【試合評】3ラン浴びた則本昂大の投手心理。「夢と感動」を三度阻止した新たな宿敵・増井浩俊~2016年9月24日●楽天イーグルス1-4日本ハム

自力CS消滅、V完全消滅、CS完全消滅。相手先発はいずれも増井浩俊

則本がまたしても勝てず、遂に11敗目。打線はまたしても増井浩俊を攻略できず、対楽天戦3戦3勝を献上する日本ハム24回戦になった。

楽天の夢と感動を、三度吹き消す役を演じたのが増井である。先発転向後の増井と初対決になった9月1日にはイーグルスの自力CSの可能性が消滅した。再戦した9月9日ではV完全消滅、そして三度目の激突になった本戦で、クライマックスシリーズ進出の可能性が完全消滅している。

ちなみに、昨年は131試合目の9月22日に、一昨年は138試合目の9月29日に消滅したので、今年の134試合目は過去2年と似たりよったりである。

チーム成績は5位、134試合59勝72敗3分の勝率.453。ゲーム差は1位・日本ハムと22.0、2位・ソフトバンクと21.0、3位・ロッテと9.0、4位・西武とゲーム差なし、6位・オリックスと6.5としている。

各種戦績は、後半戦25勝27敗1分、9月6勝12敗(9月の負け越し決定)、日本ハム戦8勝16敗、ビジター戦25勝37敗2分、敵地デーゲーム6勝18敗2分になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(中)、2番・ペレス(指)、3番・ペゲーロ(左)、4番・ウィーラー(三)、5番・茂木(遊)、6番・銀次(一)、7番・岡島(右)、8番・藤田(二)、9番・安達(捕)、先発・則本(右投)

日本ハム=1番・西川(左)、2番・近藤(右)、3番・大谷(指)、4番・中田(一)、5番・田中賢(二)、6番・レアード(三)、7番・陽(中)、8番・大野(捕)、9番・中島卓(遊)、先発・増井(右投)

外国人打者を3人並べる布陣のデメリット

試合は両軍の先発投手が3回までゼロに抑える投手戦の様相でスタートした。

しかし、先にチャンスを作ったのは楽天だった。

則本が3回まで得点圏進出を許さない好投を見せる一方、楽天は増井の前に初回、2回といずれもスコアリングポジションに走者を進める攻撃をみせていた。

立ち上がり、増井の制球が不安定。1回は1番・島内、2番・ペレスが連続四球。貰ったチャンスの無死2,1塁だったが、3番・ペゲーロ、4番・ウィーラーが連続三振。5番・茂木も遊ゴに倒れた。

2回も先頭の6番・銀次がフルカウントから四球出塁した。続く7番・岡島がきっちり送りバントを決め、1死2塁のかたちを作る。打席は得点圏打率リーグ1位の8番・藤田、9月に入り打率.411と当たりが出ている9番・足立にまわったが、いずれも増井のフォークボールの餌食になり、連続三振で凡退した。

この貰った好機で先制点を作ることができなかったのが、敗因の1つになる。

特に初回。2番から外国人を3人続けて並べる布陣を敷くと、出塁した1番を2番が送りバントで走者を進めたり、無死2,1塁で3番が犠打を決めて1死3,2塁のかたちを作ることが、ほぼほぼ困難になる。

マウンド上で苦しむ増井に対し、得点圏に走者を送り込むことで重圧をかけることの意味は大きかったはずだ。直近14打席でヒット僅かに1本と当たりの出ていない3番・ペゲーロに、無死2,1塁でヒットを要求するのではなく、1死3,2塁にすることで外野フライという最低限のシチュエーションを作って、打席上でのプレッシャーを取り除く采配が必要だったはずだ。(もちろん、制球が不安定だったため、送りバントで1アウトをあげてしまうのはもったいない。そういう意見一理ある)

外国人3人を並べる布陣は、一発長打が出れば1塁から一気に本塁を陥れる攻撃もできるが、その可能性と引き換えに、打者が外国人のため作戦らしい作戦を取ることができないデメリットも生じる。打者が外国人ということでマウンド上の投手が威圧感を感じる場合もあれば、細かい仕掛けがないため逆に開き直って外国人打者との勝負に集中できる状況を生み出してしまう場合もある。そして、外国人打者は長打の魅力がある一方、総じて三振が多いのも欠点の1つになる。

実際、真のバント成功率ベースで、今シーズン楽天の外国人打者がバントを試みた例は1度もなし。外国人打者のときに塁上の走者に盗塁企図が記録されたのは僅かに8企図しかない。やはり、外国人打者のときには、梨田監督も細かいサインは採用しにくいのだ。

今回はメリットではなく、デメリットの部分が表出した初回攻撃になった。

陽岱鋼3ランを生み出した則本の投手心理

試合が動いたのは、スコアレスで迎えた4回裏、日本ハムの攻撃だった。

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