【試合評】 茂木流血。チームの命運を左右しかねない痛すぎる登録抹消劇~2016年6月26日●楽天イーグルス1-5ソフトバンク

茂木栄五郎、流血。登録抹消へ

3年ぶり奇跡の逆襲Aクラスか、それとも3年連続Bクラスか。チームの命運を決定づけてしまいかねない、ファン落胆のアクシデントが発生した。

スコアE1-2H、5回表のことだった、無死1塁で1塁走者・本多が仕掛けた二盗時だ。2塁ベースカバーに入った茂木が足立の送球を受けた時、右手を走路に突く形になった。そこへ滑り込んできた本多の右足スパイクが入り、あわわ・・・の流血。そのままベンチに下がると阿部と即交代となった。試合後、梨田監督は「相当、亀裂がある。縫わないといけないだろうから、抹消になると思う」と語ったという。

これは痛すぎる...  ここまで69試合中68試合に出場、そのうち遊撃スタメンとして65試合でプレーし、ここ数年チームの懸案事項だった「遊撃手の穴」を完全に埋める働きを見せていた。268打席での打率/出塁率/長打率は.279/.333/.365、1本塁打、26打点、9盗塁。打率.279は、84打席.263のオリックス・吉田正尚、270打席.256の阪神・高山俊といった同じ大卒ルーキーを抑え、パリーグでは新人唯一の規定打席到達打者だった。

その貢献度はセイバーメトリクスでも傑出している。

シンクタンクDELTAが無料公開する「1.02 Essens Of Baseball」によると、6月25日現在、選手総合評価指標WARでは茂木は1.9を記録している。これはパリーグ野手部門の10位、チーム野手トップの値である。遊撃UZR4.6は両リーグの規定守備イニング対象者11人中4位の好値をマークしている。

当方集計のデータでも優秀だ。

145km以上の速球にも強く、その打率は.429。バンデンハーグの147kmを捉えたプロ初安打の右中三が象徴するように、長打15本中5本を145km以上の速球で記録している。緩急にも耐性があり、直前球との緩急差20km以上の打撃成績でも25打数12安打、1二塁打、1三塁打、1本塁打、3三振、1四球と素晴らしい戦果を残した(ここまで交流戦終了時時点のデータ)。投手の左右で打率が大きく明暗分かれることもなく、得点圏打率は.315。バットマンとして非凡な才能を見せていた。

今回の負傷&登録抹消劇は、先頭を走ってきた新人王争いにも影響を与えそうだ。

両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・今宮(遊)、2番・城所(右)、3番・柳田(中)、4番・内川(一)、5番・長谷川(指)、6番・松田(三)、7番・中村(左)、8番・鶴岡(捕)、9番・本多(二)、先発・中田(右投)

楽天=1番・島内(左)、2番・藤田(二)、3番・茂木(遊)、4番・ウィーラー(指)、5番・岡島(右)、6番・銀次(一)、7番・後藤(三)、8番・足立(捕)、9番・オコエ(中)、先発・戸村(右投)

中田賢一、昨年から楽天戦防御率1.83へ

試合はスコア1-5で楽天が負けた。エースの誤算と相次ぐ守備ミスで初戦を落とし、2戦目は代打・枡田の起死回生逆転決勝2ランで勝利をもぎ取り1勝1敗。カードの決着は3戦目に持ち越されたが、今シーズン敵地3連戦の負け越しが僅かに1度しかないという王者ソフトバンクの投打が、楽天を上回った。

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