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【試合評】左腕50勝。飛んで火にいる夏の虫。155キロ撃ちの総仕上げ~5/25○楽天6-1阪神

辛島50勝到達

連敗ストップ。久々に役者が揃う好ゲームになった。

もし負けていたら、2位の若鷹軍団が8-2で勝ったため、ゲーム差が0.5に縮まるところ。そんな危機を回避する今シーズン7度目の5点差以上リードの勝利になっている。

先発・辛島が素晴らしい投球だ。2020年11/5オリックス戦以来、2年ぶりの1軍登板だったが、野球の聖地で5回3安打1失点。得点圏に走者を背負った場面は4回2アウトからの一場面だけ。キャリア通算50勝に到達した。

同じ西家に2夜連続でヤラれるわけにはいかないと、打線も奮起して8試合ぶりの二桁10安打だ。

なかでも、主砲・浅村のお目覚めだ。5/10○E7-0M以降、OPS.416、打率.193と極度の不振に悩まされていたが、鬱憤を晴らすかのように2安打3打点と本領の打棒をみせた。

1点を追う3回2死2,1塁での同点打、1点リードした5回1死1塁から戦況を決定づける7号2ラン。いずれも敵軍に与えたダメージは大きかった。

小深田も今季2度目の猛打賞。3本とも先発・西純から記録している。

2本目はその後にタイムリーで2塁から生還した1塁走者を得点圏に送り込む役割を務め、3本目は浅村の一発を2ランにする効用を担った。

辰己も3号ソロを放つなど長打2本。この4連敗中、楽天打線は26本のヒットを放つも、長打は二塁打2本だけと、長打力不足に泣かされていたが、その課題をひとまず解消する2発になった。

試合展開

楽天=1番・西川(左)、2番・小深田(遊)、3番・浅村(二)、4番・島内(右)、5番・渡邉佳(三)、6番・辰己(中)、7番・マルモレホス(一)、8番・太田(捕)、9番・辛島(左投)

阪神=1番・近本(中)、2番・中野(遊)、3番・マルテ(一)、4番・佐藤輝(三)、5番・大山(左)、6番・糸原(二)、7番・小野寺(右)、8番・西純(右投)、9番・坂本(捕)

両軍のスタメン

基本を遵守した

先発がゲームを作る秘訣の1つに、立ち上がりの初回をどう抑えるか、味方得点直後をいかに締めるかの2つがあると思う。

この日の辛島はいずれも徹底できていた。

初回は2死から四球を1個出したものの、1番・近本を初球凡退、2番・中野は外角いっぱいにスライダーを決めての見三振。上位1、2番を最高の形でアウトに取ったことでリズムに乗ったように感じた。

味方得点直後も合計3イニング打者11人と対戦して2単打に封じた。

辰己3号ソロで2-1と勝ち越しに成功した直後の4回は2死3,1塁のピンチを招いたが、看板球で危機脱出。石原の母校後輩に当たる7番・小野寺を、キャリアを通じて磨きあげてきた外のチェンジアップの出し入れ術で遊ゴに仕留めた。

甲子園特有の浜風の影響を受け「体が流れたり、球が浮いたりはあった」と本人。その中でも球の球威や切れは上々レベルだったと思う。

球に力強さがあったからこそ・・・(続く)

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