【試合観戦記】 9/8楽天5-9ロッテ:動揺まねいた浅村の股間後逸。戦犯と化した鷲の野手キャプテン
今季初の形勢4転ゲーム
ゲーム差1.5に縮めて臨んだ同20回戦。CS争いを繰り広げる両軍の猛き闘志がぶつかり合った、そんなシーソーゲームになった。
お互い譲らないと言えば、両軍のセンターが素晴らしいパフォーマンスをみせた。
初回、小郷を1塁において小深田。真っ直ぐに強い本来の持ち味を発揮し、令和の怪物の154キロを左中間へ弾き返した。ZOZOマリンには左中間にクーリッシュゾーンがあるが、それをまわりこんでレフト側で髙部が球際ダイビングキャッチ。5回には辰己の似たような当たりにも果敢に飛び込んでいく場面もあった(適時二塁打/負傷交代)。
髙部のたびかさなるファイトに触発されたのか、7回先頭・荻野の右中間深部の飛球に対し、辰己も球際守備を敢行。アイスクリームコーンキャッチにはあと一歩及ばずグラブかすめて直後に勢い余って激しくフェンス激突(適時三塁打)。一瞬ヒヤリとさせられるシーンだったが、久々に辰己の本気の守備を垣間見た気がした。
先制は楽天だった(形勢1転)。
初回に6番・渡辺翔が佐々木朗の真っ直ぐを仕留めて中前タイムリー。
3回ロッテは下位打線から流れを作り、長短連打でE1-2Mと試合をひっくり返した。(形勢2転)
1点を追った楽天は打線が3巡目に突入した5回、逆転に成功する。
先頭の1番・小郷が佐々木の156キロを右前へ弾き返すと、すかさず二盗。1死後に3番・辰己の左中間二塁打で同点のホームを踏んだ。
さらに2死3,1塁、バッターボックスは再びお孫さん。
今度は佐々木のスライダーを仕留めてE3-2M。イーグルスが再び一歩前へ出るかたちになった。(形勢3転)
しかしその優位もつかのまだった。
直後5回に先発・内が崩れた。
先頭の7番・中村奨の二塁打から始まったこの回はロッテ打線が打者一巡の猛攻。
7勝目をめざした若き右腕は長短3安打に1四球、さらにサード浅村のエラーも絡んでKOされると、火消しに入った二番手・弓削もタイムリーを浴びてしまう(E3-6M)(形勢4転)。結局、内は5回途中6安打6失点(自責5)で7敗目を喫した。
楽天は終盤くらいつき、7回8回と計2点を返したものの、直後にいずれも失点。五番手・渡辺は一塁ベースカバ-で捕球ミス。自身のエラーが失点に絡んでしまう拙い守備も見受けられた。
楽天は4企図4盗塁2生還。
佐々木を始めロッテ投手陣を足で揺さぶる持ち味の足攻を発揮。
しかし、外国人の差、長打力の差、守備の差で明暗分かれるかたちになった。
楽天戦における形勢4転は今シーズン初。
ひりひりした展開になったものの、イーグルスとしては勝ちきりたかったところだ。
楽天は厳しい上位対決。ロッテはボーナスステージへ
この後、楽天は火・水とホークスを迎えて2連戦。木曜は所沢に転戦すると、移動日を挟んで第1週目のシルバーウィークは本拠地でファイターズ3連戦。上位との対決が目白押しだ。
いっぽう、ロッテはお得意様にするオリックス、西武と敵地で計6試合。
この日程の差がどう出るか?
両軍が再びあいまみえるのは9/17(火)・9/18(水)。このとき2.5差がどうなっているのか?注目したい。
これはしてはならない
5回、戦況を大きく変えた致命的なエラーが発生した。
3-3同点の5回1死1塁、1番・小川の三ゴを浅村が後逸。今季8本決めている小川の十八番芸バントヒットを封じるため、アンツーカーを出て三塁前方・緑の芝ゾーンへ前進守備をとっていたあさむーの股間抜けのエラーだった。
前進守備を採用していたとはいえ、無難処理しなければならない打球だ。当たりも非力の小川が逆方向に弾き返したもので、右打者が引っ張ったものほどには強くはなかった。
もちろんバックを守る守備陣にもミスはある。そのミスをマウンド上の投手がリカバーしていくのが野球というゲームだが、この場面はそういう状況ではなかった。
先頭・中村奨に二塁打を許し、1死3塁で9番・藤原の右前へ同点打を打たれた直後だった。それも内野前進守備の1,2塁間をゴロで抜けていくもので、1,2塁間に強いセカンド小深田が左打者のときは1,2塁間を詰めるいつもどおりのポジショニングならどうだったか?というもの。守備隊形に翻弄されるかたちにもなっていた。
だから小川を打席に迎えた時点で打たれて点を失っており、先発転向1年目の内としては、味方のエラーを自らの力投で補填するほどの余裕、余力は残されていなかったのが実情だと思う。
キャプテンマークが、してはならない場面でイージーミスをしてしまった。
この試合、一番の戦犯は今季は選手総合評価指標で全く数字を積み重ねることのできていない背番号3だった。
22歳&25歳バッテリーの選択ミス
浅村のエラーが痛かった内だが、この後、22歳&25歳の若いバッテリーは──経験不足がそうさせたのだろう──立て続けに選択ミスをしてしまう。
1死2,1塁で2番・藤岡の場面だった。
ここはゴロを打たせて併殺を狙っていきたい状況だ。最もやってはならないのは・・・(続く)
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