【試合評】 勝ちきれなかった楽天。両軍43人出場、31安打が飛び交った今季パリーグ最長の4時間53分~2016年4月23日△楽天イーグルス8-8西武

意味のある総力戦か?  後に禍根を残す消耗戦なのか?

前夜は8-7のルーズヴェルトゲーム。本日は延長12回を戦っての8-8引分けは4時間53分。今季パリーグ最長試合になった。

イーグルスの今季延長試合は早くも6試合目。その成績は1勝3敗2分。延長回の合計は14イニングに達し、延長回で起用された投手数ものべ14人を数えている。

両軍合計で実に43人が出場した。楽天は投手陣を使い切っている。野手もベンチには今季初の休養日になった嶋に加えて、伊志嶺を残すだけという総力戦になった。

ヒットは西武16安打、楽天15安打。与四死球は西武8個、楽天8個。5時間近い長丁場に合計31本の安打が飛び交い、多くの四死球で塁を賑わせ、両軍の投手コーチが幾度もマウンドへ歩を進み、指揮官も選手交代を告げに何度もベンチを飛び出していった「多忙な土曜日の昼下がり」になっている。

両軍のスタメン

楽天は嶋が今季初のお休み。吉持がプロ初のスタメン起用。牧田も今季初先発。川本は楽天移籍後で初のスタメンマスクになった。

楽天=1番・福田(中)、2番・吉持(遊)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・松井稼(指)、6番・牧田(右)、7番・中川(三)、8番・後藤(二)、9番・川本(捕)、先発・安楽(右投)

西武=1番・秋山(中)、2番・外崎(二)、3番・栗山(左)、4番・メヒア(指)、5番・坂田(右)、6番・渡辺直(三)、7番・浅村(一)、8番・炭谷(捕)、9番・金子侑(遊)、先発・バンヘッケン(左投)

因縁の相手を来日最短KO、序盤は4点リードした楽天

楽天は序盤3回まで4点のリード。今季初先発の安楽を援護する展開を作ることができたのは僥倖だったが、このリードを守り切ることができなかった。

西武先発は軟投派左腕のバンヘッケン。4月3日にイーグルス打線はドツボにハマり、7回2失点の好投を許したが、本戦でリベンジ。サウスポー対策に起用された福田、牧田、中川、川本ら7人の右打者が各々見事な結果を出し、10打数6安打、4二塁打、2三振、2四球と戦果で来日最短2.1回4失点でマウンドに沈めることに成功した。

■安楽智大 2015年 2軍 試合別 投手成績

安楽智大、序盤3回まで無安打投球

楽天先発は安楽。今季初登板が新緑に囲まれた西武プリンスドームの先発マウンドになった。イースタンで4試合22回を投げ、防御率2.45、FIP2.57、WHIP1.09の好成績。投球回に迫る21個の奪三振を記録し、自慢の速球は3月27日の利府巨人戦で最速152kmを計測するなど、成長の跡をマウンドに刻み、1軍へ昇格してきた。

その安楽は序盤3回を無安打に抑え、4個の三振を奪う好投を見せている。ストライクゾーンに一家言ある3番・栗山、現在パの三冠王の4番・メヒアをファストボールで見三振に取るなど、テンポの良いピッチングに獅子打線が押され気味の展開だった。

しかし、4回以降、試練が訪れる。

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