【試合評】 5月攻勢の狼煙となる主将・嶋基宏「進化」と「執念」の二塁打~2016年4月29日○楽天イーグルス4-3オリックス

5月攻勢へ弾みにしたい、価値大の逆転1点差勝利

世間はゴールデンウィーク最初の週末。楽天は6位・オリックスとの3連戦を戦う。所沢、札幌と転戦し、3連敗を喫して敵地に乗り込んできたイーグルスはその初戦、エースの則本が先発。絶対に落とすことが許されないゲームになった。

というのは、この3連戦の第2戦に金子千尋、第3戦には西勇輝と、オリックスのダブルエースが登板してくることが予想されていた。今シーズンは両投手とも大きくつまずいた形になったが、金子は前回23日ロッテ戦で7回1失点のHQS、西は2戦連続QS2連勝と調子を取り戻してきた感があった。

もし初戦を則本で落とすことがあれば、一気に3タテ、ひいては6連敗、チームは一気に最下位転落。そんなリスクもあったわけだ。その意味でも5月攻勢につなげるためにも、本戦は白星で飾りたかった。

両軍のスタメン

楽天=1番・岡島(右)、2番・聖澤(中)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(三)、5番・松井稼(指)、6番・福田(左)、7番・後藤(二)、8番・嶋(捕)、9番・吉持(遊)、先発・則本(右投)

オリックス=1番・西野(二)、2番・安達(遊)、3番・糸井(右)、4番・モレル(一)、5番・小谷野(三)、6番・T-岡田(左)、7番・中島(指)、8番・伊藤(捕)、9番・駿太(中)、先発・松葉(左投)

7回同点打、9回決勝打。shibakawaが岡島の好調さを垣間見たシーンとは?!

オリックス5回戦はスコア3-3で終盤9回を迎えていた。

初回に3点先制されて始まったが、3回に聖澤適時打、銀次内野ゴロで2点を返すと、7回には岡島同点打。ゲームを振り出しに戻し、今日も決着は終盤へと持ち越されていた。

9回は四番手・平野が登板。先頭打者は8番・嶋基宏だった。
ここであまりにも貴重な主将の一撃が飛び出している。

2-1からの128km変化球。これを左中間ウォーニングゾーンへ運んで二塁打。バントで三進、1番・岡島による本戦2本目のタイムリーが左前へ弾み、嶋が3塁から決勝のホームを踏んだ。

9回裏、松井裕が3番・糸井から始まる相手クリーンアップを3者連続三振に取り、3時間10分の戦いに終止符を打った。背番号1が3者連続三振でセーブを挙げたのは昨年9月1日オリックス戦(○E4-2Bs、コボスタ)以来、通算2度目になった。

ヒーローインタビューは今季5度目の猛打賞、復帰後初の3安打で、7回に同点打、9回に決勝打を放った岡島が呼ばれている。

調子の良さを裏付ける岡島のシーンがあった。

3回の2打席目、松葉の甘く入ったスライダーを中前へ打ち返した場面だ。実は1打席目、スライダーで2つのストライクを奪われて見三振に倒れていた。このときに得た情報をさっそく2打席目で還元したわけだ。同点打になった7回岸田との対決も同様だ。高め真っすぐをファウルにしてカウントを稼がれ、その後2-2と追い込まれていた。結果球は、はたして高めの真っすぐだった。すぐさまアジャスト。左前へ流し打ったというわけになる。今後も期待できそうだ。

イーグルスは連敗脱出。チーム成績は5位、26試合11勝13敗2分。ゲーム差は1位・ソフトバンク、2位・ロッテと4.0、2位・ロッテと3.5、3位・日本ハムと0.5、4位・西武とゲーム差なし、6位・オリックスと2.5とした。

オリックス戦は4勝1敗、先制された試合は6勝8敗、1点差試合は4勝6敗、7回終了時に同点試合は2勝4敗1分とした。

主将・嶋基宏「進化」と「執念」の二塁打

話を嶋の9回二塁打に戻そう。ここで「あまりにも貴重な」と書いたのは、岡島の決勝打と共に延長戦突入を阻止する大きな戦果になったこと。そして、、、

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