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【戦評】 平石楽天の行く末を暗示する、雨中3連敗~4/27●楽天5-6ロッテ

両軍先発には気の毒な雨中戦

平成から令和へ新時代の幕開けになる今年のゴールデンウィーク。
10連休の初日、本拠地にロッテを迎えた4回戦は、今季初の雨中戦になった。

本格的な雨降りに祟られた序盤から中盤、両軍先発はタフな投球を強いられ、気の毒だった。

楽天・美馬は5回5失点、ロッテのボルシンガーも5回途中5失点。
ぬかるむマウンドでコントロールを乱し、球に力が思うように伝わらず痛打される場面が多々。

今季ここまで四球わずか1個だった美馬が本戦だけで4個を連発。
昨年ゴロ率59.1%で被本塁打7本と優れた打球管理をみせたボルシンガーが、本戦3被弾でゴロ率も35.0%にとどまったところをみると、気象条件に振り回された面は否めない。

(ボルシンガーの場合は雨を除いても、今年は不調のように感じる)

雨に祟られた楽天拙守

楽天は守備でも雨の影響を受けた。

初回2死3,1塁、5番・レアードは2塁後方への打ち上げた当たり。
しかし、背走する茂木と前進するセンター田中が取りきれず、田中はグラブに当てながら着弾を許した。
この不運なヒットが先制2点タイムリーに。

3点を追う2回2死2,1塁、3番・中村の1,2塁間ボテボテを銀次が処理にもたつき、この間、2塁走者の本塁生還を許してしまった。

どちらも雨がなければ、なんてことはない凡打と思うと、空模様が恨めしく思われた瞬間になった。
(とはいえ、銀次のアレはどうにかしてほしかった)

5点先行された楽天は、茂木3号2ラン、ブラッシュ3号ソロ、浅村5号ソロなどで追いつくことに成功!
真の勝負は6回以降に持ち越されたが、9回、松井が先頭の1番・荻野に四球を許し、その後の2死3塁、復調してきた4番・井上に決勝打を浴び、自慢のリリーフ陣が2戦連続で持ちこたえることができなかった。

チーム成績は23試合13勝9敗1分の勝率.591。
同日ソフトバンクが勝利したため、4/15以来の2位転落になった。

各種戦績は、直近10試合5勝5敗、ロッテ戦2勝2敗、楽天生命パーク8勝4敗、カード初戦5勝4敗、1点差ゲーム3勝5敗、先制されたゲーム5勝6敗1分、TOHOKU BLUE0勝2敗、柳田不在時8勝6敗(若鷹軍団は8勝7敗1分)へ。

ゲーム差は1位・ソフトバンクと0.5、3位タイの西武、日本ハムと2.0、5位・ロッテと4.0、6位・オリックスと4.5。
依然として首位から最下位まで5.0差の混戦で推移している。

両軍のスタメン

ロッテ=1番・荻野(中)、2番・角中(左)、3番・中村(二)、4番・井上(一)、5番・レアード(三)、6番・バルガス(指)、7番・清田(右)、8番・田村(捕)、9番・藤岡(遊)、先発・ボルシンガー(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・田中(中)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・ウィーラー(三)、6番・銀次(一)、7番・ブラッシュ(指)、8番・嶋(捕)、9番・オコエ(右)、先発・美馬(右投)


凡時不徹底で失点を招いた美馬と松井

悔しい2試合連続の1点差負けになった。
こういう1点を争うゲームは凡時徹底が必要不可欠になる。

その点でいえば、この日の楽天勢、とくに楽天投手陣は当たり前のプレーを一生懸命できなかった。

たとえば、1回1死2,1塁、4番・井上の打席だ。
その初球、ロッテは重盗作戦を敢行。
嶋は2塁へ送球し、1塁走者・角中を1,2塁間で挟むランダンプレーになった。

しかし、塁間で追いかけっこをするなか、1塁がガラ空きに。
美馬がベースカバーに入るのが遅れ、角中に1塁への帰還を許してしまう。

ここで角中を挟殺できていれば2アウト。
井上空三振で攻守交代になり、その後のレアード2点二塁打は発生しなかった。

決勝点を失った9回も同様の指摘ができる。

2死2塁で4番・井上の初球だった。
松井が本塁手前に大きく叩きつける暴投。
嶋も大きく弾いて、2塁走者が楽々と三進するシーンがあった。
直後、3塁進出したランナーは井上の右安で悠々決勝のホームを踏んでいる。

もし暴投がなければ、2塁走者は生還できなかった可能性がある。
走者は俊足の荻野だが、雨でグラウンドコンディションもかんばしくないことを考えると、少なくとも3塁に置いたときと比べれば、本塁生還率はグッと下がったはずであり、美馬ともどももったいないプレーが失点につながってしまった。

救援陣に衝撃走る「まさかの数字」

二枚看板を欠く楽天のQS率は34.8%。
先発投球回はパリーグ5位・119回のイニング消化にとどまり、そのぶん、救援陣に多大なしわ寄せが発生している。

救援投手の起用数はパ最多92人を数えた。
最少の西武との差はじつに17人だ。

パ登板数ランキング上位9傑の中には、松井、ハーマン、宋家豪、高梨、青山と楽天勢が5人もランクイン。
その1位を分け合うのは、松井とハーマンで23戦中15登板になった。

リリーフ陣は心身ともに休まる暇がないと思う。
正直、疲れの色も隠せなくなりつつあるところまで来ていると感じるのだ。

その象徴が、、、

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