【試合評】コスパ最高! その数、今季最少につき~4/8○楽天3-0日本ハム
日本ハム1回戦は稀有なゲームに
先発・早川が伊藤との『20年ドラ1対決』を7回2無失点で制した日本ハム1回戦は、稀有なゲームになった。
稀有といえば、押し出し四球で1点先制した直後の3回裏守備も。
1死3,2塁、1番・野村の左飛は、左中間へ打ち上がった同点犠飛コースだった。当然、三走はタッチアップして本塁突入する。しかし、このとき二走・上野も3塁を狙い、スタートを切っていた。
この動きをレフト西川は冷静に捉えていた。本塁は時間的に無理と判断した背番号7は、上野の三進を阻止すべく、三遊間に控えていたサード渡邉佳へ冷静に返球していく。
返球を受けた渡邉佳も、これまた視界が良く見えていた。慌てることもなく、走り込んでくる二走・上野にしっかり直接タッチし、その三進を阻止したのだ。まさに頭脳プレーといえる名場面になった。
三走の生還よりも上野の憤死のほうが先になったため、同点の危機が稀有な併殺で一気に攻守交代という胸のすくようなシーンになった。
高卒3年目で本戦が1軍6試合目の上野は、とにかく経験に乏しい。
昨年まで同僚だった西川が弱肩とは知っていても、ほとんど2軍暮らしのため、その弱肩がいかほどのものか、脳裏に鮮明に刻み込まれるほどの印象には乏しかったと思う。
あの場面、ふつうならレフトは直接バックホームする。西川も本塁返球するだろうと思い込んだフシがある。試合後、本人も「完全に判断ミス」と反省しきりだったという。
コスパ最高の勝利
しかし、本稿で指摘したい稀有な光景とは、あの変則ゲッツー劇ではない。
まずは下記表をご覧ください。
この表は、楽天打線の試合別のスイング数、球数に対してのスイング割合を表にまとめたものになる。
この日、敵先発・伊藤以下ファイターズ投手陣は161球を投げたが、楽天打線のスイング数は50球だった。
1試合におけるスイング数50は、3/31○E1-0Bに並ぶ今季最少。あのときは、瀧中vs山﨑福による技巧派対決の投手戦になり、9回表に代打・銀次が平野から決勝打を放ったゲームである。
その割合31.1%も今季最少になった。
ほんっっと、この試合、楽天打者はバットを振らなかったのである!
1スイング当たり消費されるカロリーは・・・なんてことを考えると、早川も球数少なかったので、楽天はじつにコスパのよい、省エネ勝利を飾ったと言えそうだ。
1度もバット振らずに7四死球
Twitterでも指摘したが、楽天打線が獲得した7四死球が、そのことを如実に象徴している。
先発・伊藤から6四死球、二番手・上原から1四球を得たが、この7個全て1度もバットを振らずに獲得したのだ。こんなことはかなり珍しい。
大前提にあるのは・・・(続く)
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