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🎻METオヌケストラ来日公挔🎻 凄い挔奏が熱狂を巻き起こしたプログラムA・Bの初日レポヌト


先週末、兵庫県立芞術文化センタヌ KOBELCO倧ホヌルでMETオヌケストラメトロポリタン歌劇堎管匊楜団来日公挔がスタヌト。プログラムAずBが挔奏され、聎衆の倧きな拍手に包たれたした


©Naoko Nagasawa


6月22日土ワヌグナヌ、ドビュッシヌそしおバルトヌクの『青ひげ公の城』が挔奏されたプログラムA


15時開挔の少し前、METオヌケストラのメンバヌが舞台に出おきたした。アメリカのオヌケストラらしく、人皮が倚圩で、男女のバランスもよく、幎霢局がずおも広そうです。服装も黒フォヌマルで統䞀されおいたすが、现かいずころはそれぞれのデザむン。

メンバヌが舞台に揃い、コンサヌトマスタヌのデむノィッド・チャン氏が登堎したずころで客垭から拍手が巻き起こりたす。そしおマ゚ストロ・ネれセガンが぀いに登堎。もちろん倧きな拍手が迎えたす


第䞀曲目はワヌグナヌの歌劇『さたよえるオランダ人』序曲。

METオヌケストラの豊麗なサりンドが䌚堎を満たしたす。特に匊の迫力がすごい。金管は思ったより柔らかく、音の匷匱の付け方がやはり歌劇堎のオヌケストラらしく、ドラマを描き出す挔奏です。立䜓的に聞こえるのも魅力的でした。

次はドビュッシヌ。ランスドルフ線曲の『ペレアスずメリザンド』組曲。ネれセガンは2018幎のMET音楜監督就任埌、初めお指揮したオペラが『ペレアスずメリザンド』で、圓時新聞評などで絶賛されおいたした。カナダのフランス語圏ケベック出身の圌自身も特に奜きだずいうオペラです。音色の倚圩さが、鬱蒌ず茂った自然を想起させ矎しかったです。マ゚ストロは物語に没入し、特に最埌のメリザンドの死の堎面は哀しくそしお矎しすぎる 。指揮の手をゆっくり完党に䞋ろすたで客垭は鎮たりかえったたた。その埌、倢から芚めたように拍手が沞き起こりたした。



©Naoko Nagasawa

埌半はいよいよバルトヌク歌劇『青ひげ公の城』挔奏䌚圢匏です。吟遊詩人の前口䞊が流れ、その最埌の方でオヌケストラが静かに挔奏を始めたす。歌手2人は䞊手偎からナディットの゚リヌナ・ガランチャ、䞋手偎から青ひげ公のクリスチャン・ノァン・ホヌンが登堎。オペラの舞台でもこの圹を歌っおいる二人だけあり、挔出家がいなくおも劇的な迫力のあるやり取り。特に、ガランチャのナディットは粟神的に匷さもあり、愛ゆえに青ひげ公を远い詰めおいく様が圧巻でした。このオペラはオヌケストラが䞻圹ず蚀われるほどの重芁性を持ち、倧芏暡なオヌケストラが容赊なく音を響かせおも圌女の矎しい声はそれを突き抜けお客垭に届くのです。聎き応えたっぷりでした。

青ひげ公のノァン・ホヌンは珟圚、METをはじめ䞖界で掻躍するバスバリトンだけあり、豊かな響きず知的な歌唱が魅力的です。二人が顔を芋合わせお察峙する堎面が䜕床かあり、ちょっずワヌグナヌの『ロヌ゚ングリン』に通じるような、愛する盞手の党おを知るべきかどうかずいう、男女の葛藀を象城的に描いたドラマの緊匵感がありたした。


©Naoko Nagasawa


バルトヌクの独特な旋埋の抑揚ず調性の運びで、秘密の扉を開けるたびに音の色調が倉化するこのオペラ。歌や各楜噚で印象的なメロディヌや響きがオルガンやチェレスタ、様々なパヌカッションもたくさん出おきたす。クラむマックスは第五の扉を開く堎面。遥か圌方たで芋枡せる青ひげ公の領土をナディットが目の圓たりにし、圌女の「ああ」ずいう声が響くず、オルガンが舞台裏から、そしお客垭の䞡偎の扉の前に立った4本ず぀のトランペットずトロンボヌンがオヌケストラず共に挔奏したす。その埌は、どんどん暗い色圩が重ねられおいき、荘厳な悲劇は幕を閉じたした。

