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【試合観戦記】 4/3楽天2-4日本ハム: 岸、万波に大暴れ許す。ベテラン右腕の看板球機能せず ・・・

鷲の主砲、ようやく両目開眼か

楽天打線は今季初の1試合二ケタ10三振。

7回1死まで北山亘基にマウンドを支配され、スイングした32.1%で空振りを喫するぐうの音も出ない状況。快記録を阻止するのが精一杯というゲーム展開になったが、終盤に収穫もあった。

4番・浅村栄斗の両目が開いたのだ!

7回1死から2番・小深田大翔が完全試合阻止の四球で出塁。3番・小郷裕哉はノーヒットノーラン阻止の右安で続き、1死2,1塁になって悩める鷲の主砲にアットバットがまわった。

追い込まれてからの勝負球に必死に対応した結果は三遊間を破る左前へ。開幕20打席目にして飛び出した今季初安打がタイムリーとなり、快投を繰り広げた頭脳派右腕を降板に追い込む一撃になった。

翌9回2死1塁では、田中正義の外角ストレートを右翼線へと打ち返すツーベース。1塁からコブが一気にホームを踏む2打席連続タイムリーにもなった。

今江敏晃監督も「とにかく浅村にヒットが出たことは大きい」と語れば、本人も「いいきっかけにしたい」。帰仙してホークスを迎え撃つ週末ホーム3連戦へ良いはずみになりそうだ。

試合展開

楽天=1番・茂木(一)、2番・小深田(二)、3番・小郷(右)、4番・浅村(指)、5番・島内(左)、6番・阿部(三)、7番・辰己(中)、8番・石原(捕)、9番・村林(遊)、先発・岸(右投)

日本ハム=1番・水野(遊)、2番・松本剛(中)、3番・万波(右)、4番・マルティネス(一)、5番・野村(三)、6番・田宮(捕)、7番・レイエス(指)、8番・石井(二)、9番・五十幡(左)、先発・北山(右投)

両軍のスタメン

楽天打者はボールゾーンの真っ直ぐで空振り7球

「ビンビンに飛ばしちゃってくださいよ~」

初回、2番・小深田が空三振に倒れたとき、GAORAの実況ブースでは岩本勉さんがはやくも絶口調をみせていた。

この日の教授は、真っ直ぐは最速154キロ、平均148.7キロを計測。ファストボールがすこぶる走っていた。
楽天打者が空振りした真っ直ぐ11球中7球はボールゾーン投球。ストライクゾーンを外れた速球であっても、打者の選球眼を狂わすほどの威力があった。

おもに2ストライク以降に使用されたフォークとの相性もよく、勝負球の威力も増幅し、とくに1巡目は5者連続三振を含む9打数0安打7三振となすすべなしだった。

北山亘基 球種別の投球診断表

岸孝之、看板球機能せず

つけいる隙を全く見いだすことができない北山の快投が続いたため、なおさら初回の1失点が重くのしかかり、5回万波3ランのインパクトはデカすぎた。

この日の岸は球種でいえば、カーブが鬼門になった。

不用意なカーブがいくつかあり、そこをファイターズ攻撃陣にしっかり攻め込まれたかたちだ。

初回1死、2番・松本剛の右安がその典型だった。

ストライクゾーン両サイドを広く使い、ストレート主体で2-2と追い込んでいた6球勝負。石原は真ん中低めにミットを構えたものの、カーブが外角高めにふわっと浮いてしまい、そこを軽打で右中間へ運ばれてしまった。

1死1塁となって3番・万波中正。その初球カーブのときだった。2年前には21盗塁を記録したこともある一走・松本剛に完璧に2塁を盗まれてしまった。

このときのクイックは当方計測1.40秒をゆうに超えていた。

目安が1.20秒とも言われるなか、明らかに遅かった。カーブという最も遅い球速の球だったこともあるが、たとえば4回2死1塁、1塁に俊足の田宮裕涼(2回には盗塁企図されていた)を置いた状況で、レイエスへの初球真っ直ぐのときも1.33秒だった。

近年の岸、とくに昨年来、岸は走者よりも打者との勝負により集中したい方針なのかもしれない。

というのも、昨年は16企図15盗塁されていたのだ。
加齢による衰えで炭谷の肩も往時の威力はなかったにせよ、そもそも9イニング平均1.12企図という頻度も多すぎだった。

岸も今年12月で40歳。加齢に逆らうことはできず・・・(続く)

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