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【試合感想文】 8/29西武1-2楽天:ソフトバンク3連勝の後、激レアカードを引き当てた鷲軍

1試合2安打以下勝利という激レアカード

仙台の真夏日が49日となり観測史上最多を更新したこの日、イーグルスは序盤早々から“負けられない状況”にあった。

というのも、ゲームが4回に突入したとき、他球場では3位・ソフトバンクが4-0でリード、2位・ロッテも4-0と先行していたからである。

そのなか、楽天は是が非でも先制点がほしいところ。勝率.438の最下位・西武も、先制点をとったときの勝率は.729と格段に高く、6回終了時にリードした展開でもただいま18連勝中だったからだ。

しかし、スコアボードがなかなか動かない。

則本昂大、松本航の互いに譲らない好投で迎えた5回裏の攻撃だった。
わずか2本のヒットが、助っ人のたった一振りが戦況を決定づける、そんな2時間51分になった。

楽天の(少なくとも)2012年以降では唯一となった1試合2安打以下での勝利という激レアカードを、先週末3位・ソフトバンクを3タテし2.0差に肉薄して週明け迎えたこの重要どころで引くとは、ナインとファンの強い思いが通じた、これまた引き寄せの法則なのかもしれない。

4連勝とした楽天は113試合54勝58敗1分とし、2位・ロッテと6.0差、3位・ソフトバンクと2.0差は変わらず、5位・日本ハムと5.0差に広げ、火曜日は藤平尚真vs今井達也、2016年夏の甲子園出場1998年同期の初対決に臨む。

試合展開

西武=1番・源田(遊)、2番・佐藤龍(三)、3番・蛭間(右)、4番・渡部(一)、5番・中村(指)、6番・外崎(二)、7番・愛斗(中)、8番・柘植(捕)、9番・岸(左)、先発・松本(右投)

楽天=1番・小深田(二)、2番・村林(遊)、3番・辰己(中)、4番・浅村(指)、5番・島内(左)、6番・岡島(右)、7番・鈴木大(一)、8番・フランコ(三)、9番・太田(捕)、先発・則本(右投)

両軍のスタメン

両先発の真っ直ぐが良かったわけ

この日、両軍先発の真っ直ぐがたいへん良かった。

ノリは鉄平さん「ストレートを中心に非常に良いピッチング」、永井怜コーチ「真っ直ぐでファウルとれていて押し込めている」と両人ともに高評価を与えるほど。

なかでも圧巻は4回1死2塁ピンチの場面だったか。
4番・渡部健人、5番・中村剛也を2者連続イージーフライに退けたシーンである。

ベッケンにはカウントを悪くして3-1。ただそこから2ストライク目を高め真っ直ぐ空振りで奪うと、変化球ファウルを挟んだ後、結果球も大胆に147キロストレートを投げ込み、球威で押し切った右飛だった。

続くおかわり君。今季の楽天戦では打率.368、OPS1.242、4本塁打、12打点。いずれもカード別で最も良い成績を残している強敵だ。ノリとの通算対戦成績も打率.292、OPS.853、98打席で5発を一閃してきた警戒すべき相手だった。

そんな意気軒昂のスラッガーに対し、まさかの全4球ストレート勝負!
見逃しストライク、ボール、ファウルで1-2と追い込むと、ラストは裏配球で内角に真っ直ぐを配し、詰まらせての中飛に退けたのだった。

下記表のとおり、データからでもストレート9打数2安打の被打率.222と優秀。空振り2球、見逃しストライク7球、カウント稼ぎファウル8球、アウト2.1個ぶんを真っ直ぐで計上していた。

則本昂大 投球診断表
松本航 投球診断表

いっぽうの松本航も全体の55.7%で投げ込んできた自慢のストレートが素晴らしい。

楽天打線は彼の真っ直ぐに18打数2安打の被打率.111。

同じく彼のストレートにタジタジにさせられ、6回無失点で白星を献上した4/6○L2-1Eですら、ストレート被打率.188だったのだ。だから、本戦はあのときを下回る被打率である。

当時の打線の状況と比べると今は格段に良いはずだが、そんなイヌワシ打線が、ホップ成分のあるファストボールに4/6のとき以上に苦戦させられていた。

なぜ両軍先発のファストボールが、そこまで良かったのか?

この疑問に・・・(続く)

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。

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