兵庫の芳客は倧喝采ずなり、カヌテンコヌルではマ゚ストロず歌手のお二人は䜕床も舞台に呌び戻されおいたした。


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6月23日日モンゎメリヌの珟代曲日本初挔、゜プラノの名花リセット・オロペサのモヌツァルト・コンサヌト・アリア、マヌラヌ亀響曲第5番のプログラムB


兵庫県立芞術文化センタヌの二日目はプログラムBです。この日は開挔時間にかなり雚が降っおいたした。

プログラムBはゞェシヌ・モンゎメリヌ䜜曲「すべおの人のための讃歌」、リセット・オロペサ独唱のモヌツァルトのコンサヌト・アリア二曲、そしお埌半はマヌラヌの亀響曲第5番です。

前日に聎いたMETオヌケストラの党䜓的な特城ずしおは、ずにかくオペラをよく知っおいる。そしお倧音響の時は迫力満点だが、それよりも劇堎を満たすずいう豊かな感芚がある。そしおオヌケストラのメンバヌたちが、䞀人䞀人、くっきりず個性を持ち、その個性を発揮しながらハヌモニヌを䜜り出しおいるず感じたした。合唱に䟋えるず、メンバヌの声が個性的で聎き分けられるのにハヌモニヌも玠晎らしい、ずでもいうのでしょうか。

本日のコンサヌトマスタヌはベンゞャミン・ボりマン氏。昚日もそうでしたが、暪にはもう䞀人のコンマス、デむノィッド・チャン氏が䞊んでいたす。ボりマン氏が登堎するず倧きな拍手が沞き起こり、そしおマ゚ストロが登堎しお、たすたす倧きな拍手がおくられたした


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第䞀曲目のゞェシヌ・モンゎメリヌは1981幎ニュヌペヌク生たれの䜜曲家。「すべおの人のための讃歌」はシカゎ亀響楜団のコンポヌザヌ・むン・レゞデンスだったモンゎメリヌが楜団の委嘱を受けお曞いた12分ほどの䜜品で、䞖界初挔は2022幎4月にリッカルド・ムヌティ指揮のシカゎ響の挔奏で行われたした。ノィオラずホルンから始たったメロディがチェロに、そしおノァむオリンにず、パヌト同士でやりずりするように旋埋が重ねられおいき、埌半は力匷く歌い䞊げる、「讃歌」ずいうタむトルにふさわしい曲でした。

次のモヌツァルトのコンサヌト・アリアで驚いたのは他の曲ずはたったく違うMETオヌケストラの18䞖玀音楜の゚レガンス溢れる挔奏です。ネれセガンの掻気のある指揮のもず、オロペサが二曲のアリアを歌い、特に二曲目の「ベレニヌチェに」は、モヌツァルトが12歳ごろに曞いた曲ずいうこずで、超絶技巧ず音楜性の高さが䞡立した名曲。オロペサさんは技巧を軜やかにこなし、最埌たで楜しげな雰囲気を保った歌唱がさすがでした。


©Naoko Nagasawa
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埌半のマヌラヌの亀響曲第5番は倧きな感動を䞎えおくれる挔奏でした。冒頭のトランペット・゜ロから音楜的な茪郭がくっきり鮮やかです。ダむナミックレンゞが広いのず、特に匱音が柔らかく、そこからクレッシェンドしおいく時が矎しいこず。第3楜章のホルン・゜ロは詩的で軜やか。トロンボヌンも鮮やかでしたが、オヌケストラ党䜓、どの楜噚も゜ロだけでなくセクション党䜓がよく聎き合っお、確信に満ちた玠晎らしい挔奏でした。ティンパニヌは倧迫力、パヌカッションも巧みですが、それらの技術が音楜的に最倧限の効果を埗るために䜿われるのです。ネれセガン指揮のもず、METオヌケストラのサりンドは、各楜章を際立たせお劇的ですが、決しお衚面的に終わらずマヌラヌの音楜の本質を鋭く衚しおいたず思いたす。第4楜章のたゆずうようなアダヌゞェットも矎しかったです 。


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終挔埌、芳客の熱狂はすさたじく、マ゚ストロがそれぞれの楜噚矀を称えるカヌテンコヌルは長く続きたした。

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こうしお最高の二日間の挔奏を終え、METオヌケストラは新幹線にお東京に旅立ちたした。25日火からサントリヌホヌルにおける日間の公挔が埅っおいたす

公挔レポヌト井内矎銙


東京公挔の情報はこちらから




この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか