見出し画像

【試合評】 マリンだからこそ威力絶大。美馬学が操るマリンガン封じの投球~4月8日○楽天7-4ロッテ


打線は今日も元気だった。
今シーズン3度め二桁安打の10安打。

銀次が今季初の3安打猛打賞をマークすると、悩めるウィーラーにもマルチヒットが飛び出した。
オフに体調不良に悩まされたポテトヘッド。
食事も満足に摂ることができず、だいぶ痩せたというチームきってのムードメーカーが、来日3年目で初の1試合2安打、これを機に調子を上げてきてくれれば!という朗報になっている。

開幕以来、打線に破壊力を供給するペゲーロは、引き続き好調。
今日も相手先発・涌井をKOに追い込む2点タイムリーの槍働きで、リーグ2位の打点10とした。(1位はオリックスのロメロ)

打線は先制、中押し、ダメ押し、序盤、中盤、終盤と、効果的に点を入れ、投手陣は6人のリリーフ陣をつぎ込み、ロッテ打線の反撃を突き放した。
最後は守護神・松井裕がワンツースリーで締め、7-4で勝利!

雨降って地固まる貴重な勝利に

しかし、3時間53分の戦いは、7-4のスコア以上にタフなゲームになっている。

プレイボールの霧雨から中盤には本格的な降雨になり、両軍の野手陣にプレッシャーを与えた強風は、最大14mを計測した。
春の嵐とも言える悪環境下でつかんだ勝利は、チームの結束をさらに高めたと信じている。

チーム成績は7試合6勝1敗の単独1位。
同日敗れた2位・ソフトバンクとのゲーム差を1.5に広げた。

明日はFA入団の岸が、いよいよクリムゾンレッドに袖を通しての初登板。
試合後、ヒーローインタビューで美馬が力強く発した『開幕ダッシュ成功宣言』を、さらに盤石なものにする快投をみせてくれるはず、期待しよう。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(一)、6番・島内(中)、7番・岡島(左)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)

ロッテ=1番・加藤(右)、2番・角中(左)、3番・清田(中)、4番・パラデス(指)、5番・鈴木(二)、6番・ダフィー(三)、7番・井上(一)、8番・田村(捕)、9番・大嶺翔(遊)、先発・涌井(右投)

悲願の首位打者へ
第一歩を踏み出した銀次の猛打賞

選手会長のバットがチームを勝利にみちびいた。

ぼくにとっての銀次は、ショートケーキで例えるなら、あの真っ赤なイチゴなになる。イチゴのないショートケーキが画竜点睛を欠くように、銀次が活躍しない楽天は、やっぱりどこか寂しいところがあった。
昨年、同様の思いを強く感じたのは、ぼくだけではないはずだ。

打率3割ふたたび、そして待望の首位打者へ。
復活を期す今シーズンは好発進をきった。
開幕戦でチーム一番乗りのホームランを放つと、開幕4試合連続安打。
コンスタントにヒットを飛ばし、開幕7試合めの本戦で今季初の3安打を記録した。

3本のヒットは、いずれも要所で飛び出す「らしい」当たりになった。

1本目は先手を取った1回表。
今季初の初回先制劇は銀次のバットから誕生した。

1死後、2番・ペゲーロの打ち上げた当たりは、三塁後方の三邪飛コース。
しかし、ショート・大嶺翔が落下点に入りながらも取れない。
上空で吹き荒れた強風で、打球が風に流されたのだ。

命拾いしたペゲーロはその後、四球で歩く。
2死走者なしが1死1塁になったことで、その後アマダーにも今季4本目のヒットが飛び出し、2死3,2塁とチャンスを広げていた。

ここで5番・銀次。
2-2と追い込まれていた。
しかし、例年2ストライク以降の打率がリーグ平均よりも高い背番号33番、追い込まれてからが真骨頂なのだ。
このシーンでも、巧みなバットコントロールを披露。
三遊間を射抜くクリーンヒットが先制打になった。

2本目は3回表だ。
今季初の二塁打でスコアリングポジションに進んだウィーラーを、2死後に銀次がホームに呼び込んだのだ。
涌井が繰り出した投球は、低めギリギリの誘い球。
見逃しても問題なかった球を、この人らしいミート打撃で中前へ。
涌井にダメージを与える巧打に対し、解説の薮田安彦さんも思わず「決して(コースは)悪いところじゃなかったと思うんですけれども」と脱帽した。

そして3本目は6回表、先頭打者安打になった。
銀次による2本の適時打で2点リードした楽天は、その後、田村、加藤のソロ弾で追いつかれ、同点になっていた。
2-2からの次なる一手をどちらが取るか?という攻防。
その要所を制したのが、銀次による6回先頭打者安打、しかも二塁打だった。

1-2と追い込まれてからの一打だった。
インハイの難しい143km速球を上手いことさばいた。
引っ張っての右方向ならともかく、測ったように難度の上がる逆方向に弾き返してみせたのだ。
しかも、三塁線いっぱいをゴロで破るスタンダップダブル!
この後、打線がつながり、嶋のタイムリーで生還。
さらに2死満塁でペゲーロが2点タイムリーを打ち、涌井を降板に追い込んだ。

これで銀次は打率を.333に上げ、現在、打率ランキング6位に浮上している。

涌井を降板に追い込んだ6回3得点の伏線

2-2の同点で迎えた6回表、涌井攻略の3得点。
銀次のチャンスメイクに始まり、嶋、ペゲーロの適時打で締める理想の攻撃は、チーム一丸でのアプローチが結実した瞬間だったと思う。

というのは、

※ここから先は有料エリアでお楽しみください。
ペットボトル1本程度とおトクです。
この後、美馬投手についても触れました。

※本稿は『まぐまぐメルマガ』でも、お届け中。
本稿を含む月十数本の連載で購読料514円
(5月以降お申込みだと、本稿は別途バックナンバー購入です)
読者数は「中村紀洋の野球マガジン」超えです

【新規読者さん特典】登録初月の無料購読サービス
まぐまぐでのご入会はコチラからどうぞ

銀行振込ご希望の方はtan_5277アットマークyahoo.co.jpまでご連絡下さい。

見やすさではnoteが一番
本稿は、こちらのnoteバリューマガジンにも所収しています。
note単売を購入し続けるより、お得なプライス、さらに明日4月9日(日)までお申込みで期間限定価格でご提供中!
「Shibakawaの楽天イーグルス観戦記〔2017前半戦〕」

ここから先は

2,053字 / 2画像
この記事のみ ¥ 150
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。