見出し画像

【戦評】快投エースを見殺し。情けなさ募る今季4度目のクリーンアップ無安打~7/16●楽天0-1オリックス

お互いの好投を引き出す則本vs山岡の投手戦

右肘手術からの復帰後、エースの仕事にまい進する則本。
復帰2登板目の本戦も、そのピッチングは神がかっていた。

力感ないフォームから鋭く放たれる速球と変化球の軌道。
オリックス打線はお手上げ状態といった雰囲気で、則本の奪った三振は9個に対し、四死球ゼロ。

とくに2回以降は圧巻の6イニング連続三者凡退ピッチで、7回1安打1失点のハイクオリティスタートを決めた。

そんな鷲のエースの快投に呼応するかのように、敵軍先発・山岡も8回4安打無失点を作っていく。

山岡は4回まで毎回走者を出し、序盤3回まで3イニング連続の得点圏。
前半戦は苦しい内容も粘投でしのぐと、尻上がりに調子を上げて5回から4イニング連続のワンツースリー。

「則本さんがいいピッチングをしていたので負けないように投げました」との山岡発言が表すように、オリックス17回戦は《両者の好投がお互いのさらなる快投を引き出す》引き締まった投手戦になった。

なかでも圧巻絵巻は、6回から7回にかけて、両先発による4者連続三振の場面である。

◎則本昂大、山岡泰輔の4者連続三振投球


今季2度目、球団史上4度目スミイチ敗戦

上記表のとおり、則本は2番から始まる相手主軸をねじ伏せた。
自慢の高速フォークが落差大で鋭く落ち、次から次へなで斬りにしていく。

対する山岡も楽天の一発長打を持つ4番・浅村以降を4者連続で完全攻略。
この日は切れ味がいつも以上に増していたスライダー、カットボールといった曲がる球を駆使し、楽天打者は成す術なしだった。

そんなハイレベルの投手戦の結末は、楽天の球団史上4度目となる悔しいスミイチ敗戦。
打線は前日の15安打から一転、本戦5安打は全て散発の単打に終わり、エースを見殺しにした。

同日、福岡では首位を走る若鷹軍団がファイターズに2連敗。
楽天も勝って球宴明け8.0差から6.0差に詰める千載一遇の好機だったが、その機会を逃したのは、いやはや残念だ。

これでチーム成績は4位、84試合41勝41敗2分、勝率5割へ逆戻りになった。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・藤田(二)、3番・島内(左)、4番・浅村(指)、5番・ブラッシュ(右)、6番・銀次(一)、7番・ウィーラー(三)、8番・堀内(捕)、9番・辰己(中)、先発・則本(右投)

オリックス=1番・福田(二)、2番・大城(遊)、3番・中川(右)、4番・吉田正(左)、5番・マレーロ(指)、6番・モヤ(一)、7番・小田(中)、8番・小島(三)、9番・松井雅(捕)、先発・山岡(右投)

.


今季4度目のクリーンアップ無安打

前日は松井の疲労を考慮し、ベンチ入りメンバーから外した平石監督。
球場入りもさせず『完全上がり日』を設ける采配を揮った若き指揮官は、この日、浅村をDHスタメン起用した。

開幕からフルイニング出場を続ける浅村のコンディションに配慮したのだろう。
ブラッシュを8戦ぶりに右翼で起用するフォーメーションを敷いたが、不発。

3番・島内、4番・浅村、5番・ブラッシュとヒットなし。
クリーンアップ無安打は5/24オリックス戦(○E3-2B)、7/5日本ハム戦(●E2-4F)、7/6日本ハム戦(●E0-1F)に続く今季4度目の事態になった。

0-1と1点が遠いゲーム展開。
平石監督も何とか重たい状況を打破しようと、バント作戦を複数試みたり、捕手に2度代打を送るなどタクトを揮ったが、拙攻もあり、いずれもハマらなかった。

痛かったのは3番・島内の4タコだ。

1、2打席はいずれも1死2塁のチャンス。
前日3安打の打棒を期待したシーンも、ともにゴロ凡退で逸機した。

1点を追った9回無死1塁はバント送れず、強攻に切り替えての空三振。
これで島内の真のバント成功率は今季50.0%、通算では56.5%になった。

4番・浅村は2四球を獲得したが、2打数ノーヒット。
4打席22球中、ストライクゾーンの球はわずか5球と、、、

※ここから先は読者登録してくださった皆様へ!
後半戦も楽天の試合評/コラムをnoteに綴ります!
購読はnoteマガジン『Shibakawaの犬鷲観戦記【2019後半戦】』がオススメ! 11/30まで所収、1日約18円であなたの野球観広がります!
登録初月無料のまぐまぐメルマガでも同内容を配信中!


ここから先は

1,648字 / 2画像
この記事のみ ¥ 150

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。