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【試合評】 梨田楽天、V2軍団に逆転勝ち。東北開幕を白星発進~2016年3月25日○楽天イーグルス7-3ソフトバンク

東北開幕を制した新生楽天、今季白星発進

3年越しのリベンジへ。梨田監督率いる新生楽天が「始めの一歩」を白星で飾った。本拠地・仙台に2年連続日本一のソフトバンクを迎えて薄暮の中、25,083人のお客さんに囲まれ、3時間9分を戦った。

始球式は藤原紀香さん。黒髪を後ろに束ね、長い脚が良く映える赤いパンツルック姿で颯爽と登場。上半身は背番号628(は藤原さんの誕生日だ)のユニフォーム姿だ。大きく振りかぶってのピッチング。嶋が取りやすい山なりのスローボールを披露した後、16時5分にプレイボールとなった。

両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・福田(右)、2番・本多(二)、3番・柳田(中)、4番・内川(指)、5番・明石(一)、6番・松田(三)、7番・中村(左)、8番・今宮(遊)、9番・斐紹(捕)、先発・攝津(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・銀次(一)、3番・松井稼(中)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・茂木(遊)、7番・ゴームズ(指)、8番・藤田(二)、9番・嶋(捕)、先発・則本(右投)

序盤はまさかの荒れ模様に

ゲームは序盤、予想外の荒れ模様を見せる。

楽天・則本、ソフトバンク・攝津。7度目のマッチアップになった両先発。共に序盤エンジンがかからず、本来の投球がままならない中でズルズル失点を重ねた。

2リーグ制後ではNPB史上初の新人からの4年連続開幕投手。今月8日には第一子も誕生し、新たな家族が増えたばかり等々。則本には色々と気負いすぎた部分もあっただろうし、冷え込みが厳しい仙台特有の春先の寒さで指先の感覚を掴むまでに時間がかかったのだろう。事実、投球練習時から指先にしきりに息を吹きかける姿が目撃されている。不運なヒットなども多く、2回までにまさかの3失点を喫した。(楽0-3ソ)

経験豊富な攝津も則本同様に苦しんだ。

制球に難があったのは攝津のほうで、コマンドが思うように操ることができない。則本が3点目を奪われた直後の2回裏、イーグルス打線はこの不安定な攝津の攻略に成功する。この回、4四球1失策の相手ミスを絡めながら、3本のシングルヒットを集め、打者一巡11人で5点を奪取。8番・藤田と1番・岡島に2点適時打が飛び出し、1死満塁で3番・松井稼の一ゴでファースト明石がファンブル、これがタイムリーエラーになり、一気にゲームひっくり返した。(楽5-3ソ)

3回以降に立ち直った則本、7回までマウンドを支配する

則本は味方逆転直後の3回、カチッとスイッチが入ったように立ち直った。

2回まで5安打を浴び、代名詞の奪三振は僅かに1個に止まった投球内容が、3回以降の5イニングでは被安打1。毎回複数の10奪三振。1番・岡島による本戦4本目のヒットがタイムリーになり、リードを4点へ広げた後の6回、7回辺りは、完全にマウンドを支配する背番号14の独擅場といった雰囲気だった。

楽天は4点差のリードを守り切り、8回は福山が一飛、空三振、捕邪飛と完璧な内容。最終9回には今季初の勝利のアンセムが流れ、背番号1が登板。打者3人を12球で片付けている。シーズン開幕戦を仙台で戦い、白星発進でスタートしたのは球団史上初の快挙になった。

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3点ビハインドからの逆転勝利の価値

ところで、3点差をひっくり返しての逆転勝利。皆さん、どれだけ価値大なのか?御存知だろうか。

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