を奪われた。

楽天は4ホーマー含む8安打、巨人18安打、両軍26安打の乱打戦は、楽天が一歩先を行く展開で進んでいた。

初回に4番・ウィーラーの2試合連続のホームランで2点を先制した楽天だったが、先発・美馬が不安定。2回までに3点を奪われ逆転を許した。

1点を追った翌3回、四球で出塁した走者を塁上に置き、5番・岡島が自身3本目となる逆方向へのホームラン。今季2号2ランで逆転すると、さらに投手・美馬の投手強襲タイムリー安打で1点を追加、5-3と2点リードに変わった。

その後、巨人に小刻みに点を奪われ肉薄されながらも、その都度、点を取り返してリードを維持した楽天。5回には内田靖人によるプロ1号、さらに球団史上最年少ホームランが飛び出すと(ホームランボールのスライダーを左翼席へ叩き入れる完璧な一閃。東京ドームのバルコニー席まで達した当たりは推定飛距離140mの特大弾になった)、同点とされた直後の8回には足立祐一のバットからもプロ1号が飛び出した。結果球はマシソンが投げ込んだ155kmのスピードボール。これで1点を勝ち越して8回に突入したが、青山が2試合連続で打たれる形になった。

楽天打者が4本のホームランを打ちながらもチームが負けたのは、2005年9月25日フルスタでのロッテ戦(●E8-11M)以来、球団史上2度目の悪夢。なお、このときは鷹野、酒井、山崎が各々ソロを放ち、ロペスが2ランを一閃。一発で5得点を挙げたが、終盤3イニングで8失点するなどロッテ打線に20安打されて負けている。

前日腰の張りを訴えて途中交代した茂木は本戦球場で全試合出場が途絶えている。2ランを放った岡島も5回守備時に退いた。一発の打席で自打球を右足に当てたことで大事を取ったという。やや心配なニュースである。

同日、オリックスは雨天試合中止になったため、楽天とオリックスが5位タイに並んでいる。

チーム成績は5位タイ、63試合24勝37敗2分の勝率.393、借金14。ゲーム差は1位・ソフトバンクと19.5、2位・ロッテと12.5、3位・日本ハムと9.0、4位・西武と5.0とした。

交流戦成績は6位、15試合8勝7敗。パリーグ内では5位としている。

両軍のスタメン

楽天=1番・オコエ(中)、2番・藤田(二)、3番・聖澤(左)、4番・ウィーラー(三)、5番・岡島(右)、6番・後藤(遊)、7番・内田(一)、8番・足立(捕)、9番・美馬(右投)

巨人=1番・橋本(中)、2番・吉川(二)、3番・坂本(遊)、4番・長野(右)、5番・阿部(一)、6番・村田(三)、7番・ギャレット(左)、8番・小林誠(捕)、9番・大竹(右投)

最大の敗因は足立祐一のリードだ

「強気なのかむちゃなのか、冷静に判断しなければ」。試合後、報道陣にそう漏らしたという足立本人の敗戦の弁が象徴するように、新人捕手の拙いリードが最大の敗因になった。

熱心な読者さんなら先刻ご承知だと思うが、当ブログ/メルマガは捕手の配球についてあまり細かく言及することはない。中には1から100まで贔屓チームの捕手の配球についてダメ出しをするファンブログもある。当ブログはそういうのとは一線を画してきたが、さすがにこれはお口あんぐりだ。

自身のプロ1号で1点を勝ち越して迎えた8回裏。楽天はこの回から青山。前日村田にサヨナラ打を浴びていた背番号41が五番手としてマウンドに登った。巨人の攻撃は1番・橋本から。前日2安打、本戦すでに猛打賞と打撃好調の橋本に中前へ弾き返され出塁を許すと、2番・吉川の送りバントで1死2塁。同点の走者を得点圏に置いた状況で、3番・坂本から始まる巨人のクリーンアップとの対戦を迎えていた。

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