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【試合評】花火大会の裏側でみせた、精密機械・岸孝之の110球~5月14日○楽天9-2ソフトバンク

投打で圧倒! 2位とのゲーム差再び2.5へ

接戦を落とした前日から一転、楽天が投打で圧倒。
今シーズン4度目の7点差以上をつけての快勝で、2位・ホークスとのゲーム差を再び2.5に戻した。

初回からみごとなホームラン攻勢が炸裂した。

先制は初回ウィーラーによる4号ソロ。
相手先発・寺原のボール先行2-0から高めに甘く入った142kmストレートを左翼席に運んだ。
打った瞬間は打ち上げるかたちになり、高すぎる放物線を描いたため、「どうかな・・・」と思われたが、無事にホームランテラスを越え、既存のスタンド最前列に着弾。
この1点は大きく、楽天の先制試合はこれで32戦中、68.8%に当たる22戦になった。(昨年は39.2%だった)

5回は一挙6得点。1イニング6点以上を挙げたのは今季7度目というビッグイニングで、若鷹軍団を大きく突き放した。
イーグルスを代表する新旧左打者の競演アーチになった。
(旧と言ってしまうのは、銀次に対して失礼ではありますが)

先頭の7番・島内による、センター柳田からの返球を間一髪制した好走塁二塁打を起点に始まった攻撃は、岡島の初球打ち安打、嶋によるフルカウント9球勝負を制した四球で、ノーアウト満塁のチャンスを迎えていた。

伏線を担った岡島豪郎の12球安打

このお膳立てでポイントになったのは、岡島のヒットだ。

3回の先頭でまわった前の打席、岡島は寺原に12球投げさせて安打出塁した。
3球目に1-2と追い込まれてから、ファウルで粘ること実に6球、ボールをみきわめること合計2球、フルカウントまでカウントを戻すと、高めに甘く入った速球を左前へ弾き返したのだ。
(これで岡島は10球以上投げさせた戦績は4打席3打数3安打1四球になった)

このことに懲りたのだろう。
この打席の初球、捕手・高谷のミットは外角に構えていたが、寺原はストライクゾーン甘いところへ投球した。
「あんな苦労はゴメンだ、打たせて取りたい」。
そんな投手心理が影響しての甘く入った投球を、今度は岡島、しっかり一振りで仕留めてみせたのだった。

岡島のヒットで無死3,1塁になり、9番・嶋。
2ストライクまでセーフティスクイズを狙ったが、バントファウル、見逃しストライク等で3-2と追い込まれてしまう。
しかし、ここからお得意の粘り打ち芸が始まった。
3球連続でファウルでカットすると、その9球目、寺原が根負け。
変化球が高めに抜けてフォアボールで歩いた。
バント失敗打席で貴重なリカバリーの四球は、イーグルスに今季9度目の無死満塁をもたらしたのだ。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(右)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(指)、5番・銀次(二)、6番・今江(一)、7番・島内(中)、8番・岡島(左)、9番・嶋(捕)、先発・岸(右投)

ソフトバンク=1番・本多(二)、2番・今宮(遊)、3番・柳田(中)、4番・内川(一)、5番・デスパイネ(指)、6番・中村晃(左)、7番・松田(三)、8番・上林(右)、9番・高谷(捕)、先発・寺原(右投)

俺とおまえと栄五郎!

お膳立て整って打席は1番・茂木にまわる。
ここで皆朱の槍を振るう杜の勇将が、値千金の槍働きをみせた。

速球攻めで2-2と追い込まれた後、寺原の膝元狙いのスライダーだった。
この勝負球が抜けて高めに甘く入った失投。

これを逃さず、逆方向に叩いた自身初の、そして球団通算27本目の満塁ホームラン、今季はやくも8号に乗せたグランドスラムは、寺原KOの一閃になった。

第1打席の遊ゴ、2打席目の左飛、いずれも速球とフォークのコンビネーションで打ち取られていた。

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