忘れられない思い出の味
小さい頃から炭酸ジュースが大好きで、三ツ矢サイダーは特に私のお気に入り。
自身の成長と共に、炭酸は、どの場面においても私の心強いお供だった。
変わることのない炭酸飲料の美味しさは、辛いことも悲しいことも、飲むとすぐに忘れさせてくれた。シュワっと泡が無くなってしまうみたいに、私の心を解かせ、爽快にさせてくれたのである。
中学時代、テニス部だった私は、部活終わりの疲れた心身を回復してくれるお供は、まさに炭酸だった。
日差しが眩しかった、真夏の部活帰り。カラッカラに乾いた私の喉に、冷たいシュワシュワのサイダ-が通過する。あの時の爽快さと幸福感は、今でも忘れられない。「プハァ~」と思わず声が漏れる。隣で車を運転していた母も、「そんなに飲みたかったの?」と呆れた表情をして、二人で笑いあったものだ。
私は、あと1年後にはお酒が飲めるようになる。炭酸を飲むことの楽しさがまたひとつ増えるのだ。改めて炭酸飲料というものは、人々に生活の彩りを与えてくれる大切な存在であると感じる。またひとつ、大人の階段を登って行こうとも、炭酸と私が繰りなす物語は続いてゆくだろう。忘れられない思い出の味と共に。
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