【試合観戦記】5/12楽天2-6西武:「不運ではなかった」蛭間内野安打が象徴する岸孝之の“異変”
守備にも問題あった敵地3連戦
この3連戦、楽天投手陣は3試合連続で二桁安打を許した。
今シーズン3戦連続二桁安打を浴びたのは3度目だが、同一カードでは1勝1敗1分だった4/12~4/14ロッテ戦(楽天モバイル)以来になる。しかも今回は12球団最低打率に苦しむライオンズ打線を相手にしながら、この結果だった。
配球は?投げた球の球威や質、コースに投げきることはできたのか?などバッテリーにも相応の責任があるはず。
しかし今回は守備についてフォーカスしたい。
セイバーメトリクスのチーム守備指標にDER(Defense Efficiency Ratio)がある。
本塁打を除いたフィールド上に飛んだ打球のうちアウトにになった割合を表わしている。
5/12終了時パリーグの平均値は.705を記録。
超投高打低に突入した今シーズンだが、セイバーでいうフィールド上の打球の約3割は安打になるという考えで言えば、今季も3割がヒットになり、7割が凡打になる例年どおりのシーズンと言えそうだ。
しかし、この3連戦の楽天守備陣の数字は.625と明らかに低すぎた。
もともと楽天守備陣の今季数字は.668とリーグ平均からは劣る。首位をいくソフトバンクの.756から大きく水をあけられるかっこうにもなっているのも事実である。しかしそんな数字をもさらに下回る数字が、この週末3連戦だった。
つまり、バックを守る守備陣にも相応の責任があったと言えそうで、その典型例が3連戦の最終日を迎えた母の日の本戦になった。
1点リードの3回2死3,1塁、4番・中村剛也の中飛に思われたイージーフライをセンター辰己涼介が目測を誤って前方へポテン。これが同点打になってしまう。
翌4回は先頭・佐藤龍世の打ち取ったイージー右飛コースを、ライト小郷裕哉が落下点に入りながらもグラブ弾いて落球エラー。これが引き金となり、その後の2死2,1塁、途中出場した長谷川信哉の1号3ランを呼び込んでしまった。
ポジショニングともども再検証を求めたい。
▲だいたいこういう守備指標は本拠地が天然芝球場のチームは不利になりがち。しかし、今季のファイターズは健闘をみせている。昨秋キャンプをエスコンフィールドで行った成果と言えそう。
スライダーで要所を制圧されたイヌワシ打線
攻略するなら2回3回だった。
1番・小郷をスライダー3連投で三振にとるなど初回は三者凡退の立ち上がり。ストライク率も72.7%と上々だった今井が、異変をみせたのが翌2回だった。
鈴木大地に自慢のスライダーを二塁打にされ、辰己に先制スリーベースを打たれた衝撃か、この試合に出した4四死球のうち3個が2回3回に集中。2回3回のストライク率は55.0%まで下落した。4回以降は立ち直って64.1%だっただけに、2回3回のチャンスを逃したことは痛恨だった。
3回は制球乱した今井から先頭・小郷が四球出塁。続く村林の初球時、1度牽制をもらった後に素晴らしい二盗を決め、足で揺さぶりをかける場面を作ったのに、その後の無死2,1塁で浅村空三振、島内左飛、鈴木大左飛の中軸凡退は痛すぎた。
ちなみに、11連勝中の今井は楽天走者に2球続けて牽制球を投げたことがない。どころか牽制球を投げることも滅多になかった。そのため2球連続はないだろうとの判断だったのだろう。小郷が・・・(続く)
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