【試合評】 前夜決勝打、本戦は均衡を破る口火二塁打。Lefty Sniperに狙撃された楽天投手陣~2016年5月7日●楽天イーグルス2-3ソフトバンク

2点差を聖澤2号、茂木55打席ぶり適時打で同点に追いつく

今日も決勝点は終盤7回に発生した。

先発レイは4回までゼロを並べる好投を披露。5回にピンチを迎えて1番・福田に2点先制打を許したが、イーグルスは6回、7回と1点ずつを返し、同点に追いついていた。

6回は前日終了時に再びパリーグの「隠れ首位打者」になった聖澤の一閃が光った。千賀の高め146km速球。これを右翼ホームランテラスに運ぶ2試合連続のソロホームラン。背番号23による2戦連続一発は2010年9月19日・同20日、コボスタでのロッテ戦以来、実に5年7カ月ぶり2度目の快挙になった(このときは吉見祐治、薮田安彦から)。

先頭・後藤が安打出塁した7回は、島内送りバント後の1死2塁、7番・茂木に中安が飛び出す。当たりは決して良くなかったが、しぶといゴロが二遊間を割り、これが同点となるタイムリーになった。

シーズン前はプロのピッチャーに対してもう少し自分は対応できるんじゃないかと思っていた。でも、スピードとかキレ、学生の頃と比べると全然違うし、体力的にもプロの凄さを想像以上に実感している。身体も心も今、凄くギリギリのところにいるけど、チームの勝利とか、もっと上手くなりたいという気持ちがあるからこそ、それがモチベーションになって頑張れています。

前日試合前、リポーターの取材に対し、そのように答えていた茂木のタイムリーは、実に4月17日ソフトバンク戦以来になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・岡島(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(三)、5番・後藤(二)、6番・島内(左)、7番・茂木(遊)、8番・伊志嶺(指)、9番・川本(捕)、先発・レイ(右投)

ソフトバンク=1番・福田(右)、2番・今宮(遊)、3番・柳田(中)、4番・内川(一)、5番・長谷川(指)、6番・松田(三)、7番・中村晃(左)、8番・鶴岡(捕)、9番・田村(二)、先発・千賀(右投)

今日も開演した魔の7回

2-2の同点に追いついて鬼門の7回、楽天は二番手で福山を送り出す。

5月4日ロッテ戦からの4連投、16試合目のマウンドに向かった背番号64だったが、1死3,1塁のピンチで9番・高田に中前へ打ち返され、7試合目になる失点を喫してしまった。結局、この1点が勝敗を分ける決勝点になった。

福山は今季早くも4敗目。救援陣についた黒星はこれで12個を数えた。

今季のリリーフ陣は誰1人として安定したパフォーマンスを披露することができていない。これでは右手中指のマメを潰して登録抹消中の安楽の今後起用法が心配になってくる。回復後の1軍舞台では先発ではなく、リリーフ起用される恐れもあり、悩みは尽きない。「チーム事情」の五文字で将来性のある若手が酷使される危険性も出てくる。

チーム成績は5位、33試合13勝18敗2分、借金は今季最多の5。33試合時点での借金5は昨年と同じ。ちなみに一昨年は借金3だった。

ゲーム差は1位・ソフトバンクと8.0、2位・ロッテと5.0、3位・日本ハムと2.0、4位・オリックスと0.5、6位・西武と0.5になった。

各種戦績は、5月成績2勝4敗、ソフトバンク戦1勝5敗1分、ビジター戦績5勝10敗1分、1点差試合5勝8敗、1点差試合8勝12敗になった。

本戦もLefty Sniperに狙撃された

前夜は逆転2点二塁打、本戦では勝ち越しのチャンスメイクを担う二塁打。それにしても、中村晃という打者は、つくづく敵にまわしたくない相手である。

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