【試合評】 陶酔の開成山。満員御礼が舌鼓したエースの自己最速、躍動オコエの快記録~2016年6月7日○楽天イーグルス5-1ヤクルト

理想のかたちで地方球場の連敗を脱出

楽天が5点以上取り、失点を2点以下に抑えての勝利は今季7度目。投打かみ合う理想の形で、2014年7月29日ソフトバンク戦(郡山)から始まった地方球場の連敗を、12でストップさせた。

投げてはエースの則本が8回1失点でハーラートップタイの6勝目。交流戦に入り2連勝で同防御率を0.53とした。これは交流戦で2試合以上先発した投手10人の中では、ロッテの石川歩の0.66を抑えて、現在1位である。

打っては2回に集中打が生まれた。聖澤の先制打、2死からオコエが右中間に弾き返した2点適時三塁打、その波に乗った藤田のタイムリーでメジャー通算43勝のデイビースを見事に攻略した。

お立ち台には則本とオコエが登壇。投打のヒーローによる活躍で、楽天の交流戦成績は4位の4勝3敗、パリーグでは3位の好位置である。同日、オリックスが中日に9回土壇場で追いつきながらも、延長12回にコーディエ劇場が開演。3-8で敗れたため、5位オリックスとのゲーム差も1.5に縮まった。一方、ヤクルトは泥沼の6連敗。

チーム成績は6位、55試合20勝33敗2分の勝率.377、借金を13に減らした。ゲーム差は1位・ソフトバンクと16.5、2位・ロッテと9.0、3位・日本ハムと7.5、4位・西武と6.0、5位・オリックスと1.5になっている。

両軍のスタメン

ヤクルト=1番・大引(遊)、2番・坂口(中)、3番・山田(二)、4番・バレンティン(指)、5番・川端(三)、6番・畠山(一)、7番・雄平(右)、8番・中村(捕)、9番・三輪(左)、先発・デイビース(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・茂木(遊)、4番・枡田(指)、5番・銀次(一)、6番・ウィーラー(三)、7番・聖澤(左)、8番・足立(捕)、9番・オコエ(中)、先発・則本(右投)

6試合ぶりチーム10安打。聖澤先制打、オコエ躍動のスリーベース

楽天は10安打。マルチ安打は藤田とオコエ。藤田は5月24日西武戦以来の2安打になった。チームの二桁安打は6試合ぶり。5月17日オリックス戦以降の17試合では実に2度目の二桁安打になった。

2回は貰ったチャンスを活かした先制決勝の4点劇になった。

先頭の4番・枡田がストレートの四球で1塁に歩くことで始まった。後続の5番・銀次は凡退に倒れたものの、今季初めて6番に入ったウィーラーは左の肩口に直撃するデッドボール。1死2,1塁のチャンスで7番・聖澤。規定打席には未達なものの、100打席以上ではパリーグ打率8位に位置する背番号23が、良い仕事をした。

緩急攻めで1-2と追い込まれた直後、低めに誘われたチェンジアップ。体勢を崩されかけながらもバットに乗せる形でひっぱった当たりが右翼フェンスを直撃した。これが先制のタイムリーツーベースになる。

なおも1死3,2塁のチャンス。8番・足立が見三振に倒れて2アウトになったところで誕生したのが、オコエのプロ2本目のタイムリーだった。ここで凡退して攻守交代になってしまうのか、攻撃を続行するのかでは大きな差異がある。その意味でも勝利を引き寄せる価値大の一打になった。

その2点二塁打は、外外と攻められて1-1になった後の第3球、アウトコースの135kmスライダーで生まれた。コースに逆らわず、右中間へ弾き返したことが奏功する。

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