【試合感想文】 3/10日本ハム3-9楽天:チーム打率12球団1位へ。19安打中13安打は「一撃必殺」

※本日3月11日は東日本大震災から13年目にあたります。今年1月に昨年の芥川賞受賞作、佐藤厚志さんの『荒地の家族』を読み、いろいろ考えるきっかけをいただきました。改めまして被災した方々にお見舞い申し上げます。

チーム打率12球団1位の.292へ

よくぞここまで打ちも打ったりだ!
オープン戦7戦4勝負けなし3分と好調のファイターズを19安打9得点で撃破した。

1試合平均2.64得点と爆発力不足が懸念されていたイヌワシ打線が、初回から活発。そのボックススコアは初回から真っ赤に染まった。

開幕前の1試合19安打は2022年3/15オリックス戦以来の快挙。
5回終了時の前半だけで13安打を記録し、ヒットが飛び出さなかったのは3回だけだった。

小深田大翔、フランコ、阿部寿樹が3安打。
伊藤裕季也、平良竜哉が2安打。
村林一輝、茂木栄五郎、島内宏明、鈴木大地、堀内謙伍、田中和基が1安打。

6回2死1塁、堀内vsファイターズ三番手ザバラの4球勝負。
初球、2球とスピードボールで早々に追い込まれ、3球目に159キロを見せられた後の4球目だった。

仕留めたのは難易度高いスプリット。低めすれすれに絶妙軌道で鋭く落ちた勝負球を体制崩されながらもバットのスウィートスポットに合わせると、打球が1,2塁間を破って右前へ到達し、スタメン全員安打が完成している。

前日.261だったチーム打率は1日にして.292へジャンプアップし、この数字はもちろん12球団1位に。
これでチーム成績は、実戦15試合4勝10敗1分、オープン戦8試合4勝3敗1分で5位タイとなった。

試合展開

日本ハム=1番・淺間(中)、2番・郡司(一)、3番・スティーブンソン(左)、4番・レイエス(指)、5番・野村(三)、6番・万波(右)、7番・マルティネス(捕)、8番・石井(二)、9番・水野(遊)、先発・バーヘイゲン(右投)

楽天=1番・村林(遊)、2番・小深田(二)、3番・茂木(一)、4番・島内(左)、5番・フランコ(指)、6番・鈴木大(三)、7番・阿部(右)、8番・堀内(捕)、9番・田中和(中)、先発・瀧中(右投)

両軍のスタメン

打撃の基本を貫徹

データを振り返ると、《打撃の基本》が徹底されていたことがわかる。

19安打中15安打は、投手の軸球になる速球撃ち。
19安打中17安打は追い込まれる前のカウント球を仕留めていた。
19安打中8安打は1stストライク撃ちだった。
19安打中13安打は、その打席内での1stスイングで弾き返したヒットだった。

選手のコメントでも評論家の解説でも「一振りで仕留めることの大切さ」を、僕らはよく耳にするが、その基本が貫徹できたゲームになった。

なかでも、小深田、フランコ、伊藤裕、平良は当該打席の1stスイングでヒット2本を打っていた。

前日左越えツーベースをみせた平良は6回にザバラの157キロを一撃必殺で右前へクリーンヒットを飛ばすと、翌7回2死3塁では生田目翼の甘く入った変化球をこれまた一の太刀による完璧なタイミングで応戦。左前へ運ぶタイムリーにしてみせた。

相手投手陣の青写真を狂わせる猛攻に

また、この試合、ファイターズの今季主戦級候補と言われた面々をことごとく打ち崩した点も、シーズン見据えたときの布石という意味で良かった。

下記報道によれば、5月大型連休まで6連戦日程のない日本ハムは、開幕ローテは5枠だという。
そのなか、伊藤大海、加藤貴之、山﨑福也、そして3年ぶりにNPBに復帰したバーヘイゲンは早々に内定していた。

そのなか、ローテが内定した出戻り外国人が乱調。そしてその不調を逃さず一気呵成に攻め立て、4四死球を絡めて3回7安打で5得点をお見舞いした点。これは大きかった。

前回在籍時は速球の平均球速が150キロ超えだった青い眼の右腕も、この日は140キロ前後が大半。そんな球速出ずのファストボールで7安打を弾き返したのだから、建山義紀投手コーチらファイターズ首脳陣は胃が痛いことだろう。

また、新戦力の豪腕ザバラや、昨年29登板26.1回で防御率0.00と頭角を現した福田俊からも2回6安打を浴びせて2得点。
とくに昨年は左打者被打率.093の好成績を残し、楽天左打者も13打席無安打に封じられた左腕・福田から、この日は左打者が7打席4出塁できていた。

ともすれば・・・(続く)

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開幕迫る! 12球団最年少監督のもとチーム再建を目指す楽天。則本の守護神抜擢、内の先発転向、弓削左のワンポイント、浅村三塁コンバートなど矢継ぎばやに出てきた構想が、どれだけ実現してハマるのか?ファミリーのようなチームを標榜する今江監督の采配に注目。

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