【試合評】前半投手戦も後半投壊... ジキルとハイドの29敗目~2016年5月28日●楽天イーグルス1-7日本ハム

1回裏、楽天に立ちはだかった淺間大基の好守

今日も沢山のお客さんが集まった。最多観客動員数を記録した昨夜に引けを取らない25,863人。昨夜チームを連敗脱出へと導いたホームパワーを"追い風"に2戦目の今日、大谷翔平が登板する3戦目を待たず5カードぶりの勝ち越しを決めたい。そんな思惑の一戦になったが、力及ばなかった。

先発は安楽。4月30日オリックス戦以来、約1カ月ぶりの1軍登板。右手まめ回復後の5月20日2軍DeNA戦の調整登板では5回7安打8失点を喫していただけに、立ち上がりが心配だった。しかし、その不安を払拭する快投。日本ハム打線を序盤3回まで無安打6奪三振。その中には4番・中田からスライダーで奪ったストライクアウトも含まれていた。

安楽が快投を続けるうちに、先制点を取って高卒2年目右腕を少しでも楽にしたい。そんな展開になったが、楽天打線は7回まで投げたメンドーサの前に毎回走者を出しながらも、ホームが遠かった。

明暗分けたのは1回裏だったかもしれない。

ライト浅間のスーパープレーにヒット性の当たりを2本阻止された。昨日茂木の右前フライ安打コースを前進チャージかけながらも後逸、三塁打にするミスをした高卒2年目外野手に、リベンジの好守連発を許した。1番・岡島の右飛はフェンスギリギリを襲う快飛球。1死1塁で3番・ウィーラーの右飛はライナー性の打球が右前に弾むヒットコース。これをいずれも球際でグラブに収められてしまった。

楽天は2死3塁、3回1死2塁、いずれも得点圏に走者を送り込み、先制点の機会を伺った。しかし、立ち直ったメンドーサに持ち味を発揮され、後続打者がいずれもゴロ凡退。欲しかった先取点が入らない。

両軍のスタメン

日本ハム=1番・中島卓(遊)、2番・浅間(右)、3番・田中賢(二)、4番・中田(一)、5番・陽(中)、6番・谷口(左)、7番・レアード(指)、8番・横尾(三)、9番・大野(捕)、先発・メンドーサ(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・ウィーラー(左)、4番・アマダー(指)、5番・茂木(遊)、6番・中川(三)、7番・銀次(一)、8番・川本(捕)、9番・島内(中)、先発・安楽(右投)

5回以降、安楽、石橋が合計4被弾

メンドーサ攻略に手こずっていると、4回だった。先に失点したのは快投を続けていた安楽。2本の長打で1点を奪われた。

先頭の2番・浅間による右中間フェンス直撃三塁打。4番・中田の三塁線ゴロ突破の先制二塁打。いずれも高めに甘く入る初球を打ち返されたもの。サードスタメンは2試合連続で中川。中田の当たりに飛びつきにいったが及ばずで、これで昨日からサード中川の横、三塁線を突破されたヒットは合計3本を数えている。(楽0-1日)

先制を許した直後の4回裏、その中川が奮起している。

2死無走者からの一撃は左中間フェンスを直撃する二塁打。同点の機会を演出し、昨夜連敗脱出の決勝打を放った7番・銀次に打席をまわすという胸熱シーンになった。しかし、相手バッテリーは至極冷静。空いている1塁に銀次を歩かせ、次打者・8番・川本との勝負を選択。その川本もなにくそ!と初球狙いで打って出たが、左飛。相手守備範囲に収まってしまった。

4回まで0-1の僅差の展開で進んだ締まったゲームはいったい何だったのか、5回以降は投壊。ファイターズ打線の一発長打攻勢4発の前に、安楽、二番手・石橋が屈し、試合が壊れた。1試合4被本塁打は今季初。

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