【試合評】 ミラクルイーグルスを信じたい!~2016年8月25日○楽天イーグルス7-5ソフトバンク

「何か」の始まりを予感させる劇的すぎる逆転劇!

いやはや、一夜明けた今でも、昨夜のドラマはあまりにも劇的すぎて、その感動を適切に表現する言葉が見つからない。

負ければ、対ソフトバンク戦の2年連続負け越しが決まるという福岡の夜、楽天が土壇場で「奇跡」を起こした。

4-4の同点の8回裏、楽天はソフトバンクに勝ち越し点を許した。回またぎ登板した二番手・金刃が、柳田、長谷川の長短打で1点を失った。(楽4-5ソ)

そして迎えた9回表、マウンド上はスアレス。このカード初戦の守備時に転倒し、右腓骨筋腱炎で戦線離脱中のサファテの代役で登板してきた。ドラマはここから始まった──

僅か2球で0-2と絶対的投手有利状況に追い込まれながらも、そこから粘って作り出した2本のヒットが活路を開いた。

1本目は先頭の8番・藤田だ。藤田も御多分に漏れず0-2経由後の打撃成績はここまで40打数5安打11三振の打率.125とふるわなかった。しかし、ここでは0-2の後に粘りに粘った8球勝負。はたして叩きつけた打撃はサードの頭上を越えていきそうなバウンドとなり、内野安打で出塁に成功し、代走・阿部が送られた。

無死1塁で9番・足立は送りバント作戦。しかし、148kmのスピードボールをバントの構えから真上に打ち上げてしまい、捕バ邪飛。

そのバントミスを島内が良く救った。今季の背番号35は0-2経由後に強く、ここまで35打数10安打、9三振、1四球、1死球、1二塁打、1本塁打の打率.286の戦績。ここでは追い込まれた後、ファウルで3本粘るなど7球勝負に持ち込んだ。

ラストは1-2からの7球目。ここで1塁走者・阿部のスタートが島内の安打をアシストしている。阿部が走ったことで遊撃・今宮が2塁ベースカバーに入り、島内は内角155kmに上手くコンタクトし、広く空いた三遊間にゴロを転がした。打球はそのまま左前へ到達、1死2,1塁のチャンスを作り、劇的ドラマの立役者、2番・茂木につなぐ。

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その茂木はボール先行3-1から低め151kmをコンパクトに振り抜いた。ミート打撃から生まれたライナー性の打球が中前を襲う。センター柳田がこの打球にイチかバチかの勝負。チャージしてスライディングキャッチを試みたが、その直前に着弾した打球を後逸。中堅後方フェンスまで転がった間に、2塁走者、1塁走者の生還に加えて、打者走者の茂木まで一気にホームイン!(楽7-5ソ)

9回裏は松井裕が3人で締めて26セーブ目。勝利投手は8月フル回転の福山で3勝目になった。

茂木のランニングホームランはパリーグでは2014年5月6日のロッテ・荻野貴以来、楽天では2013年7月7日の島内以来となる4本目。新人選手によるランニングホームランは1998年7月4日の阪神・坪井以来の快挙になっている。

◎楽天のランニングホームラン記録
偶然にも4本とも全てホークス戦で発生し、そのうち3本が敵地で生まれているが興味深い。

これでチーム成績は4位、111試合49勝59敗の勝率.454、借金を再び10に縮めた。

ゲーム差は1位・日本ハムと19.0、2位・ソフトバンクと17.5、3位・ロッテと8.5、5位・西武と2.0、6位・オリックスと6.5としている。

各種戦績は、後半戦15勝14敗1分、8月11勝8敗1分、直近10試合5勝4敗1分、ソフトバンク戦6勝12敗1分、ビジター20勝32敗2分になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・島内(中)、2番・茂木(遊)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(左)、5番・今江(三)、6番・アマダー(指)、7番・ペゲーロ(右)、8番・藤田(二)、9番・足立(捕)、先発・美馬(右投)

ソフトバンク=1番・中村晃(左)、2番・明石(二)、3番・柳田(中)、4番・内川(一)、5番・長谷川(指)、6番・松田(三)、7番・吉村(右)、8番・今宮(遊)、9番・細川(捕)、先発・東浜(右投)

ミラクルイーグルスを信じたい!

この3連戦はパリーグのペナントレースにとってターニングポイントと言える3日間になったと言えそうだ。首位ソフトバンクが4月以来の陥落、交流戦の後半から目覚ましい快進撃を見せてきた日本ハムが遂に1位へ。そして4位・楽天は3位・ロッテのここへきての大失速も絡んで3位とのゲーム差を僅か10日間で4.5を一気に縮めることに成功した。(下記表参照)

昨年は夏場の西武大失速、今年はあれだけ強かったソフトバンクが直近16試合4勝12敗と大きくペースを落とした。こういう失速劇を見ると、自力CSの可能性が消えた楽天とて、チャンスがあるのでは?と信じたくなる。

特にここへきて先発陣にも故障者が発生している苦しいロッテのチーム事情と、怪我人が戻ってきて陣容十分の楽天、両者の勢いの差を考えれば、今後、ミラクルイーグルスが起きる可能性も、大きいのではないか。そう強く信じたくなるのだ。

ナインはみな必死で戦っている。8月13日に自力CSの可能性が消え、目標を見失い、戦意喪失してもなんらおかしくない状況下、5勝3敗1分と良く戦ってきた。

中でも特に救援陣の頑張りは特筆すべきものがある。

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