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クライエントのことを一番知っている専門家は、クライエント自身

先日、フォーカシングでこころの内面を振り返るワークをしました。

「印象に残っている料理」というテーマで私が思い出したのが、食わず嫌いだったカキを初めて食べたときのこと。

もうはるか昔、私が新卒2年目の時、会社近くの中華料理店で立食形式の食事会が開かれました。

いったい何の集まりだったのかなんて、全く覚えていません。

そこで、ずっと食わず嫌いだったカキを「食べてみなよ」と勧められ、生まれて初めて私は、カキ料理を食べました。

渋々食べたその料理…「おいしい!!」

それはフリッター状のカキと野菜(ナスとか?)をオイスターソースで炒めた料理で、名前も覚えていないけれど、

その時の光景や思いは、昨日のことのようにありありと思い出せました。

食べてみる時、「えいっ」と思い切ってみたこと

「食べれた!」と思ったとき、ちょっと自分を誇らしく思ったこと

「意外とできるんだ」と、ハードルは高くなかったと食べてみて感じたこと

ワークで話を聞いてくれていた方は、もちろんその当時の私のことも、その料理も全く知らず、同じ光景も見ていません。

だから当然、その時の感じは、私が言葉にしなければ一緒に味わってもらうことはできません。

逆の立場に立つと、

初めて聞いた話は、クライエントにその時の光景や思いを思い出してもらって、言葉にしてもらわないと、何もわからない。

だから、話してもらった言葉を一緒に味わい、思いをめぐらせることで、やっとそのクライエントのこころの中で起きていることに近づくことができる。

そんなことは当たり前だけど、

体感すると、その大切さの重みが違います。

今回、食べた時のことを思い出し、その時のいろんな気持ちを丁寧に思い出しながら話を聞いてもらう体験をして、

その当たり前のことを、改めて再認識しました。

このクライエント体験はとても大切

自分が相談した時、

ロールプレイでクライエント役をやる時、

自分自身のこころの動きに意識を向けて、どんな動きが自分に起こるか体験してみて下さい。

安心して落ち着いて、自分の体感した光景や、その時感じた思いを振り返れていますか?

自分の思いを、恥ずかしかったり抵抗を感じたりせず、話すことのできる相手ですか?

そうやって安心して思いめぐらせることのできる関係や場を作ることも、大切な聴き手の役割です。

クライエントの専門家は、やっぱりクライエント

安心して話せる場で、その時のことを2人の間で共有でき、

信頼できるもの同士、2人で一緒に考えることが、

クライエントにとって、よりよい方向を見つけることに繋がります。

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