【2018総括】 痛感したプロの厳しさ。「東都の安打製造機」楽天・山崎剛が噛み締めた1年目の意味

※楽天のドラフト3位、山崎剛選手のプロ1年目を、本文2,000字で振り返ってみました。

◎楽天 山崎剛 2018年 打撃成績

東都大学リーグで積み上げたヒットは通算103本。
100安打達成は史上24人目で、高須、嶋、聖澤らも届かなかった快記録だ。

当然、即戦力とみられていた。
春先に出た『野球太郎No.026』でも「1年目からレギュラー争いを期待できる存在」の評。
実際、チームでも期待されており、イースタン開幕戦は1番・遊撃でスタートした。

しかし現実は厳しく、本人も「最初はもっとやっていけると思っていた。甘い世界ではないということを痛感した」(※1)と感じたように、《2年目へ向けて課題を発見したシーズン》になった。

打撃成績は84打席でOPS.582。
この数字は、同じ左打者の島内、岡島、茂木が大卒1年目で残した数字より低く(※2)、今後も二遊間でお互い切磋琢磨する西巻の82打席.561をかろうじて上回るもの。
ただし、聖澤も1年目は49打席.601、山崎と似たような戦績ながらも3年目に主力に成長したことを考えれば、山崎の2年目以降にこそ期待を寄せたい。

アピールポイントは優れたバットコントロールとミート力だ。

9月12日~23日まで出場8試合連続ヒットという“見せ場”も演出した。
この期間内は25打数11安打の打率.440だった。
バットさばきの上手さは、1試合3三振が2軍の1回だけだったことからもうかがえる。逆に1試合3安打は2軍で5回、1軍でも9月15日ロッテ戦で記録した(※3)。

1軍でも2軍でもヒットの73~74%をセンターから逆方向で生み出し、2軍での唯一のホームラン(4月8日戸田でヤクルトの小川から)も左本。
むやみに引っ張りにいかないところは、銀次や岡島など「鷲の左打者の系譜」を受け継ぐ存在になりそう。
空振り率は9.8%。岡島、島内の大卒1年目(ともに5.1%)より高いものの、リーグ平均レベルの数字を維持した(※4)。

ただし、ミート中心の打撃は弊害も残ってしまう。
東都でもホームランは4本に終わったことから分かるように、、、

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