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大岩川の鳥類

大岩川の鳥類 富山の生物 55(2016):91-99
富山県生物学会

要約:2014年4月から2015年11月までの間、富山県中新川郡上市町の大岩川流域において鳥類調査を行った。ラインセンサスでは56種、それ以外の調査も含めると68種の鳥類を確認し、種数は3-8月および10,11月に多い傾向が示された。また、総個体数は9,10月に最も多く、隣接する月間での鳥類群集の重複度は春と秋で小さかった。これは主にヒヨドリ、アオジ等の渡り鳥の季節移動による影響であることが示唆された。優占種は月毎に大きく異なるが、ヒヨドリやシジュウカラなど森林性の鳥類がよく優占し、そのほかに耕作放棄地を利用するホオジロやアオジなど草原性の鳥類、キセキレイやカワガラス、ミソサザイなど渓流性の鳥類など多様な種が季節ごとに一部入れ替わりながら生息していることが示された。また、冬期には草原性・灌木性の鳥類種が姿を消すことが本調査地の特徴として挙げられた。

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