【試合評】明暗分けた降雨の影響~5/1○楽天2x-1ソフトバンク

9年ぶりVへ命運握るかもしれない重要1週間

今年の楽天は、毎試合Theプロ野球という濃密なゲームをみせてくれている。タフなゲームの連続になったゴールデンウィークの第一週も、まさしく!だった。

金曜日が雨で流れて計5試合。全て1点差以内の接戦である。楽天生命パークが3年ぶりに満員御礼を記録した4/30○E7-6Hは4点差をひっくり返す逆転劇になった。

3試合で延長戦へ突入。3年ぶりに延長12回制が復活した今季、楽天はこの1週間でエキストライニングを5イニングも戦うことになった。

悪天候にも直面。マリンで戦った4/26○E3-2Mは強風ゲームに。Youtubeであの里崎智也さんも風速19m下でのプレーはさすがに記憶にないと語るほど、まれにみる一戦だ。

そして今季初の降雨コールドの本戦である。プレイボールから止むことのない冷雨。イニングの合間に計3度のグラウンド整備が入るバッド・コンディションの2時間30分を、イーグルスが2-1で制している。

こんなに厳しい1週間だったが、負けなしの4勝1分。2位とのゲーム差を今季最大4.0に広げることができた。

まだ全日程の17%を消化したにすぎず、こんなこと言うと鬼が笑うのだろう。でも、9年ぶりの優勝の命運を握る大変重要な1週間を制したと言えそうだ。

試合展開

ソフトバンク=1番・三森(二)、2番・野村勇(三)、3番・柳田(指)、4番・グラシアル(左)、5番・中村晃(一)、6番・柳町(中)、7番・上林(右)、8番・今宮(遊)、9番・甲斐(捕)、先発・大関(左投)

楽天=1番・西川(左)、2番・小深田(遊)、3番・浅村(二)、4番・島内(右)、5番・マルモレホス(指)、6番・鈴木大(一)、7番・黒川(三)、8番・辰己(中)、9番・太田(捕)、先発・則本(右投)

明暗分けた降雨の影響

雨中戦は両軍に難しいプレーを余儀なくさせた。

投高打低の今季パリーグでは数値はもっと高くなっているのかもしれないが、近年のNPBではゴロがアウトになる確率は、だいたい72~73%で推移している。

ところが、本戦では50.0%だった。
両軍22本のゴロを放ちながらアウトは11本のみ。(バントは除く)

両軍打者がじつに良いコースにゴロを弾き返した側面もあるいっぽう、降雨で地面がぬかるんで両軍内野陣が本来の守備力を発揮できず、外野へ抜けた影響も否定できない。

また雨で走路の状況も悪く、ランナーがいつもどおりの走塁ができなかった。

そのことを如実に象徴するのは、5回表の守備だった。

3番・柳田から始まった若鷹軍団の攻撃。ギータを左飛に退けた1死後、則本がシングルヒットばかり5連打を浴びてしまう。そのうち4本がゴロヒットだった。

内野陣が球際追いつけない場面は・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2022』でどうぞ。

楽天イーグルスを周囲よりも“半歩”詳しく知りたいあなたへ──
石井全権体制2年目を迎える今シーズン、9年ぶりのVを狙う“譲らない”熱戦を、いろんなデータをまじえながらの試合評、コラムで綴ります。
あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。
月10回以上を所収します。
ただいま新規読者さん募集中!

《読者さんの声続々!》観る野球から考える野球へ。過程を検証する姿勢、セオリーを疑うことで見えてくる景色の提示など、野球の奥深さを覗くことができます。こちらを読むようになってから、本棚に野球の関連本が増えました」(東海在住40代男性さん)

★ご登録は下記からどうぞ! あなたのご参加お待ちしてます!

ここから先は

3,306字 / 2画像

¥ 100

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。