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【試合評】岸「生命線」の精度を失って4敗目~7月27日●楽天1-5ソフトバンク

8月戦線不参加が決まった背番号1の抹消

我が目を疑うとは、このことだった。
試合前にNPBのウェブサイトで確認した登録&抹消。
そこに、昨日ソフトバンク戦(○E4-1H)の9回、セーブ機会を福山に譲った松井裕樹の名前があった。

報道によると、どうやら昨日から体の不調を訴えていたという。

菅野愛郁さんが届けてくれた試合後の梨田監督の談話。
「『少しかかりそうだなあ...』と話していましたね。『ここまで良く投げてくれたけど、疲れもあっただろうしなあ...』と渋い表情で話していました」

このリポートを受けて、解説席の牧田明久さんは最短10日で戻ってくるのは難しいという見通しを口にしていた。

最後の登板になった7月22日オリックス戦(○E8-7Bs)は最速147kmを計測。1安打は許したが、球速も出ており、ゼロに抑えて上々に思えた。

しかし、今年はWBCのため例年より始動を前倒ししたシーズン。
例年なら開幕前の調整段階のところ、国際舞台の真剣勝負で腕を振ってきたのだ。

それに、開幕82試合で半分以上に当たる43登板の登板過多。
開幕82試合終了時の登板数、投球回、球数を前年と比べてみると、下記のとおりで、いずれも今年が上回る内容だった。

2016年 37試合、36回1/3、707球
2017年 43試合、44回2/3、763球

試合後の報道によると、左大円筋付着部炎部分損傷。
実戦復帰まで4週間との診断で、8月のブラック日程、背番号1抜きで戦わざるをえない状況になった。

松井裕の1軍抹消(※)はルーキーイヤーの4月24日以来、2度目。
このときは先発で結果が出ず、不調のために2軍再調整を命じられたもので、故障による抹消は、プロ初の事態になった。

※・・・シーズン終盤10月の抹消は含まず。

両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・明石(一)、2番・今宮(遊)、3番・松田(三)、4番・柳田(中)、5番・デスパイネ(指)、6番・中村晃(左)、7番・上林(右)、8番・甲斐(捕)、9番・高田(二)、先発・東浜(右投)

楽天=1番・島内(中)、2番・聖澤(右)、3番・アマダー(指)、4番・ウィーラー(三)、5番・銀次(二)、6番・クルーズ(遊)、7番・松井稼(左)、8番・今江(一)、9番・嶋(捕)、先発・岸(右投)

お祭り男も負傷退場...

茂木に藤田、岡島とペゲーロ、そこへきて松井裕。
1軍離脱になった主戦級の面々を指折り数えていたら、ここ4試合中2試合でヒーローインタビューに立った今江も、続いてしまった。

6回表の守備回だった。
先頭の3番・松田の当たりは三塁線いっぱいの三ゴ。
ウィーラーが逆シングルで処理、そこまでは良かったが、遠投になった1塁送球が高く逸れるかたちになり、今江はジャンピングキャッチ。
このとき、着地の瞬間に1塁へ走ってきた打者走者・松田と激突。
左手が松田のヘルメットと衝突するかっこうになり、転倒。
直接タッチでアウトにしたものの、プレーに戻ることができず、三好と途中交代を余儀なくされた。

仙台市内の病院へ向かった今江は、左尺骨骨幹部骨折の診断。
わずか3試合で5発を放ったアマダーの本塁打量産体制に全く引けを取らず(泣)、たった5日間でペゲーロ、岡島、松井裕、今江と相次いで4人が故障に見舞われた事態は、2015年の「魔の15日間」を思い出さずにはいられない。

「魔の15日間」については『週刊野球太郎』最新コラムで書いたが、

田代コーチの退団も、三木谷オーナー現場介入報道も、ひいては大久保監督の辞任、2年連続の最下位も、梨田監督の就任も、全てはここから始まる「悪夢の15日間」だった。

昨日の試合評、ぼくは「故障者をチームの弱みにしない真の強さ」と書いたが、たった1日で想定外の事態が発生し、ガラリと状況が変わり、さらに厳しくなった今、なおも残されたナインが一致団結し、その強さ貫くことができるか──

チームの窮地を局面打開する男、再び1軍へ

その代表格として活躍を期待したいのが、松井裕と入れ替わりで1軍に呼ばれた青山だ。

青山はNPB通算500登板まで残り14に迫っている。
達成なれば、NPB史上96人目、楽天生え抜きでは初の快記録になる。
森原と同じくプロ1年目の開幕戦でプロ初登板を踏み、12年連続で1軍で投げてきた「勲章」とも言える記録を達成させるためにも、復活なるか?!

5月1日に登録抹消されてからの約3ヵ月間は、ファームで24試合1勝1敗、33回で防御率3.27、WHIP1.06と調整してきた。

去る7月17日西武2軍戦では1点差の終盤8回1イニングをみごとな零封。
足立の構えたミットのコースにほぼほぼ投げ切る安定した制球力で、とくに右の山田を外いっぱいの3球三振に仕留めるなど、健在ぶりをアピールするワンツースリーをみせてくれた。

チームの窮地を、チーム最年長投手になった青山が「局面打開のスライダー」で救っていく、そんなナイスピッチングを期待したい!


試合は投手戦の末、1-5で楽天が落とした。
雨で流れて2連戦になった首位攻防戦は1勝1敗。
2位・ソフトバンクとのゲーム差は再び1.5になった。

ジンクスを抱えた両先発投手

楽天先発・岸、ソフトバンクの東浜。
ともに嫌なジンクスを抱えてのマッチアップだった。

岸は、、、


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