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【試合評】美馬学vs安達了一、呑み込まれた「因縁の対決」~7月29日●楽天2-5オリックス

美馬崩れて3連敗。若鷹軍団とのゲーム差はゼロに

楽天・美馬vsオリックス・山岡。
舞台を京セラドームに移した「東京ガス先輩・後輩対決」第2ラウンドは、koboパークで投げ合った前週とは真逆の結果になった。

中盤の6回、美馬が崩れた。
2-2の同点で迎えたこの回、先頭打者の四球から短長3連打を浴び、さらに犠飛で合計3失点、イニング完了を待たず、マウンドを後にした。(楽2-5オ)

3点を追った楽天は8回1死後、反撃のチャンスを作る。
二番手ヘルメンから3番・アマダー、4番・ウィーラーが連続で1塁に歩いて2,1塁を作ったが、後続が凡退。
5番・銀次の一ゴが進塁打になり、2死3,2塁。
打席は6番・クルーズにまわったが、1-2から外の151kmに倒れた。
巨人から楽天に移籍し、1軍の舞台に戻ってきてからまだ数日で、1軍の150kmに対応するのは、難しかったか。
飛球は右中間やや後ろで失速し、ライトを守る吉田正のグラブに収まった。

これでチームは今季3度目の3連敗。
ペゲーロ&岡島離脱後は1勝3敗。

チーム成績は1位、85試合56勝28敗1分の勝率.667、貯金を2とし、同日ファイターズを4-0で降した2位・ソフトバンクとのゲーム差はゼロになっている。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(中)、2番・聖澤(左)、3番・アマダー(指)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(二)、6番・クルーズ(遊)、7番・中川(一)、8番・福田(右)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)

オリックス=1番・吉田正(右)、2番・西野(二)、3番・小谷野(三)、4番・ロメロ(中)、5番・中島(一)、6番・マレーロ(指)、7番・T-岡田(左)、8番・安達(遊)、9番・伊藤(捕)、先発・山岡(右投)

3回表から始まった3連敗のシナリオ

今日の試合、「3連敗のシナリオ」は3回表、楽天の攻撃から始まった。

1死後、9番・嶋の左翼線二塁打と1番・島内の見きわめた四球、2番・聖澤が泥臭くも投ゴで走者を次塁に送り込んだ進塁打で2死3,2塁とした楽天。
ここで3番・アマダーに打席がまわる。
前回対決7月22日には山岡から、2打席連続ホームラン含む3打席3安打を放ったメキシコの怪人が、ここでも高めに浮いた失投を巨体揺らして叩きにいった。

打球は痛烈!
完全に左前コース行きの当たりだった。

しかし、遊撃・安達の球際ジャンピングキャッチに阻止されてしまい、アマダーはバットを叩きつけて悔しさを表しながらベンチに帰っていった。

15回戦の流れを劇的に変えていく「分岐点」は、試合後のお立ち台で安達が「打球が速かったのであまり見えていなかったですけど、グローブ出したら入りました」と振り返ったこの好守が担った。

絶好の先制機をハードラックで逸機した直後の3回裏、美馬が先制点を奪われた。

先頭打者は、その8番・安達。
美馬の制球が乱れてストライクが入らない。
速球バラつき、ボール先行3-0になり、ストライクを取りにいった高めの投球がボール判定され、フォアボール。
ストライクだと思った美馬は、思わずしゃがみ込んでしまい、ただただ苦笑するしかない状況があった。

下位打線の打者に対し、ストレートで四球を出すとは、闘将が指揮官なら、おかんむりだ。

ぼくは、これ、直前のファインプレーで気持ち良く打席に入ってきた安達を、美馬が必要以上に警戒してしまったためと感じた。

新米球審のジャッジに振り回された部分も

球審との相性もイマイチだった。

本戦の球審・梅木は、ストライクだと思われた投球をコールせずというケースが他でも見られ、与田コーチも試合中に「ストライクかと思った球がボールになったり、苦しむところがあるけどね」と異例すぎる談話を出すほど。

その梅木は2015年9月25日オリックスvs日本ハム戦で1軍公式戦初出場。
2016年終了時で1軍出場試合数わずか6試合で、楽天戦の担当は本戦初という、まだ新米の審判だった。

これが卍とかケンシロウコールとか、慣れ親しんだ球審なら、この人は低めを良く取るタイプで、あの人は外に広いとか、そういった球審の傾向や癖が、チーム内、投手陣の中で共有化されていく。

しかし、梅木球審に対して「初体験」だった楽天は、梅木に関する情報を持たず、振り回されるかたちになった。

美馬が安達を必要以上に意識した真の理由

さらにさらに、もう1つ理由があった。

じつは、、、

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