【試合評】 逆襲の楽天、交流戦で再浮上。今後の命運を分ける価値大の5試合とは?!~2016年6月19日○楽天イーグルス5-3DeNA

今シーズン初の同一カード3連勝で交流戦を終える!!

有終の美。交流戦最後のゲーム、イーグルスはスコア3-5で今季13度目の逆転勝利を飾り、今季初の同一カード3連勝を達成した。

楽天は交流戦成績を18試合11勝7敗、勝率.611の4位でフィニッシュ。パリーグではソフトバンク、ロッテに続く好成績で今季のインターリーグを終えている。

勝利投手は先発3登板目の戸村。5回3失点の粘投をみせると、6回は福山にバトンタッチ、リードした展開で7回青山、8回ミコライオ、9回松井裕で逃げ切った今季5度目のゲームになった。

松井裕は14セーブ目。しかし、今日も先頭打者を出塁させ、ヒヤヒヤの投球。左翼フェンス直撃のタイムリー二塁打コースをレフト・島内のジャンピングキャッチで救われており、背番号1が立ち直るにはまだまだ時が必要のようだ。

打線は11安打、今季21度目の二桁安打を記録した。11安打中6本が3、4、5番のクリーンアップで生まれている。

3番・茂木は今季6度目の猛打賞、5/29日本ハム戦から3番に座り、これで3番スタメン時の打率は.324である。開幕以来、悩みの種だった「3番打者のスランプ」は新人王本命候補の槍働きで完全に解消された。

4番・ウィーラーは2安打、2得点2打点。逆転の14号2ランでチームを勝利に導いた。

2点を追った6回表のことだった。2死無走者から2番・藤田が二塁打でチャンスメイク。その藤田を3番・茂木による反撃のタイムリーでホームに呼び寄せると、バックホーム間に打者走者・茂木も二進していた。なおも2死2塁でウィーラー。ハッスルマンのバットが山口の初球を完璧に捉える。外角狙い137kmストレートがシュート回転で真中に入った失投を鮮やかに料理してみせ、打球は左翼席最上段を越えて場外へ消えていく決勝2ランになった。

ウィーラーの交流戦ホームランは7本目。これはヤクルト山田哲人の8本に次ぐ両リーグ2位。パリーグではソフトバンクの松田、西武のメヒアと並んでいたが、彼らを抑えて最多本塁打王になっている。

両軍のスタメン

楽天=1番・オコエ(中)、2番・藤田(二)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(三)、5番・岡島(右)、6番・島内(左)、7番・内田(一)、8番・小関(捕)、9番・戸村(右投)

DeNA=1番・乙坂(右)、2番・山下幸(三)、3番・梶谷(中)、4番・筒香(左)、5番・宮崎(一)、6番・倉本(遊)、7番・エリアン(二)、8番・高城(捕)、9番・山口(右投)

光る島内宏明の槍働き、好守連発した藤田一也

最終9回裏に背番号1を好守で救った島内は、6/2阪神戦以来のスタメン出場。6番・左翼で起用されると、今季初となる3安打をマーク、5/15ロッテ戦以来の2打点というお立ち台行きの槍働きをみせた。

1打席目は右翼ポール際フェンス直撃コースの2回先制犠飛でチームに貢献。2打席目は山口とのフルカウント勝負で120kmのカーブを仕留めて1塁線を破る会心のツーベース。3打席目は6回先頭打者安打を放ち、4打席目はスコア4-3と1点リードの7回2死2,1塁でチームに4点目をもたらすタイムリー(5打席目は左飛)。全5打席24球と対峙し、10球でスイングしにいき、空振りゼロ。4球を捉えてチームに貢献する当たりを放った。

逆転の6回3得点の口火を切る二塁打を弾き返した藤田は、この日は好守連発でハマスタを沸かせた。

特に大きかったのは6回裏。逆転に成功、1点リードに変わった直後の回である。楽天はこの回から二番手・福山が登板したが、先頭の4番・筒香に1,2塁間を射抜かれてしまう。無死1塁で5番・宮崎、すでにソロ弾を含む2安打をマークしていた。ここでつながれると相手側が一気に同点、逆転のシナリオを描くことができる場面だった。

果たして宮崎の打球はピッチャー返し。福山の頭上を襲ったバウンドゴロはジャンプした福山のグラブを弾いて2塁ベース付近へ。そのまま中前へ達していてもおかしくなかった打球を、セカンド藤田が逆シングルで好捕、そのまま流れるようなグラブトスで2塁ベースカバーに入った遊撃・茂木に転送し、茂木から1塁へ。あわやピンチが一気に2死無走者になるビッグプレーになった。

投手陣は合計6イニングで先頭打者を出塁させながらも、バックの守備陣の美守・超守支援を受けて3失点に止めると、打線は交流戦の勢いを駆って逆転5得点。終わってみれば、投打かみ合うかたちになった。

これでチーム成績は5位、66試合27勝37敗2分の勝率.422、借金を10に減らしている。ゲーム差は1位・ソフトバンクと18.5、2位・ロッテと11.5、3位・日本ハムと7.0、4位・西武と3.0としている。

中でも大きかった交流戦の5試合とは?

交流戦で良く持ち直したと驚いている。交流戦前の直近20試合、9連敗もあって5勝15敗だった楽天。沈みゆく泥船のように、交流戦でさらなる失速もありえたところ、新人・新戦力の活躍などもあり、良く浮上できたと思っている。

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