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【試合評】 大きく遠のいたCS本拠地開催権~9月14日●楽天1-2西武

2位・西武とのゲーム差は今季最大3.5に

「不運」と「終戦」の西武23回戦になった。

負ければ2位・西武とのゲーム差は今季最大3.5。
直接対決2試合を残すなかでの3.5は、現在のチーム状況では致命的だ。
そのうち1試合は菊池再登板の可能性もある。
ここで負ければ、事実上2位の可能性が絶たれてしまう、そういう剣が峰の一戦だったと思う。

不運なことに、その要所の決戦に主力メンバーが揃わない。
正捕手・嶋は前日の自打球(左母趾の打撲)の影響で休場。
同日2軍から下妻が昇格したことを考えると、この試合はとても出れるような状態ではなかった、そういうことだろう。

前日ホームランを放ちながら、体調不良で途中で退いた島内も、センターの定位置をオコエに譲り、ベンチからのスタートになった。
試合前の練習はいつもと同じメニューだったと中田浩光アナが紹介していたが、スタメンで出れるほどのコンディションではなかったのかもしれない。

そして茂木だ。
前日、1番・遊撃の定位置に戻ってきた「皆朱の槍」が、本戦では途中出場もなく、完全な休養日になっている。
痛めている右肘と右肩が完全な状態ではない。
そのことを改めて露呈させた茂木不在の3時間12分になった。

こういう、大事な決戦で主力級が揃わないとか、主戦級が調子を落としてしまっているといったケースが後半戦に入って多い。

そんな事情もあり、この日、楽天は菊池対策で打線に右打者を7人並べる布陣を敷いた。

かつては、右打者よりも左打者のほうが打率が良いので(本戦試合前データで右打者.194、左打者.072)、左vs左の対決ながらも、左打者を多く起用するオーダーを試みたこともあったが、本戦では定石どおり、右打者を使った。

そのなかには、前日1軍最昇格した中川や、対菊池13打席無安打のアマダー、7度目のスタメンになった新人・田中、そして岸と初めてコンビを組む足立の名前があった。

両軍のスタメン

西武=1番・秋山(中)、2番・源田(遊)、3番・森(指)、4番・山川(一)、5番・浅村(二)、6番・中村(三)、7番・外崎(右)、8番・炭谷(捕)、9番・金子侑(左)、先発・菊池(左投) 

楽天=1番・オコエ(中)、2番・銀次(二)、3番・中川(一)、4番・ペゲーロ(右)、5番・ウィーラー(三)、6番・アマダー(指)、7番・田中(左)、8番・足立(捕)、9番・西田(遊)、先発・岸(右投) 

岸好投も、マズすぎた初回の先制失点

苦心のオーダーで「高き壁」に挑んだ楽天だったが、結局、1-2で惜敗した。

今季初の中5日登板になった先発・岸は、古巣相手に126球の好投。
8回2失点のハイクオリティスタートで試合を作った。
ストレート平均球速は、古巣初登板になった5月3日西武戦(○E3-2L)の145.5kmに続く今季2番目の144.9kmを計測。
これ1つだけ取ってみても、岸が古巣相手の負けられない決戦、しかも、西武の新旧エース初対決に、相当な闘志が入っていたことが伺える。

しかしなのだ。
その働きに評価しつつも、あえて厳しく言えば、初回失点は拙かった。

現在、先制された試合でイーグルスは実に18連敗中だった。
先制されても、ひっくり返す力のあった前半戦とは打って変わり、今のチームは主導権を1度握られると、劣勢を跳ね返すだけの力に乏しい。

それに今季の岸は、初回失点がとても少ない点が魅力の1つになっていた。
初めて初回失点を許したのは、開幕16登板目の8月4日ロッテ戦(○E3-2M)。
ここまでの45失点中、初回失点を喫したのは2試合・合計4失点にとどめる内容だった。

ところがである。
立ち上がり、1番・秋山、2番・源田、3番・森の3者連続初球安打で許した「たった3球」での失点劇は、菊池が今季イーグルス戦で防御率0.90ということを考えても、致命的すぎた。

絶妙な三バ安を決めた2番・源田の打席、ウィーラーはバントヒットをケアするために予め前寄りの守備体勢を敷いていたか? 
3番・森の右安時、ペゲーロは俊足の2塁走者・秋山が無死にもかからわず本塁突入することを想定して守っていたのか?
守備体系、野手陣の姿勢にも疑問の残る失点劇になった。(楽0-1西)

これぞ大志だよ! らしさを見せた同点の快飛球

1点先行されたが、直後の1回裏、すぐさま同点に追いついている。

1死後、2番・銀次が一ゴ失で出塁。
ファースト山川の1塁悪送球という「貰ったチャンス」を活かした。
決めたのは今季5試合目のスタメンになった3番・中川だった。

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