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「NPBは処分を出してない。だから問題がややこしくなる」。『甲子園という病』の氏原英明氏、FA宣言した西武山川の不祥事で静観を決め込んだNPBをバッサリ

 スポーツジャーナリストで『甲子園という病』の著者、氏原英明氏(46)が15日、自身のYoutubeチャンネルを更新。14日に国内FA(フリーエージェント)権を行使した山川穂高(西武)について言及した。

 山川は今年5月、知人女性への強制性交容疑で書類送検されてその後に嫌疑不十分で不起訴処分に。しかし球団はファーム戦を含む公式戦無期限出場停止処分を下し、今季17試合の出場に終わった。
 
 西武でイチから出直すものと思われたなかでのFA宣言になっただけに、SNS上は大荒れ。西武ファンからは「さすがにドン引きだわ」「正直いうと感じ悪い」、4年総額20億円プラス出来高払いと、いちはやく獲得報道が出たソフトバンクのファンからも「何が世界一の球団だよ。こんなんで勝っても心の底から喜べない」などと賛否両論があがった。
 
 事態が紛糾する背景について氏原氏は「西武しか処分を出していない。要するにNPB自体はなにも動いてないんですよね。だから問題がややこしくなってくる」と指摘。今回のFAは「山川選手に対する審判」と位置づけ、「移籍した場合は西武に残らず移籍したという十字架を背負わなければならないし、声がかからなかった場合は『世間はまだ認めていないんだよ』ということで、もう一回見つめ直して歩み始めるべき」と語った。
 
氏原氏は返す刀で現行のFA制度もバッサリ。「なかなかいい制度にならないのは、一番理想は自動FAだけれども、選手側も自動FAを嫌がっている。(選手側が)美味しいところだけとろうとしても難しい」と終始、舌好調だった。
 
 氏原氏は2月の侍ジャパン合宿を皮切りに山川の10月5日謝罪会見、日本シリーズ、アジアプロ野球チャンピオンシップと今年は精力的にプロ野球を取材している。
 
 群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、奈良新聞からの叩き上げのスキルだけが武器の東野圭吾ファンおじさんに今、一部ネットから熱い視線が注がれている。【終】(800字)

氏原英明(うじはら・ひであき) 1977年3月23日生まれ。ブラジル生まれ・奈良育ち。2003年に奈良新聞から独立後、高校野球を中心にプロ野球、MLBの春季キャンプ取材まで階層をまたいで取材する。夏の甲子園は21年連続で取材。著書に『甲子園という病』『甲子園は通過点です』(新潮新書)など著書多数でもない。現在はNumber Web、THE DIGESTなどウェブ媒体を中心に寄稿。執筆業の傍ら、音声アプリ「Voicy」パーソナリティを務め、YouTubeチャンネルの登録者数は2700名を突破した。映画は洋画の字幕派。好きな女優は吉高由里子。特技はトランペットと手作り餃子。


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